本棚にしまったまま忘れていた短編小説のような。

「人の記憶というものは酷く曖昧で、不確かなものだ。」 よく目にする一文から始まる作品です。けれどだからこそ、読み手にとって入り込みやすく、読みやすい。その後に続いていく文章もとっても読みやすいのですが
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始まりはただ、子供らしい勘違い。

タイトルのままです。 誰にでもある、子供ながらの勝手な推測と予想で、本来とは全然違う方向性へと理解する。それは最終文、むしろ説明文に集約されるのですが、それに向かうまでの文章が本当に素晴らしい。カギ
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『けあらし』ってなんだ?と思った瞬間に囚われました。

ですます調で書かれる文章の可愛らしさといったらないです。純朴で可愛らしい文学少女が歳を経たようなイメージのまま描かれるのは、厳冬の寒さ──なのに、何故か穏やかな恋の記憶。 凍てつくような寒さの情景の対
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冷たく寒い雰囲気なのに、その裏は暖かく優しい。

ポツ。ポツポツ。ザアアアアア。 そんな擬音語から始まる文章です。すぐに読み終わるし、台詞ひとつない。静かで暗くて、夜と雨の冷たく寒いイメージなのに、何故か不思議と暖かくて優しい。何一つ答えは書かないの
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小気味よいテンポの離婚警報発令事件でした。

「離婚警報発令中」──定年を迎えてのほほんと暮らしている義昭の身に起こった、とある大事件。 残された紙に書かれていた警報解除のための努力を頑張るのだが、なかなかうまくいかない上に、考え方がまさに昭和の
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喉が鳴る一品です。

冒頭から美味しそうなメニューが目に飛び込んできて、これを肴にビールを飲むのかなと思いました。特にお気に入りなのはあさりのワイン蒸しです。「三つ葉の毛布にあさりが寝そべっており、〜(中略)〜プリっとした
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優しい筆致の作品でした。

風くんが、自分が生まれて育ってきたことへ向き合う流れの構成が優しくて良かったです。 文章自体もとてもしっかりしていて読みやすく、短編の中にきちんと起承転結を置いているので躓くところがなく読めました。
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