雪に還る

アキと私

アキと私の関係を表す言葉を探すなら、「アキと私」、それ以外しっくりこないし、見当たらなかった。

エイプリルフール・フールズ

ときどきバカをやる旭の、たちの悪い嘘――でもそれを嘘にするかしないかは、俺の自由だ。

ブーケは空にほころんで

あいまいで形もわからなかった十年前のあの日々は、いまでもわたしの心に引っかかったまま、薄いもやを残している。

夏前線の月曜日

一年で一日だけ。その日が、私にとっては夏そのものだった。

予約の後輩くん

「先輩、予約お願いします」　水瀬くんは今、私に告白してるの？！

100を数えたら

100字による100に纏わる物語

半透明のユニゾン

あの夜、「半分生きている」私たちは出会った。

オヤコ善哉

家族。だけどまだ、「親子」ではない。

埋葬の先の先

埋葬したものがもう一度掘り起こされる日がくることを、あの頃は考えもしなかった。

まよなかまひるのデート

夜夜中。僕は、“全体の方”の僕が眠っているのを確かめて部屋を出る――。

てるてる坊主に虹がかかる日

父が亡くなった通夜の晩。降りしきる雨の中おきた、不思議な出来事。