@りかりー:りかりーと申します。 いつもたくさんのお星さまありがとうございます。 お礼にミニ話をプレゼント! (*´∇`*)感謝!! 『オレの可愛いシモベ』 校門の前で男共の人だかり。 その人だかりを見て、嫌な予感が……まさか、な。 だが、そのまさかで、男共に囲まれて顔を真っ赤にしているオレさまのシモベがいた。 オレが出ていくと、男共が振り向いて慌てて道を開けた。 ギロッ 男共を睨んで、凍りついた輪の中心から、シモベの腕を引いて連れ出した。 なにが「可愛いよな💓」だ! 可愛いに決まってるだろ! このオレが手塩にかけて育てたんだからな! ふたつ下のオレのシモベ。 シモベはオレの本音を知らない。 「こ、これ、しーちゃんに渡したくて」 そう言って、おずおずと差し出したのは、白と茶のどうぶつの型抜きクッキーたちだった。 摘まもうとして、すっ、横から手が伸びてきて、クッキーをつまみ食いした。 「ん!甘さも控えめ。サクッと感も申し分ないな」 オレを怖がらないヤツがひとりいた。 オレの睨みにも平然としてシモベのクッキーを食っている。 「今度は俺のために作ってよ」 シモベはオレを見上げ途方に暮れたような顔をする。 作らせるわけないだろが。 クッキーひとつ取られただけでこんなにムカついてるのに。 「シモベちゃんって、いいよな」 そう言われて、頬を赤く染めるシモベはオレの袖をぎゅっと掴んでる。 「なあ、静也。そのシモベちゃん、俺に譲ってくれない?静也の言うことならなんでも聞くんだろ?」 聞いた瞬間、シモベの顔色が変わった。 傷ついたシモベの表情に頭の芯がぶちギレる。 昔、シモベを傷つけオレから取り上げようとしたヤツがどうなったかみんなが知ってる。 オレの逆鱗に触れたらどうなるか。 頬を一発殴って胸ぐらを掴んだオレの背中にシモベがしがみついた。 「しーちゃん、ダメ」 ぴくっ 「それ以上殴ったりしたら、しーちゃんの手が傷つくから……」 魔法の言葉だ。 呪いが解けてくように力が抜けてく。 シモベには敵わない。 オレの大事な可愛いシモベ。 オレは、凛、おまえにホレてる。 完
凛りん
りかりーさん、ミニ話送っていただきありがとうございます😊 一気に読み終えてしまいましたー(笑)
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@りかりー:七夕。 それは、一年に一度だけ、愛しい者と会える日。 遥か天の川を渡って、たった一晩かぎりの逢瀬。 それでもいい。 君の元気な姿をひとめ見ることができるのなら。 あの時言えなかった言葉を伝えることができるのなら。 たったひと言。君に。 七夕まつりの夜。 あの時と同じ浴衣に袖を通して、 あの時と同じように出店を抜けて、 あの時と同じように高台へ登って、 あの時と同じように打ち上がる花火を見た。 花火はもうすぐ終わる。 そして、俺の恋も終わる。 静かに目を伏せる。 打ち上がる花火の音が、最後の恋を散らしていく。 カラン 不意に、微かな下駄の音がして振り向いた。 「よかった。流星くんがいてくれた。……っ!?」 鮮やかな光の色に照らされた牡丹柄の浴衣。 君の面影を濃く残す大人になった笑顔。 振り返ると同時に駆け出して、この腕に抱き締めてた。 もう二度と会えないと思った。 もう生きていないかもしれないと苦しかった。 「約束したよね。5年後に会おうって」 ああ、言った。言ったさ。 病気でこの街を去らなきゃいけないって知って、どの街へ行ってもいい、君に生きてて欲しいと思ったんだ。 「わたし、頑張ったんだよ。流星くんが七夕まつりで会おうって言ってくれたから」 華奢で細い体。 たくさんたくさん頑張ったんだろう。 抱き締めきれなくて、もっともっと抱き締めたくて腕に力をいれた。 今夜、この一瞬でいい。 君に会えたキセキ。七夕の奇跡。 「流星くんは……いつも温かかったね。うわべじゃなくて心が。こんな風に」 背中に腕が回されて、君が目を潤ませ頬を擦り寄せた。 あの時と同じ優しい香りがする。 片時だって忘れられなかった。 子供の恋だと笑われようとも。 君に会えた。 5年前、あの夜に言えなかった想いをすべて伝えるよ。 ずっとずっと好きだったんだ。 「もうどこにも行かせない……凛、二度と離さない」 最後の大輪の花 夜空の星たちがふたりを照らしていた─── 【完】
凛りん
続きがあったんですね!ありがとうございます♪ しかも、流星と凛にしてくれたんだあー 感激❗️2人、会えてよかったー
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@りかりー:凛りんさん、お星さま応援ありがとうございます。 お礼にミニ話をプレゼント! 『七夕の夜に』 『5年後の夜に、この場所で』 そう約束したのは高校2年の夏。 七夕まつりの夜に、浴衣姿の君とふたり高台から天の川を見上げていた。 淡い恋心。 君を忘れられないまま、俺は大学4年になった。 ※※※ 「ねえ、流星。花絵たちが今夜の七夕まつり一緒に行かないかって」 ぼんやりと空を眺め、名前を呼ばれて振り返った。 「行かない」 「もう!そんな冷たい態度だったらいつまで経っても彼女できないからね!」 そう言って、幼馴染みは頬を膨らませた。 5年前の俺はメガネにボサボサ頭の根暗野郎だった。 中身は5年前と変わってないのに、コンタクトにした途端に周りの態度が変わった。 「別にいい。モテたいとも思わないし」 答えた俺に呆れ顔して幼馴染みは去っていった。 ※※※ 『流星くんは、みんなにも花にも優しいのわたし知ってるよ』 「優しくない。俺は」 『ううん、優しいよ。花壇で踏まれて折れた花を支えつけてあげてたでしょう?』 君の素直な声、笑顔も真っ直ぐで、俺の心にいつの間にか花のように咲いていた。 高校に入ってから同じクラスになった君。 誰にでも好かれる君はいつもみんなの輪の中にいた。 『わたしね、もうすぐみんなとお別れしなきゃならないんだ』 どうして? 『病気なの。この小さな町じゃ治療できないから引っ越すって』 病気……? 君は膝を抱えて小さく震えてた。 それを君は正直に打ち明けてくれた。 「いつ……?」 『七夕まつりの後に。……わたしみんなと離れたくないのに』 ポロポロとこぼれる涙が、君を引き寄せた俺を濡らした。 七夕まつりの夜が君に会える最後だと知った。 言わずにはいられなかった。 「七夕まつり、俺と一緒に行こう」 ※※※ 提灯の灯りの下、藍染め牡丹の浴衣の君はとても可愛いかった。 口下手で何も言えないでいる俺に君はくすくす笑った。 『よかった。似合ってるんだ』 出店を覗き、ふたりで食べ歩く。 いつの間にか手を繋いで、出店を抜けて街を見下ろす高台まで来てた。 花火がふたりが過ごす最後の時間。 赤や黄色の大輪の花が散ってく中で、生まれて初めてのキスをした。 『5年後、この場所で』 あれから5年。 君は一度もこの街に姿を現さなかった───
凛りん
りかりーさん、ありがとうございます。 七夕にピッタリのお話。5年たって、何かが起きそうな予感が。想像しちゃいます(笑)
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おはようございます! 七夕の話ですか⁉︎楽しみです。 名前かー、私は単純だからなぁ。素敵な名前が思いつかなけど。 清流、青龍、流星、彗維(すい)とか? イメージはやっぱり流れるような、音が澄んだ感じがいいなあと。ひねりがなくて(笑笑)
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@りかりー:3枚目 彼女と一也と見合せる? 聞いた瞬間に頭が真っ白になった。 今、彼女がはにかみながらも楽しそうに話しているのが一也だ。 紹介? そんなことをしたら付き合うに決まってる。 俺の紹介なら、奏の仲間ならば断れるわけがない。それくらいわかる。 「なあ、帯刀、どう思う?」 奏が笑いながらも本気顔で問う。 「……いいんじゃないか?」 「ふーん、わかった。ならこっちで段取りはする」 戸惑う俺に、奏はやけにつまらなそうに呟いた。 その一週間後。 彼女は眉を下げて心細そうに俺を見上げた。 一也と初めての公認デートだ。 彼女の頭を撫でてやりながら声を掛けた。 「泊まるなら、連絡くらい入れろよ」 「と、泊まりだなんて、そんな」 彼女は慌てて首と両手を振り、迎えに来た一也の車に乗ると出掛けて行った。 日が暮れる頃になって、奏が酒を片手にふらりと訪ねて来た。 「あの子、今頃は一也と食事かな?」 「さあな」 「海に行くと言ってたからな。眺めのいいホテルを予約してやった」 「……は?」 「当然だろう?付き合ってるなら」 なんてこった!泊まりだと!? 酔いなんて吹っ飛んだ。 立ち上がるとテーブルにあった車のKeyを掴んだ。 「間に合えばいいけどな。ほらよ」 奏がスマホを投げて寄越した。 わけもわからず、いても立ってもいられない。 車を飛ばし海へと向かう。スマホ画面にはホテルの予約が記されていた。 気づいたんだ。 失えないと。おまえを誰にもとられたくない。誰にも触れられたくないと! 「りんっ!!」 正面に車をなげて駆け込み、最上階で食事をしていた彼女の腕を掴んで連れ出した。 「帯刀、さん?」 無我夢中で抱き締めた。 「やっと気づいたんだ。俺はおまえを最初から。俺を助けてくれたあの日から」 ───好きだったんだ 【完】 「一也、おまえをダシにして悪かったな」 こうなることは初めからわかってたと、奏は酒杯を傾けながらひとり笑った。
凛りん
りかりーさん、3枚もありがとうございました!あっという間に読んでしまいました(笑)帯刀さんかー、奏さんとも繋がっているんですねー 2人は幸せになるのかなあ(笑) なるよね。
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@りかりー:りかりーと申します。 いつもわたしの作品に応援ありがとうございます。 お礼に、『若恋裏話、日記etc』1?2?に連載中のミニ話の続きを送ります。 よかったら、詠んでみてね。 続き そんな他愛のない話をしながら、狐月はわたしの膝の上に頭を乗せて眠りに落ちる。 宝珠がわたしの中にあるから、そばにいると安心して眠れるらしい。 わたしも狐月に拾ってくれた恩を少しでも返したくて、眠りにつくまで宝珠のある左手で頭を撫でる。 狐月の頭の上の狐耳は柔らかくて、触れていると気持ちがいい。 ふさふさ揺れるたくさんの尻尾も本当は触りたいけれど、さすがにダメだろうな。 「触れてもいいぞ。少しだけならな」 なんで触りたいと思ったのがバレてるんだろう? でも、お言葉に甘えて触れてみる。 「なんだろうな、ただそばにいる、それだけで眠れるなんて。ああ、宝珠からの香りがするからか。桃の花の香りだ」 うとうとし始めた狐月は疲れているようだった。 七尾から聞いた話しによると、政務が大変らしい。 風邪をひいたらいけないので、わたしはたくさんの衣を引き寄せて掛ける。 その手を狐月につかまれた。 「俺の宝珠……」 琥珀色の宝石。狐月の瞳と同じ色。 できるなら宝珠を返してあげたい。 わたしから妖力を取り出せたらいいのに。 わたしは眠る狐月にそっと囁いた。 「ごめんね狐月。いつかきっと宝珠を返せると思うから待ってて。……おやすみなさい」
凛りん
わぁ〜、続きのお話ありがとうございます。読んでいると勝手に頭の中で2人のやりとりが映像化されます(笑)
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繋がりがあったのかーって、なりますね(笑)奏の父、えむの父の関係まで知りたくなる感じです(笑)読みたい!読みたい!
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お仕事柄、色々なご苦労があると思います。うちも昨年、母が通所するデイサービスに隣接する特養でクラスターが。 それに伴い暫くお休みになり、お家デイサービスしたこともありました(笑) りかりーさんも神経を遣うお仕事だと思うので、くれぐれも無理しないで下さいね。
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@りかりー:2枚目です。 どうでしょうか? 感謝を込めて送ります(*´∇`*) 『龍神さまの溺愛』続き ※※※ そっと目を開けると、柔らかくて温かい光が全身を包んでいた。 気づくと背中の痛みもいつの間にか消えていた。 「龍神、さま……?」 九尾の狐も鬼の頭領、そして孝太も。 みんながわたしの顔を覗き込んでいた。 「遅いぞ。やっと来たか」 龍神さまの元に戻ってこれた。 みんなのいるところへと帰ってこれた。 「ただいま、……龍神さま。みんな」 泣きたいほど嬉しくて龍神さま、みんなを抱き締めた。 わたしの命を繋いでくれたみんなの思いが体の中で温かく光ってる。 「……龍神さま、少し苦しいです。そんなに強く抱き締めなくても」 わたしの龍神さまは力が強い。 「我慢しろ、……もう少しだけだ」 掠れた声。涙声だ。 本当はわかってる。 龍神さまもみんなも無茶なほどの力を使ってわたしを助けてくれたってこと。 それだけ龍神さまはわたしを失いたくないと思ってくれたってこと。 不器用な龍神さまが誰よりも愛しすぎる。 「さてと、俺は彼女に会いに行ってこようかな。龍を見てたらなんだか悔しくなった」 「え?」 「俺も嫁さんを探しに行こ。どこにいるのかな、俺のマイハニーは。龍、じゃあな」 「えっ?えっ?」 「おっと、孝太も来い。俺がいい女を紹介してやるから」 「えっ?えっ?えっ?」 突然、孝太を引きずるようにしてあやかしたちの姿は消えて行った。 残されたのはわたしたちふたり。 龍神さまはゆっくりと顔をあげてわたしを見つめた。 琥珀の目がとてもきれい。 「……おまえを誰にも渡したくない、凛が、好きだ」 その瞳にわたしが映ってる。 「死にかけた俺を救ってくれたあの時からずっと。……もう、待てない」 触れるくちびる。 甘く約束の時を結ぶ。 「今夜、俺の花嫁になってくれるか?」 真っ直ぐに伝えられた心に、わたしは微笑んで頷いた。 「大好きです、龍神さま」 【完】
凛りん
いつもありがとうございます😊 つづきを楽しみにしていました(笑) 助かって、しかもハッピーエンドでよかった!孝太とあやかしたちはどうなったのか?その後もお話が広がりそうで勝手に想像しちゃいます!
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@りかりー:凛りんさん、いつも応援ありがとうございます!とっても嬉しいです。 お礼にミニ話をプレゼント(*´ω`*) 『龍神さまの溺愛』 あやかしや神様が視えるわたしが拾ってきたのは、人間の開発によって住み処となる川を埋められ弱っていた龍神さまでした。 おばあちゃん家の裏庭に続く、湧き水の出る小さな名もない川にぐったりした龍神さまを放したのが十年前。 そして、現在は─── 「俺の嫁にそれ以上近づくな。いくら幼馴染みと言えど、……おい、わざとくっつくなっ!」 龍神さまは大変ヤキモチ妬きである。 幼馴染みの「視える」孝太と一緒にいるだけで、大空を飛んできては離れろと風に身を泳がせ威嚇している。 孝太とはただの幼馴染みなのに。 龍神さまはわたしが車の事故に遭った時に、大切な龍珠を手離してまで命を助けてくれた。 その龍珠はなんとわたしの体の中にある。 そんなこんなで、龍神さまはわたしから目が離せないらしい。 お昼、学校の中庭で空を見上げてたら、龍神さまが人の姿をして現れた。 白衣を着て見目麗しすぎる教師に。……ほう。 「さっき階段で派手にコケてたな。その傷か」 擦りむいたその手を龍神さまがつかむと口元に持ってく。 傷を直してくれてただけなのに顔が熱くなる。 だけど、次の瞬間に、 「妖狐の……九尾の狐の気配がする」 振り向くと同時に拳を突き合わせたのは、白い九本の尾を持つ妖狐の化けた先生だった。 「残念。龍神を倒せば、こいつは俺のものになるのにな」 「誰がやるか。神たる俺の花嫁だぞ」 そこにもうひとり。 「俺を忘れてもらったら困るな。おまえは俺を選ぶだろ?」 あやかしの鬼、それも次期鬼の頭領になる鬼。 後ろからぐいっと顎を引かれて顔を近づけられた。 キスされそうになって、龍神さまは慌ててわたしを懐に閉じ込める。 「触るな」 美形すぎるあやかしふたりを琥珀の瞳で睨む。 龍神さまはわからないのだ。 龍珠がわたしの体の中にあるからそれが愛情だと勘違いしているだけ。 龍神さまを失いたくないわたしは龍珠を返すと言えないまま…… 「いつになったらおまえは俺に心をくれる?いつまで待てばいい?」 龍神さまの切ない声音にわたしもせつなくなる。 と、龍神さまの顔を見上げた瞬間。 ドスッ、 背中に衝撃を受け焼けつく痛みが襲った。 「凛っ!」 後編へ続く
凛りん
りかりーさん、いつもありがとうございます。ドキドキしながら読みました(笑)いったい、どうなってしまうんだろう〜 続きが楽しみです♪
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@りかりー:続き そう言って、起き上がると高ちゃんを引き剥がしてわたしを引き寄せた。 いつも前髪と眼鏡で隠していた顔がすぐ目の前にある。 幼い頃から変わらない香りが伝えてくれる。 記憶の奥底にずっとあった香りを、石段から落ちた祭りの夜にはっきりと思い出したことも。 このまま失ってしまうかもしれないところまできて思い知った。 みんなとの関係が壊れてしまったとしても失いたくないのは、 ───征太郎 あなただと。 「もう我慢しない。たとえ高弘にだってこいつはやれない」 きつく抱き締められて征太郎のシャツを震える手で握った。 「やっと起きたと思ったら、いきなり告りやがって。……初めからわかってたんだよ。征太郎の気持ちは」 高ちゃんは小さなため息を吐いた。 「何年幼なじみやってると思ってるんだ?ふたりが想い合っていることぐらい気づいてたさ。だけどいつまで経っても進展しない。……そうしてるうち、俺の、俺たちの気持ちだけでもわかれよって、な」 わたしは征太郎ばかり見てて高ちゃんの気持ちにもみんなの気持ちにも気づけなかった。 「高ちゃん……」 「そんな表情すんな。ちゃんとフラれて今度こそさっぱりした。だからって幼なじみの絆が消えるなんて思うなよ。俺たちは死ぬまで離れねえからな」 そう言って、高ちゃんは背中を向けて病室から出ていった。 「……高弘の言ってたそれって、俺のことを好きだってこと?」 「ちが、」 ううん、違わない。 もう後悔したくない。失ってしまうと凍えた時に素直になろうと誓ったから。 その想いを込めて、目を閉じた。 少し身動ぎした征太郎が息を飲んだ気配がして、やがてくちびるに熱いものが触れ角度を変えて甘く息をとめた。 「……俺は、ずっとおまえが幸せになれるんなら高弘に託せるって思ってた。だけど違った。夢でも高弘の腕の中にいたおまえを見た時、その宣言を聞いた時、ぶちギレた」 抱き締められる腕に力がこもる。 苦しいほどの強さに小さく頷いた。 「……わたしの好きなのは、征太郎だけだよ」 そう告げた瞬間に、目の前が反転してベッドに押し倒されてた。 「俺はもう我慢しないって、さっき言ったよ」 征太郎は顔を熱くしたわたしを見て、 「やめてって言っても、やめてやらないからな」 楽しそうに嬉しそうに笑ったのだった。 完
凛りん
りかりーさん、ありがとうございます😊 征太郎じゃないのかな?だったらいいなぁと思っていたので、嬉しい〜(笑) 気になっていたから、なんだかすっきりしました(笑)
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@りかりー:つづき わたしのロッカーそばに高ちゃんが立っていたのに気づいたのは偶然だった。 高ちゃんはロッカーのイタズラされたゴミをそっと取り除いて、蓋を閉めると何事もなかったように去って行った。 わたしの知らないところでこうして守られていたことに初めて気づいた。 そのすぐ後だった。 東棟の隅で拳ちゃんが女の子たちといるのを見かけて、立ち聞きするつもりじゃなかったけど、わたしの名前が聞こえて足を止めた。 わたしのロッカーにイタズラしてたのは彼女たちらしくて、拳ちゃんは拳を壁に叩きつけて二度とすんな!って迫力だった。 去っていく拳ちゃんの背中に、こんなにも守られていたのに気づこうともしなかったことを思いしらされた。 『過去の人よりも、現在のみんなを見てほしい』 征太郎の言葉が思い出される放課後。 生物室の戸を開けようとしたら、直人が誰かと話してるのが隙間から見えた。 「隠し撮りなんて趣味悪いことすんな。今すぐ消せよ」 直人が取り上げたスマホが戸口へと転がってきて、見えたのは水泳の授業の水着の画像。 それもわたしのクラスの…… 直人もこんな風に守ってくれてたんだ。 胸がいっぱいになるわたしに、後ろにいた征太郎は頷いてくれた。 その穏やかな眼差しに、みんながどんなに素敵になったのか改めて知って、みんなの想いに誠実に応えていこうって思えた。 そして、数日が過ぎて。 八幡さまの宵宮に浴衣姿で出掛けたわたしたちを、周りのみんなが振り返った。 屋台や出店が立ち並ぶ中で、高ちゃんや拳ちゃんの凛々しさや、直人の柔らかい笑顔にみんなが見惚れてた。 大好きなみんなと、灯籠に照らされた不揃いな石段を登ってく。 「おい、そんなに急ぐなって。神様は逃げねえし」 高ちゃんが笑う。 だって、もう獅子舞いの笛や太鼓、鈴の音が聞こえてる。 走って石段を降りてきた子供たちが歓声を上げて脇を通りすぎる一瞬、どん、と衝撃が来て体が後ろに傾いだ。 え? ぶつかった子供と一緒に空中に浮いた。 「凛ッ!!」 スローモーション。 誰かがわたしの名を叫んで、落ちていくわたしを頭から包んでくれた。 この腕を知ってる。 そして落ちてく中、あの時のように朱が散った。 こんなにも大切に守られてたんだ。 ケガをしてもわたしを庇うほど…… そして、意識が投げ出された───
凛りん
りかりーさん、ありがとうございます。 庇ってくれたの誰だろう。 考えれば考えるほど、誰なのか(笑) その中にいない、意外な誰かなのか。 神のみぞ知る(笑)
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@りかりー:つづき 「やっぱり川の水は冷たいよな」 声にハッとして振り向くと、高ちゃんが濡れたYシャツを脱いで絞ってた。その脇腹には何針か縫った傷痕が。 高ちゃんにも傷がある…… その後ろにも同じようにYシャツを脱いでた拳ちゃんの腕にも縫い傷。 そして、イケメン直人には手の甲に傷痕が。 「……どうした?」 高ちゃんの怪訝そうな声にハッとして征四郎から借りた上着を握りしめた。 今、何かを思い出しかけた…… なんだろう?胸がキュンとなるような、切ないような何かに包まれた。 だけどすぐに思い出しかけたものは吹いた風に消えてった。 「川の水でずぶ濡れになっちゃったね。ジャージに早く着替えないと風邪ひいちゃう」 高ちゃんは横を通りすぎようとしたわたしの腕をつかんだ。 「それ、征四郎の上着だろ?俺のを貸してやるから、脱げ」 「な、なんで?」 「好きな女が他の男の上着を羽織ってるのを見て面白いわけない。いつまでも幼なじみのままなんて俺は嫌だ。いい加減に気づけよ。俺はおまえが好きなんだ」 え?……高、ちゃん? 高ちゃんを見上げる。 驚いた。 高ちゃんはいつだって女の子に囲まれて、それなりに付き合ってたはずだったから。 「頼むから俺を見ろよ」 腕の力が強くなる。 征四郎の上着を脱げってそう目が言ってた。 「高弘、抜け駆けなしって約束だったろが。おまえがその気なら俺だって考えがあるからな」 「なんだよ、みんなして。だったら僕だって遠慮しない」 クールで武道派の拳ちゃんに、イケメンで騒がれてる直人。ふたりも近寄ってきた。 「もうわかったよな?俺たちはおまえが欲しい。だからもう遠慮はしない」 衝撃の告白にわたしは頭の中が真っ白になった───
凛りん
りかりーさん、ミニ話ありがとうございます😊 続きが気になるぅー(笑)
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@りかりー:後編の2枚目です! 届くでしょうか? 『オタクの恋』後編の2枚目 うそ…… 転がっていた棒を掴むと、清四郎はわたしを押さえつけてた佐藤くんを振り飛ばした。 後のふたりが飛び掛かり清四郎の背中を羽交い締めにする。 どうして……ここに? もしかして助けに来てくれたの? 3人を相手になんて無理に決まってるのに。 逃げて!でないと清四郎がやられちゃうっ!! 「ゲーオタをナメるなよ!」 叫んで背中のふたりを振り払う。 横から殴られて清四郎のくちびるが切れて朱が滲んだ。 そのくちびるを拭うと、相手に拳を鳩尾に叩き込み廻し蹴りで地に沈めた。 ハアハア 息を荒くして清四郎は滴る汗のまま、わたしの前にしゃがみこむと猿轡をほどいてくれた。 涙目で見上げるわたしを清四郎の腕がそっと包みこむ。 「……俺から、離れるな」 「せい、しろう……?」 混乱してどうしていいのかわからなくなる。 清四郎の熱い吐息が耳に触れて小さく震えた。 「俺には凛だけいればいい。見た目が変わったからって寄ってくるような女ならいらない。……いらないんだ」 懇願するような声。 わたしを抱き締める腕に力がこもった。 「……だって、だって、清四郎には好きなひとがいるって」 わたし聞いて知ってるよ。だけど─── 「……ホント、に?」 涙が溢れて止まらない。 清四郎の言葉が胸の奥に染みて想いが競り上がってくる。 「ああ。おまえが好きだ」 柔らかい眼差しが降ってきて、浮かんだ涙を清四郎の指先がそっと拭った。 「………わたし、好き、って、……言っていいの?」 ずっと一緒にいるものだと思ってた。 だけど、清四郎には好きな人がいるって聞いて、……わたしだけが淡い想いを抱えてたんだってショックだった。 だけど、清四郎の恋を応援してあげたくて…… わたし、好きって言っていいの? 清四郎のそばにいていいの? 「おまえじゃなきゃダメなんだ。今までもこれからも俺の隣にいるのは凛、おまえだけだ」 低くだけど甘さを含む声。 清四郎の指がわたしのくちびるに触れた。 「わたしも、……好き。清四郎が、好き」 瞬間に、清四郎のくちびるが重なった。 息ができないほどの想いが流れ込んでくる。 「やっと、……つかまえた」 わたしの初めては全部、目の前の清四郎に━━━ 完
凛りん
届きました!ありがとうございます^_^ 1日に2回も読めるなんて、なんと贅沢なこと(笑)何回でも読める〜(笑) 寝る前にまた読みます。
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@りかりー:凛りんさん、いつも応援ありがとう! 忘れずに通ってくださって感謝です! 『オタクの恋』後編の2枚目のうちの1枚です(*´∀`) 『オタクの恋』 オタクで冴えない清四郎をイケメンに変身させたのはいいけれど、女の子に囲まれた清四郎を見るのはモヤモヤ…… そんな時、いきなり拐われて─── ※※※ 「……教室に、まだ帰ってきてない?」 清四郎は教室の凛の机の上のカバンを横目に、纏わりついている女たちを見下ろした。 誰かに呼び出された後、もうかなり時間が経っている。 「ねえ清四郎くん、カラオケ行こうよ。新しい店、結構評判いいんだよ」 「それともクラブの方がいい?」 わざと話を反らす彼女たちの組んできた腕を振り払った。 その瞬間、彼女の握ってた携帯が床に落ちて画像が見えた。 それは猿轡を噛み、手足を縛られ床に転がされた凛の姿だった。 なっ…………!? 拾い上げると、さらにもう一枚の画像が送られて来た。 それを見た瞬間に頭の中でブツリ何かが切れた。 「おい!この場所はどこだ!!」 ※※※ 「……ぅ」 気がつくと手足が縛られてて、口には猿轡が噛まされ床に転がされていた。 手首の縄を外そうとしてもがいたら赤く擦れて血が滲んだ。 頭が重くて働かない。ただ早く逃げないとと焦りだけは増してく。 焦るわたしの前に、ガチャッと音がして鍵を開けて室内に入ってきた男ふたりの後ろには佐藤くんがいた。 佐藤くんたちは薄笑いを浮かべてわたしを見下ろした。 「へえ、なんだ意外と可愛いじゃん。ラッキー!」 「俺が一番最初だからな。後はふたりの好きにしていい」 こわ、い……清四郎、たすけて…… 近づいてくる佐藤くん。足の縄をほどかれてずりずりと壁に下がるわたしを上から押さえつけた。 スマホでわたしの姿を写して嘲笑ってる。 「動画だけじゃなくて体にも口止めしとかないとね。後で騒がれてもイヤだし」 胸のシャツを乱され、スカートの脚を開かされ佐藤くんの体が割ってくる。 「……や、ぁっ!」 声にならない悲鳴をあげた。 その瞬間、 バキッ 鍵が掛けられていた戸が蹴り破られた。 「そいつに、触れるんじゃねぇ!」 荒い息を繰り返しているのは、泣きたくなるほど大好きなひとだった。 2枚目に続く
凛りん
わあ〜!またまた、ありがとうございますヽ(^o^) 危機一髪〜、よかったー
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@りかりー:凛りんさん、いつも応援ありがとう!お礼にミニ話をプレゼント(*´ω`*) 『オタク大変身!?』 目の前のオタクの厚ぼったいメガネを取ってコンタクトにした。 鬱陶しい髪はわたしが思いきって切った。 よれよれのYシャツはアイロンを当てて用意した清潔なものと取り替えた。 「よし!とりあえずはこんなもんかな?」 ゲーオタの名前は清四郎。 生まれた時からの腐れ縁で、お互いの初恋の子まで知ってる隣の家の幼なじみ。 「清四郎、ちゃんとおしゃれしたらイケメンだよね」 「俺は別にモテなくていい……」 清四郎は鏡を見て興味なさそうに呟いた。 それからすぐにみんなの清四郎への反応が変わった。そしてわたしへのみんなの目も。 影口なんて慣れてる。 だけどエスカレートして剃刀の刃が入っていた手紙や足を引っ掛けられたりするのは辛かった。 「凛、その指ケガしたのか?」 「ちょっと包丁で切っちゃって」 指を隠しながら答えると清四郎は眉を寄せた。 勘の鋭い清四郎には知られたくない。それよりも聞いたの。清四郎の好きな人ってどんな女性? 「それもあいつらにやられたのか……」 清四郎の相手のことを考えてたら清四郎の呟きには気づかなかった。 「あのね、清四郎、……その、清四郎の好きな女性って、わたしの知ってる女性……?」 「……まあ、そうだな」 「教えてって言ったら教えてくれる?」 清四郎からの返事はなかった。 これって教えてくれないってことだよね……? 清四郎はふっと口の端を上げたら先に玄関にに向かっていった。 数日後。 わたしの机の中に隣のクラスの佐藤くんからの手紙で、話があるからと呼び出された。 放課後、裏庭に行くと飲み物を手にした佐藤くんがいて、隣に座るとわたしに片方差し出した。 「ごめん、呼び出したりして。実は君のこと前から気になってて僕と付き合ってもらえないかと思って」 それは突然の告白だった。 びっくりして慌ててコーヒーを口にして誤魔化した。 あ、れ? 急に頭がぼわーっとして眠気が…… 力が入らなくなって紙コップが足元に落ちた。 「悪く思わないでね。これも彼女のためだからさ」 寄りかかった頬を撫でられて声が出ない…… 暗くなってく目に最後に見えたのは、わたしの唇に触れる指だった。 ……清四郎、助けて それきり意識がなくなった───
凛りん
りかりーさん、いつもありがとうございます。 しかも名前入りで送っていただき、嬉しい〜です! 清四郎のお話も消えちゃうから読めた人はラッキーって書いてあったので、思わず写メって保存してしまいました(笑)
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@りかりー:2枚目 花がばら蒔かれ男の足に踏まれた。 その花を彼女が震える両手で抱え上げた。 「オレたちはこの店を売ってもらえりゃそれでいい話なんだ。あんたにとっても悪い話じゃないだろ?金ならいくらでも出すって言ってんだから」 「このお店は、父と母が遺してくれたものなんです。売るなんてできません!」 彼女が突っぱねると、また花がばら蒔かれた。 花を守ろうとした彼女を男が蹴飛ばした。 転がる彼女……俺には関係ない。 関係ない。だが。 グァルルルル!!ガウッ!! ふたりの男に飛び掛かった。 『二度とこの店には近づくな!もし姿を見せたら今度こそその喉笛を噛み千切るぞ!!』 「い、犬が、犬が人間の言葉を喋ったぁ!」 パニックを起こした男ふたりは転げるように走って消えてった。 その無様な背中を見送り、 変化して人間の姿になった。 「驚かせて悪かった。どうしても見過ごせなかったんだ。あんたが手当てしてくれたおかけで動けるようになった。礼を言う。……俺はすぐにここを出ていく。だから」 彼女を振り返ろうとして、背中のシャツをつかまれた。 「……おい?」 震える手、小さな涙声がした。 背中に聞こえたのは、ありがとうと感謝の言葉。 そして、そばにいてと引き留めるぬくもり。 「化け物だぞ、俺は」 彼女は首を横に振った。 「……いつか本当の化け物になるかもしれない。それでも?」 離れない手が答え。 それが心を揺らした。 「……おまえは、温かいな。凛」 ふたりの物語は始まったばかり……
凛りん
りかりーさん、特別バージョン!ありがとうございます。もう、最高〜ですっ! その後が楽しみ笑 いつか読めたら嬉しいです。 あっ、世間はコロナ、コロナですが、お互い予防して気をつけるしかないですね。りかりーさん、体調にはお気をつけください。
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@りかりー:凛りんさん、いつも応援ありがとうございます。お礼にミニ話をプレゼント! 『若恋』蒼銀の恋~銀~ 焼け落ちて崩れていく邸を見上げながら、 「どうか、……真由、あいつと幸せに」 俺は、やっと、そう思えたんだ─── 人間にはわからない僅かな鉄錆びの臭い。 臭いを辿ると、窓際でぼんやりと外を眺めている女生徒がいた。 「……今の問題を、橘 」 「公式を当てはめて。次、花水木」 授業終了の鐘が鳴り、HRが終わっても、この教室の窓から迎えの車が見えても、それでも立ち上がらない。 俯いていた彼女はやがて帰って行った。 自分をこんな目にあわせる者がいる家へと。 ※※※ 月が丸くなる夜。 狼の姿になり、建物の屋根を駆け抜け、宙を跳んで古い屋敷の庭に降りた。 「おまえはどうして儂の言うことを聞けないのだっ!」 聞こえてくるのは鈍い音と呻き声。 漂ってくるのは鉄錆びの臭い。 「アレと同じ眼で儂を見るなっ!」 発狂したように叫ぶのは彼女の父。 逃げた妻の代わりに娘を打ち据える。 俺は狼の姿で彼女に会う。 痛々しい傷をさらし、声も出さずに泣く彼女のそばに寄り添う。 「……オオカミさん。このくらい平気よ。お父さんはわたしを思ってくれてるから叱るんだもん。……心配してくれてありがとう」 彼女は狼の俺にいつもそう言う。 いつか、この地獄の日々が終わる日がくると信じて。 ※※※ 彼女が学園を休んだ。 こんなことは一度もなかった。 そして、その次の日も彼女の姿は教室になかった。 彼女の部屋へと降りると、服は裂け、まぶたは目が開かないほど腫れ上がった彼女がいた。 「わたし、……お父さんの本当の娘じゃ、ないんだって」 ああ、知ってた。 彼女はまるであの男に似ていない。 「だから……わたしのこと憎いんだって。……もう、こんなの耐えられないっ!オオカミさんっ、お願い、わたしをここから連れ出して!」 泣いたことのない瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。 彼女がどれだけ苦しんだか知っている。 俺はずっと彼女を見ていた。 狼の姿の俺にも怖れず、負った傷を手当てしてくれた優しい娘。 彼女がいなかったら、俺は生きてはいなかっただろう。 初めて彼女は俺に助けを求めた。 「ああ、もちろん拐ってくよ。凛、おまえを苦しめるすべてのものから守るためにな」 蒼銀の恋~銀~
凛りん
リカリーさん、いつもありがとうございます。読みながら、頭の中に狼の姿が(笑) こんな風に見守ってくれている、動物やペットっていそうな気がする。
@りかりー:凛りんさん、こんにちは! いつも応援ありがとうございます。 感謝の気持ちを込めて、ミニ話をプレゼント(*´ω`*) 『龍神の恋』龍珠の恋(後編) 黒龍は全身傷だらけで、片目を失いながらも生きていた。 「黒龍、生きていたのかっ!!」 黒龍は娘を鉤爪で握ったまま、青龍に飛びかかる。 大きな口を開けて牙を剥き出し、その牙は青龍の治ったばかりの腕に噛みついた。 激痛が走る。 「青龍っ!危ないっ!!」 娘の悲痛な声に、青龍は一瞬にして龍の姿になり空へと飛んだ。 黒龍の爪を身を翻してかわすが、娘の体が握られたままでは攻撃ができない。 このままだと、敗ける。 青龍は歯噛みした。 繰り出される黒龍の鋭い鉤爪が青龍の首を抉る、その寸前で。 ビッ 青龍の目の前で、真っ赤な飛沫が散った。 「なっ!?」 「なんだとっ!?」 目の前に飛び込んだ娘の体が黒龍の鉤爪で引き裂かれ、弾かれて空から落ちていく。 青龍は黒龍の喉笛を食い千切ると追い掛け、地に落ちた娘の体を両爪で抱えあげた。 「……青龍は、……神様だったんだね、ふふ」 「なんで、だ。どうして飛び出した!」 「わたしね、青龍に返さないと……いけないものがあるの、だから」 娘の傷ついた体からふわり桃色の珠が浮かんでくる。それは青龍の命よりも大切なもので。 「青龍を見た時にわかったの……命尽きるほど弱ってたわたしを助けてくれたのがこの珠だったって」 娘の体から命の灯火が消えてく。青龍の腕の中で息が細くなっていく。 「今までありがとう、ごめんね、……返すの遅くなって」 その言葉と笑顔を最期に、娘の体から龍珠が浮いた。 娘の笑顔は二度と見られない。会えない。 青龍は娘の亡骸を抱いたまま空を狂い舞い、 嘆きと絶望に打ちひしがれた。 龍珠。龍玉。 己の命よりも大切なものは戻った。 だが、龍珠が宿っていた娘はもうこの世にいない。 龍といえども死んだ者を生き返らせることはできない。 青龍は胸が張り裂けるほど咆哮した。 青龍の持っていた龍珠が涙に溶けて、娘の頬に落ちて吸い込まれていく。 桃色の淡い光が娘の体を包んだ。 そして、ゆっくりと娘の瞼が開いて、 「……青龍、ただいま」 青龍を見て微笑んだ。 「おかえり、……凛」 龍と人。 心が通いあい、娘の愛したその地を青龍は守り続けたという───
凛りん
りかりーさん、こんにちは。 お返事遅くなってごめんなさい。 母の病院にきています。 待合室で読みました。 生き返ったんだ。よかったー どうなってしまうのかと思ってました。 私、龍ってなんか好き笑 ほんと、神様のつかいだと思ってます。
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@りかりー:凛りんさん、いつも応援本当にありがとうございます。 青森は今年雪が少なくて、痛めた腰に負担がかからないのがありがたいです。 さんのところは変わりありませんか? 読者主人公物語をプレゼント!(*´ω`*) 『龍神の恋』龍珠の恋編 天界を駆ける青龍は、龍珠を狙う黒龍との戦いの最中に、命よりも大切な龍珠を地に落としてしまった。 黒龍を倒し、傷つきながらも龍珠を探しに人の姿で地に降りた青龍は力尽きて気を失った。 そして、気がつくと狭い部屋に寝かされ負ったケガは手当てされていた。 「……ここは?」 「わたしの部屋よ。ケガが治るまでいていいからね。困ってる時にはお互い様だから」 行き倒れていたどこの誰ともわからない青龍に娘はとても親切にしてくれた。 人間は欲深く身勝手な生き物だと思っていたが娘はそうではなかった。心が澄んでいて笑顔が似合う。 「俺にはどうしても探さなければならないものがある。見つかるまでここにいてよいか?」 娘は二つ返事だった。 ケガが良くなって空を見上げる。 龍珠がこの街にあるのはわかってる。わかるがなぜか位置までは特定できなかった。 命よりも大切な龍珠。その龍珠から、将来、番になる龍が生まれてくるのだ。 青龍は龍の姿に戻ると空から龍珠を探した。だが見つからない。海に潜り、山をいくつも駆けるが見つからなかった。 黒龍に奪われたのか?いや、黒龍は戦いに負けて消えたはず。どんなに探しても見つからない。 見つからず人の姿になって娘の元に戻ると、黙って温かい飲み物をくれた。なぜ見つからないのかと焦る青龍に大丈夫だよと言ってくれた。 心の優しい娘だな青龍は胸の奥が温かくなった。 娘といると心が休まる。笑顔を見る度にもっと見たいと思った。 そんなある日、娘とふたり宵宮へと出掛けた。 出店が並ぶ小路を娘は浴衣姿で楽しそうに駆けてく。 と、振り返った娘の体が突然宙に浮いた。 なっ!? 倒れ消えたはずの黒龍が目の前に現れて、黒く大きな鉤爪を娘、凛りんの体に引っ掛けた。 「見つけたぞ!龍珠!!」 後編へ続く
凛りん
リカリーさん、プレゼントありがとうございます。 いつも楽しく読ませてもらっています。 続きがどうなるのか・・うわぁ〜、今からワクワクしてます(笑) じっくり、しっかり腰は治して下さいね。お大事に。
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@りかりー:凛りんさん、こんにちは。 いつも応援ありがとうございます。 寒くなったので体調管理して風邪をひかないように…… 『若恋』真剣勝負 りおさんが昨夜から熱を出して、部屋で休んでいる。 若から留守を預かって、さっき様子を見に来た時には、顔が赤く軽く咳き込む程度だった。 「りおさん、具合はどうですか?」 ドアをノックして入って足が止まった。 ベッドの上にいたはずのりおさんの姿がない。 「……りお、さん?」 持ってきた飲み物と粥やフルーツをテーブルに置いて、辺りを見回した。 「ふにゃぁーい」 返事をした方を見ると、顔を真っ赤にしたりおさんがふらふらと歩いてた。 「危ないっ!」 よろけてテーブルにぶつかりそうになった体を支えて腕に抱き上げた。 その体は燃えてしまいそうなほど熱かった。 「すごい熱です。ちゃんと寝てないと……」 ベッドへと寝かせて汗で額に張り付いてた髪を払うと、その手をりおさんの手に包まれた。 「……榊さんの手、冷たくて、気持ちいい」 「りおさんが熱いんです……」 りおさんの熱で潤んだ瞳と目が合った。 「……冷たいものでも飲みますか?」 心臓が壊れそうにドクドク鳴る。 弱って細く吐いた吐息が触れて抱き締めたくなる。 「りおさん……」 りおさんを大切にしてる若の姿が頭に浮かぶ。 触れたらいけないとわかってるのに。 離さなければいけないとわかってるのに。 触れていたい……もっと…… りおさんの頬をそっと撫でた。 「……? 榊、さん?」 「どうぞ、わたしの手でよいならいくらでも……」 ほんの数分触れて、りおさんがくたりと眠りに落ちてく。 その寝顔を眺め上掛けをかけ直し立ち上がった。 「くちびるを奪うのかと思ったが」 ばっと振り向くと、若が壁に背をもたれさせ腕を組んで立っていた。 「……若」 「薬を飲ませてやらないと。口移しでかまわないぞ、榊」 熱が高すぎる。 すぐにでも薬を飲ませたい、けれど。 「……できません」 「なら、俺がやる」 若は薬を口に含み白湯をあおると、りおさんのくちびるを割ると流し込んだ。 ゆっくりと振り返る若の鋭い眼差しではっきりと知った。 いつかは若と決着をつけなければならないことに。それが今だということも。 「若、今夜、真剣勝負をお願いします」 【完】
凛りん
りかりーさん、いつもありがとうございます。 なんとも言えない、とても切ない気持ちになってしまうのは私だけでしょうか(笑)
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@りかりー:凛りんさん、風邪をひいてませんか?体調悪くしてないですか? わたしは風邪ひいてしばらく寝てました! その間も応援本当にありがとう! お礼にミニ話をプレゼント(*´∀`) 『鬼呼びの花嫁』新たな鬼呼び(続編) 「俺を呼んだな」 目の前には黒髪の整った顔の担任の葵先生。 その瞳だけが青く光ってる。 壁に弾き飛ばされた鬼を見下ろすと、 「消えろ」 その一言で、赤い目をした鬼は突き出した手から放たれた青い炎に巻かれて消えた。 後ろにいたわたしを振り返る。 「鬼を呼ぶ花嫁、か」 「え?……葵先生?」 いきなり横抱きにされて抵抗する間もなく、校舎から出て外に停められていた車へと乗せられた。 車は命じられたまま走り出す。 車は大きな門をくぐり、純和風のお屋敷へと着いた。 「葵さま、お帰りなさいませ」 「部屋に行く。俺が呼ぶまで誰も入れるな」 頭を下げた初老の男の人に背を向けてわたしを抱き抱えたまま歩いてく。 長い廊下を進んで障子を開け降ろされると、後ろから制服を切られ肩を晒された。 さっき噛みつかれた肩に激痛が走る。 「少し我慢しろ」 すぐ後ろに顔が。噛みつかれた傷口から毒を吸出した。 やがて痛みがなくなって体に力が入らなくなってく。 聞きたいことがたくさんあったのに瞼は重くなってく。 「おまえが俺を選ぶなら、もう遠慮はしない」 深く妖しくくちづけられて、その後は何もわからなくなった─── 気がついたら周りは一変していた。 部屋に飾るように用意されていたのは真っ白な婚礼衣装。 これ……誰が着るの?もしかして…… 触れて眺めてたら、紋付き袴姿の葵先生が現れた。 黒髪に知的なメガネ。その奥の瞳は……いつもの漆黒。青くない…… 昨日の放課後の出来事はわたしが見た夢?……だったのかもしれない。 鬼が現れただなんてそんな。 「嘘じゃない。おまえは鬼に喰われるか鬼の花嫁になるかの運命だった。そしておまえは俺の花嫁になることが決まった。それはおまえの婚礼衣装だ」 真っ白な花嫁衣装。 葵先生とわたしが……結婚? 「今宵、凛、おまえは俺のものになるんだ」 口の端を上げて葵先生は笑った─── つづく
凛りん
りかりーさん、その後風邪の具合はいかがですか? ぶり返したりしていませんか?無理せずにお過ごし下さいね。 ミニ話もありがとうございます。つづきがあるから、とっても楽しみ^_^です。
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@りかりー:凛りんさん、わたしの作品に毎日応援本当にありがとうございます! とても嬉しいです(*´∀`) またお付き合いいただけると嬉しいですφ(゜゜)ノ゜ 『若恋』榊の思い 大神組若頭、大神奏だけが大切だった。 死んでもいいと思ってた自分に生きて俺のそばにいろと叫んでくれたひと。 その大切な若と絶体絶命に陥った時、助けてくれたのが彼女だった。 彼女はケガを負い、傷が完治しその身が安全だと言えるまで守らなければならない。 「大神さまったらね、最近お相手してくださらなくなったのよ。寂しいわ」 夜の蝶たちが不満を口にする。 若が彼女を保護してから足を向けることのなかった店。 「どんな子猫ちゃんを拾ったのかしら。一度見てみたいわ、ね?」 ちらりと自分を見る和服姿の女性は馴染みのママ。落ち着いた雰囲気の中に嫉妬の炎が見えた。 店に顔を出して数日後。 りおさんの姿を見失ったと一也から連絡が入った。 校門前で待っても出てくることはなかったという。 「いなくなった、だと!?龍神会の奴らの仕業か!!」 龍神会の動きはすべて把握していた。違う。 「じゃあ、誰がりおを?」 学校内で姿を消した。 人目もある中でそう簡単には連れ出せない。 りおさんの行方がしれない焦りに目の前が暗くなる。 『世界中の誰もが許さないと言っても、わたしは許すよ。きっと妹さんだって同じ気持ち』 背中に手を回して抱き締めてくれた温もりが今もはっきりと残ってる。 胸が苦しくなる。息ができない。 潰れるかの痛みに声が出ない。 いったい、誰が何のために…… 微かに雨垂れの音が…聞こえる… 気がつくと手には結束バンドされ冷たい床に転がされていた。 校舎の中にいたはずなのに辺りは薄暗い。 周りを見渡すと明かり取りの小さな窓から月が見えた。 誰か、助けて! 口には猿ぐつわを噛まされていて声にならなかった。 もがいているうちに足音が聞こえて、端の扉が開かれた。 「え……?」 光るモノを片手にした髪の長い女性を見上げりおは心の中で叫んだ。 「う、そ!!」 続く
凛りん
こちらこそ、いつもお話しを送っていただいて嬉しいです。しかも、続きが気になって仕方がなくなる終わり方で(笑笑) またまた楽しみにしています!
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@りかりー:りかりーと申します。 毎日応援ありがとうございます!お礼にミニ話をプレゼント(*´∀`) 『オレ様のシモベ』ふみの知らないオレ様part2 ベランダ伝いに窓からふみの部屋に入ると、 小さな明かりの下で、泣き疲れたふみが小さく丸まって眠ってた。 覗き込むとその頬には涙の跡が。目元には今にも落ちそうな雫がたまってた。 「お隣のふみちゃんね、昨日、学校帰りに怖い目に遭ったんですって。マスクで顔を隠した誰かに腕を引っ張られたそうよ。たまたま近くにいた人が声を上げたから逃げてったそうだけど」 母さんから聞いた話に。 その夜、暗いふみの部屋のベッドの端に座り、頭を撫でると甘えるようにオレの袖をつかんで離さなかった。 その華奢な細い手首にはくっきりとつかまれた痕が見えた。 「ふみ……」 眠るふみを両手に抱きしめた─── 次の日、ふみは腕に包帯を巻いて隠していた。 特には怪しいヤツは周りにはいない。 帰り道、ふみが帰る道を離れて後をつけた。 二日めも男は現れなかった。三日めも。そして、四日め、ふみの後をピッタリとついて歩く影が現れ、マスク男はふみに近づいた。 「悪いけど、あれはオレのだからな」 「!!」 ふみが振り向いたと同時に、マスク男から無理やりマスクを剥ぎ取ると、そこには見覚えのある顔があった。 「お、まえ」 近所の幼なじみ、ケーキ屋の息子だった。 「零ちゃん、ありがとう」 結局、ふみをからかってやろうとした幼なじみのイタズラだとわかった。噂になり大事になる前に謝ろうとしたところ、オレに捕まったという。 ふみが真相を知って許したことで事件は解決した。 そして帰り道、ふみがふと立ち止まった。 「……もしかして、わたしを見守っててくれてた、の?」 本当はいつだっておまえを見守ってる。 誰にも傷つけられないように。誰にも奪われないように。 たけど、それは最後の最後まで内緒だ。 「おまえの気のせいじゃね?」 ふみが眠ってる間に抱き締めてるのもヒミツだ。 「そっか、そうだよね」 ふみはオレ様のもの。オレだけが触れられる。 「さあ、帰るぞ」 ふみの知らないオレ様はいつだっておまえだけが特別なんだ。 ドSのオレ様と可愛いシモベ。ふたり手を繋いで家まで帰る。 たまにはそれも悪くない。そう思った───
凛りん
ありがとうございます! 先が気になっていたから笑 あっという間に読んでしまいました。 また後で、読み直します!笑
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@りかりー:りかりーと申します。 毎日応援本当にありがとうございます。 お礼にミニ話を!(*´∀`) 『オレ様のシモベ』傘の中の恋(後編) 雨を弾く傘の中。 わたしより温度の高い腕がその手が、わたしの冷えた体を抱き締めてる…… 「他の女の車に乗ってっちまう一条なんかのどこがいいんだよ。俺なら、ふみちゃんにこんな切ない表情させない」 強く抱きしめられて、髪に触れるのは熱い吐息。 「俺じゃダメか?俺ならいつだってそばにいて寂しい想いなんかさせない」 雅也先輩がわたしの顔を上げさせた。 触れそうになるくちびるに、胸を押して傘の中から飛び出した。 うそ… 雅也先輩が、わたしを…? 冷たく頬に掛かる雨の中を走ってく。 抱きしめられて初めて雅也先輩の気持ちを知った。 「まあ、ふみちゃん!ずぶ濡れじゃないの。どうしたの!?」 「零ちゃん…ママ」 髪から落ちる雨の雫で零ちゃんママの姿が滲んで、足から力が抜けた。 「しっかりして、ふみちゃん!」 記憶にあるのは駆け寄ってきた零ちゃんママと雅也先輩の姿だった─── 気がついたら、わたしは部屋のベッドに横になってて、起き上がるとすぐそばのソファーにはなぜか雅也先輩が寄りかかって眠ってた。 「ま、雅也、先輩…?」 「彼ね、気を失ったふみを運んでくれたのよ。雨に濡れさせてしまいすいませんって何度も謝ってたわ。いい人ね」 お母さんは眠ってる雅也先輩を見て微笑むと、起こさないであげなさいねって言って、そっと部屋を出て行った。 「…ん、俺いつの間にか寝てたんだな。ふみちゃん気分は?悪くないか?」 目が覚めた雅也先輩は首を振ったわたしにホッとしたように笑った。 「俺、自分の気持ちを押し付けてたよな。付き合ってくれって強制はしない……友達からでいい。俺とちゃんと向き合ってくれたら」 「友達…?」 「ふみちゃんのそばにいられる友達」 雅也先輩の手が頬に触れた。 見つめる瞳に顔が熱くなってくる。 わたしと友達になってくれる人なんていないと思ってた。 素直に嬉しくて頷いた。 友達……ずっとほしかった。 「ありがとう。雅也先輩」 ふたりで顔を見合わせて笑う。 いつの間にか外は雨が止んで明るくなってた。 「そしていつかは、友達以上に」 雅也は揺れたカーテンの奥に見えた一条の姿にそっと宣戦布告していた───
凛りん
りかりーさん、ミニ話をありがとうございます! 今までと違うメッセージの届き方に、いまだにとまどってしまい、いただいていたのに直ぐに気づかなかったり。お礼も遅くなったりと、申し訳なく感じています。いつも楽しみにワクワク、ドキドキしながら読ませてもらっています。 りかりーさんも体調に気を付けてお過ごし下さいね。
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りかりーさ〜ん! 昨日は、不具合でみられず、今朝、アクセスしてみてビックリです笑 慣れるまで時間がかかりそう笑 りかりーさんにまたメッセージとか送れるのだろうか?心配です笑
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りかリーさん、ありがとうございます。 今年も沢山応援しています。 とにかく、お身体だけは大切にしてくださいね。本年もよろしくお願いします。
りかりーさん、こんにちは。 お身体の具合はいかがですか? 会社で倒れたって読んで驚きました。 これから、クリスマスにお正月と何かと気忙しくなってきますが、無理せずお身体ご自愛下さいね。 ますます寒さも厳しくなってきますので、暖かくしてお過ごし下さい。 どうぞ、お大事に。