@りかりー:3枚目 彼女と一也と見合せる? 聞いた瞬間に頭が真っ白になった。 今、彼女がはにかみながらも楽しそうに話しているのが一也だ。 紹介? そんなことをしたら付き合うに決まってる。 俺の紹介なら、奏の仲間ならば断れるわけがない。それくらいわかる。 「なあ、帯刀、どう思う?」 奏が笑いながらも本気顔で問う。 「……いいんじゃないか?」 「ふーん、わかった。ならこっちで段取りはする」 戸惑う俺に、奏はやけにつまらなそうに呟いた。 その一週間後。 彼女は眉を下げて心細そうに俺を見上げた。 一也と初めての公認デートだ。 彼女の頭を撫でてやりながら声を掛けた。 「泊まるなら、連絡くらい入れろよ」 「と、泊まりだなんて、そんな」 彼女は慌てて首と両手を振り、迎えに来た一也の車に乗ると出掛けて行った。 日が暮れる頃になって、奏が酒を片手にふらりと訪ねて来た。 「あの子、今頃は一也と食事かな?」 「さあな」 「海に行くと言ってたからな。眺めのいいホテルを予約してやった」 「……は?」 「当然だろう?付き合ってるなら」 なんてこった!泊まりだと!? 酔いなんて吹っ飛んだ。 立ち上がるとテーブルにあった車のKeyを掴んだ。 「間に合えばいいけどな。ほらよ」 奏がスマホを投げて寄越した。 わけもわからず、いても立ってもいられない。 車を飛ばし海へと向かう。スマホ画面にはホテルの予約が記されていた。 気づいたんだ。 失えないと。おまえを誰にもとられたくない。誰にも触れられたくないと! 「ちーっ!!」 正面に車をなげて駆け込み、最上階で食事をしていた彼女の腕を掴んで連れ出した。 「帯刀、さん?」 無我夢中で抱き締めた。 「やっと気づいたんだ。俺はおまえを最初から。俺を助けてくれたあの日から」 ───好きだったんだ 【完】 「一也、おまえをダシにして悪かったな」 こうなることは初めからわかってたと、奏は酒杯を傾けながらひとり笑った。
☆ちー坊‡‡
3枚目ミニ話ありがとうございます(*⌒▽⌒*)✨✨✨
1件
ミニ話ありがとうございます(*^^*) 3枚目もあるんですねo(^o^)o✨✨✨
1件
@りかりー:毎日応援ありがとうございます。 お礼にミニ話をプレゼント! 『若恋』初恋 降りしきる雨の中、 「帯刀、おまえいつか女にササレるぞ」 俺は、大神奏から呆れ顔で言われてたことを思い出していた。 遊びに遊んだ、自業自得か。 「それにしても、くそっ、いってぇな」 腹を押さえて歩き続け、痛みが増してすぐそばの塀に寄りかかった。 「あのっ、大丈夫ですか?」 降ってくる声に目を開けると、開いた傘を俺に差し出すエプロン姿の若い女がいた。 目の前はオンボロアパート。そこの住人らしかった。 「少し休めば大丈夫だ」 「あの、でも、それ、ケガして」 彼女が俺の腹を見て顔を青くした。 人を呼ばれても困る。 立ち上がり歩きだそうとしたが、体が言うことを効かない。めまいまでしてきた。 「わっ、どうしよ。あのっ!」 慌てる彼女を前に、俺は意識を失った。 ※※※ 「気がついた、よかった!」 消毒薬の匂い……ここはどこだ? やけに古くさい部屋で俺は目を覚ました。 どうやら、傷の手当てをしてくれたらしい。 腹に触ると包帯が巻かれていた。 「悪いな、迷惑かけて」 「いいの、困った時はお互い様だから」 彼女は柔らかく笑った。 あいつらは帰らない俺を心配してるだろうが、ここには呼びつけたくなかった。 彼女の言うように、少し動けるようになったら出ていこう。 そう思って目を閉じた。 毎日、傷口を消毒し換えられる包帯。 俺に何があったのか聞かない。それも心地よくて甘えていた。 あいつらには無事だとだけ返し、しばらく放っておくように指示を出した。 ある日、アパートの前でガラの悪い声が聞こえ、俺が戸口で怯える彼女の隣に立つと、男は姿を消した。 「悪い男にでも引っ掛かったか?」 「そうじゃないの……だけど」 言葉を濁す彼女には何か事情があるんだろう。 そして、2週間後。 俺は迎えに来たあいつらの前で、 「困ったことがあったら俺を頼ってこい」 と、胸元から外したものを握らせた。 「これ……」 「俺は大神組の帯刀。……助けてくれた恩は忘れない」 彼女は寂しそうにくちびるを噛んだ。 けれども、すぐに顔を上げて笑顔を見せてくれた。とても優しい笑顔だった。 そして、一年後。 俺を助けてくれた彼女が、龍神会の『競り』にかけられることを知った。 「どうして、ちーが……」 2枚目につづく
☆ちー坊‡‡
りかりーさん、おはようございます(*^^*) ミニ話ありがとうございます(*^^*) 嬉しいです(*⌒▽⌒*)✨✨
1件
@りかりー:りかりーと申します。 いつもわたしの作品に応援ありがとうございます。 お礼に、『若恋裏話、日記etc』1?2?に連載中のミニ話の続きを送ります。 よかったら、詠んでみてね。 続き そんな他愛のない話をしながら、狐月はわたしの膝の上に頭を乗せて眠りに落ちる。 宝珠がわたしの中にあるから、そばにいると安心して眠れるらしい。 わたしも狐月に拾ってくれた恩を少しでも返したくて、眠りにつくまで宝珠のある左手で頭を撫でる。 狐月の頭の上の狐耳は柔らかくて、触れていると気持ちがいい。 ふさふさ揺れるたくさんの尻尾も本当は触りたいけれど、さすがにダメだろうな。 「触れてもいいぞ。少しだけならな」 なんで触りたいと思ったのがバレてるんだろう? でも、お言葉に甘えて触れてみる。 「なんだろうな、ただそばにいる、それだけで眠れるなんて。ああ、宝珠からの香りがするからか。桃の花の香りだ」 うとうとし始めた狐月は疲れているようだった。 七尾から聞いた話しによると、政務が大変らしい。 風邪をひいたらいけないので、わたしはたくさんの衣を引き寄せて掛ける。 その手を狐月につかまれた。 「俺の宝珠……」 琥珀色の宝石。狐月の瞳と同じ色。 できるなら宝珠を返してあげたい。 わたしから妖力を取り出せたらいいのに。 わたしは眠る狐月にそっと囁いた。 「ごめんね狐月。いつかきっと宝珠を返せると思うから待ってて。……おやすみなさい」
☆ちー坊‡‡
りかりーさん、こんばんは(*^^*) ミニ話ありがとうございます(*^^*) いろいろあってバタバタしていて読めていなくて落ちついてきたので少しずつ読みたいと思います(*^^*) コロナ感染者増えているので気をつけて下さいね(>_<)
1件
@りかりー:ちー坊さん、いつも応援ありがとう!お礼にミニ話をプレゼント(*´ω`*) 『オタク大変身!?』 目の前のオタクの厚ぼったいメガネを取ってコンタクトにした。 鬱陶しい髪はわたしが思いきって切った。 よれよれのYシャツはアイロンを当てて用意した清潔なものと取り替えた。 「よし!とりあえずはこんなもんかな?」 ゲーオタの名前は清四郎。 生まれた時からの腐れ縁で、お互いの初恋の子まで知ってる隣の家の幼なじみ。 「清四郎、ちゃんとおしゃれしたらイケメンだよね」 「俺は別にモテなくていい……」 清四郎は鏡を見て興味なさそうに呟いた。 それからすぐにみんなの清四郎への反応が変わった。そしてわたしへのみんなの目も。 影口なんて慣れてる。 だけどエスカレートして剃刀の刃が入っていた手紙や足を引っ掛けられたりするのは辛かった。 「ちー、その指ケガしたのか?」 「ちょっと包丁で切っちゃって」 指を隠しながら答えると清四郎は眉を寄せた。 勘の鋭い清四郎には知られたくない。それよりも聞いたの。清四郎の好きな人ってどんな女性? 「それもあいつらにやられたのか……」 清四郎の相手のことを考えてたら清四郎の呟きには気づかなかった。 「あのね、清四郎、……その、清四郎の好きな女性って、わたしの知ってる女性……?」 「……まあ、そうだな」 「教えてって言ったら教えてくれる?」 清四郎からの返事はなかった。 これって教えてくれないってことだよね……? 清四郎はふっと口の端を上げたら先に玄関にに向かっていった。 数日後。 わたしの机の中に隣のクラスの佐藤くんからの手紙で、話があるからと呼び出された。 放課後、裏庭に行くと飲み物を手にした佐藤くんがいて、隣に座るとわたしに片方差し出した。 「ごめん、呼び出したりして。実は君のこと前から気になってて僕と付き合ってもらえないかと思って」 それは突然の告白だった。 びっくりして慌ててコーヒーを口にして誤魔化した。 あ、れ? 急に頭がぼわーっとして眠気が…… 力が入らなくなって紙コップが足元に落ちた。 「悪く思わないでね。これも彼女のためだからさ」 寄りかかった頬を撫でられて声が出ない…… 暗くなってく目に最後に見えたのは、わたしの唇に触れる指だった。 ……清四郎、助けて それきり意識がなくなった───
☆ちー坊‡‡
りかりーさん、こんばんは(*^^*) ミニ話ありがとうございます(*^-^*) ドキドキしながら読みました(*^^*) 緊急事態宣言解除になりましたがコロナ気をつけて下さいね(>_<)💦💦
1件2件
@りかりー:ちー坊さん、お久しぶりです。 こんにちは!応援ありがとう! お礼にミニ話をプレゼント(* ̄∇ ̄*) 『オレ様のシモベ』勿忘草 オレが話しかけても震えてるだけのふみ。 それなのに去年引っ越してきたハーフのジョニーには笑ってた。 ヤキモチ? そんなんじゃない。このオレがそんなことあるわけない。 そんなある日、ジョニーがふみの頬にキスをして青い瞳が優しく微笑んでた。 ふみの指にクローバーで作ったものがはめられそうになって、思わず途中で遮ってた。 子供心にそれだけはさせてなるものかとそう思った。 「ジョニーはもうすぐアメリカに帰るんだぞ。おまえはおじさん、おばさんがいないアメリカに行けるのか?」 「ア、アメリカ……?」 ふみがポロポロと涙をこぼして泣き出した。 ジョニーがアメリカに帰るのを知らなかったらしい。 「ねえ、ふみ。泣かないで。アメリカに帰っても大きくなったら迎えに来るから。約束する」 「……やくそく?」 泣きべそのふみがしゃくりあげた。 ジョニーはふみの頭を優しく撫でた。 「10年なんてあっという間だよ、きっと」 同じ年なのにオレよりも大人びたジョニー。 大きな会社を継ぐために、日本に勉強しに来てた。 「……ホ、ホントに、きてくれる?」 「ああ、迎えに来るよ。ふみは僕にとって特別な女の子なんだから」 ジョニーの言葉にふみが小さく頷いた。 「ねえ、ふみ。その時は、僕と一緒にアメリカに行こう」 ジョニーはそう言った一ヶ月後に帰って行った。 その後、ふみは毎日泣いていた。 「ふみ、これをやる。だから泣くな」 「オ、ルゴール……?」 それはオレが大切にしてたオルゴール。 ふみが顔を上げてオレを見た。 「ジョニーの他にもいい男はいるだろが。おまえの目の前に」 ふみの顔が固まったかと思うとはにかみに変わった。 その後、ある日を境にふみはジョニーのことで泣かなくなった。 おばさんに聞いたら、「心が忘れてしまうことがあるんですって」と、話していた。 ふみ。 オレの小さなふみ。 ジョニーを忘れたふみに、オレだけを見て欲しかった。 あれから10年。 ふみはずっとオレだけのシモベだった。 「ふみ、迎えにきたよ」 金髪に青い瞳のジョニーが現れるその時までは───
☆ちー坊‡‡
りかりーさん、こんにちは(*^^*) ミニ話ありがとうございます(*^^*) ジョニーは迎えに来るのかな? 風邪、大丈夫ですか? 無理しませんように、お大事に(´`:)
1件2件
@りかりー:『オレ様のシモベ』ふたりきりの夜 2枚目 「ふみ……」 零ちゃんの胸もドクンと音がした。 零ちゃんのキレイな顔が近づいてきて、 くちびるが触れそうになった。 「……どうせ抱きつかれるなら、胸の大きい女がいい」 「ご、ごめんなさい」 零ちゃんがわたしに優しいわけがなかった。 慌てて離れようとしたわたしの腕を零ちゃんが引いた。 「まあ、今夜は夜食の礼も含めて抱きつかせておいてやる。こうしてりゃ暖かいしな。……なんでそんな表情してんだよ。まさかオレ様がおまえにキスするってか?ありえないだろ?」 零ちゃんはわたしの頬をむぎゅっとつまんで引っ張った。 「いいから、寝ろ」 そう言うと、無理やりわたしを腕の中に押し込んだ。 零ちゃんの胸の音がする。 零ちゃんの香りに包まれて安心する。 包み込んでくれるぬくもりに、まるでいつもより優しくされているようで…… すうすう。 嵐が遠ざかって行く中、いつの間にか優しく深い眠りに落ちていった。 ※※※ オレはあどけない寝顔のふみを包み込んで、そばにあったシーツを胸まで引き寄せた。 安心しきって頬を寄せるふみに、お手上げだと片手で顔を覆った。 「もう少しで、理性がぶっ飛ぶとこだった。……今夜は眠れそうにねえな」 甘い寝息に愛しさが募り続ける。 艶のある髪をすくうと、そっとくちびるを寄せた─── ふたりきりの夜
☆ちー坊‡‡
りかりーさん、おはようございます(*^^*) 2枚目ありがとうございます(*^^*) 気持ちがほっこりしました(*^^*)
1件
@りかりー:ちー坊さん、こんばんは! 毎日、たくさんの応援ありがとうございます!お礼にミニ話をプレゼント(*´ω`*) 『オレ様のシモベ』ふたりきりの夜 夕方から降りだした雨が強くなって、庭の木が風で揺れる音で怖くて眠れない。 今夜はお父さんもお母さんも親戚の法事に出掛けてていないのに…… 枕を抱き締めて震えてると、空が光り雷鳴が轟いて、一瞬にして辺りが真っ暗になった。 こ、わいよ、零ちゃん…… 声が、出ない。動け、ない。 手も足も震えて、枕と一緒に握ってたスマホを落としてしまった。 暗いと息ができなくなる。 幼い頃、どもって口のきけないわたしは学校でロッカーに閉じ込められて出してもらえなかった。その恐怖は今も残ってる。 体を丸めて耳を塞ぎながら、ぎゅっと眼を瞑った。 「……ふみ」 窓から強い風が吹いて、濡れた何か温かいものがわたしを包み込んだ。 少し低くて普段は冷たい声。濡れた体からはよく知ってる香りがした。 震えて声にならないわたしに、スマホの薄明かりの中、零ちゃんの濡れた前髪とわたしの額がゴチンとくっついた。 「ゆっくり、息をしろ」 息ができなかったわたしが息をすると零ちゃんがため息を吐いた。 「さっき、夜食を作りに来いって言っただろが。まったく。オレ様を無視しやがって」 「違、うの。作ったの。……でも、持っていけな、くて」 机の上には零ちゃんの好きなたまごサンドとサラダとココア。 「だと思ったから来てやった」 零ちゃんからすっと明かりが漏れて。机の上にキャンドルが灯った。 零ちゃんが隣に座ると夜食に作ったたまごサンドを摘まんで口にいれてく。 「れ、零ちゃん……濡れてるから、タ、タオル」 零ちゃんの髪をタオルで拭こうとして、 ピカッ 空が真っ白になった。 「きゃあっ!」 気がつくと震える手で零ちゃんのシャツをつかんでた。 ドキンと鼓動が跳ねた。 キャンドルの灯りが揺らめく中、零ちゃんが涙目のわたしを見下ろしてる。 「ふみ……」 零ちゃんの胸もドクンと音がした。 零ちゃんのキレイな顔が近づいてきて、 (1000文字じゃ足りなくて……2ページ目も送ります!)
☆ちー坊‡‡
りかりーさん、こんばんは(*^^*) ミニ話ありがとうございます(*^^*) 零ちゃんみたいな幼なじみがいたらなぁ、と思ったりします(*^^*) 無理して体調崩しませんように(´`:)
1件
作り直してるんですね∑(OωO; ) すみません(>_<) ありがとうございます(*^^*) とても嬉しいです(*^^*)
1件
@りかりー:ちー坊さん、こんにちは! 毎日応援ありがとうございます。 2枚目のミニ話が届いてないとのことで失礼しました。 昨日の話の続きの2枚目を送ります(*´∀`)♪ 『若恋』蒼銀の恋~銀~(作り直しバージョン)2枚目 「や、やめてくださいっ!花を踏まないでっ!!」 たくさんの花がばら蒔かれ男の足に踏まれた。 その花を彼女が震える両手で抱え上げた。 「オレたちはこの店を売ってもらえりゃそれでいい話なんだ。あんたにとっても悪い話じゃないだろ?金ならいくらでも出すって言ってんだから」 「このお店は、父と母が遺してくれたものなんです。売るなんてできません!」 彼女が突っぱねると、また花がばら蒔かれた。 花を守ろうとした彼女を男が蹴飛ばした。 転がる彼女……俺には関係ない。 関係ない。だが。 グァルルルル!!ガウッ!! ふたりの男に飛び掛かった。 『二度とこの店には近づくな!もし姿を見せたら今度こそその喉笛を噛み切るぞ!!』 「い、犬が、犬が人間の言葉を喋ったぁ!」 パニックを起こした男ふたりは転げるように走って消えてった。 その無様な背中を見送り、 変化して人間の姿になった。 「驚かせて悪かった。どうしても見過ごせなかったんだ。あんたが手当てしてくれたおかけで動けるようになった。礼を言う。……俺はすぐにここを出ていく。だから」 彼女を振り返ろうとして、背中のシャツをつかまれた。 「……おい?」 震える手、小さな涙声がした。 背中に聞こえたのは、ありがとうと感謝の言葉。 そして、そばにいてと引き留めるぬくもり。 「化け物だぞ、俺は」 彼女は首を横に振った。 「……いつか本当の化け物になるかもしれない。それでも?」 離れない手が答え。 それが心を揺らした。 「……おまえは、温かいな。ちー」 ふたりの物語は始まったばかり……
☆ちー坊‡‡
りかりーさん、こんにちは(*^^*) 二枚目ミニ話ありがとうございます(*^^*) 早くコロナおさまってほしいですよね(´`:)
1件18件
@りかりー:ちー坊さん、こんにちは! 応援特典のミニ話が削るに削れなかったので特別バージョンでプレゼント!(*´ω`*) 蒼銀の恋~銀~ 気がついた時には真っ白なシーツの上に横たわり、……誰かが手当てしてくれたのか、腕や足には分厚い包帯が巻かれていた。 その包帯からは僅かに花の香りがした。 「あ、気がついたみたいね。よかった!」 フラフラする頭を振って起き上がった俺に近づいてきたのは、黒髪をひとつに結った薄緑色のエプロンをした二十歳くそらいの女だった。 たくさんの花が咲いている店先から歩いてくる。 グァルルル。 近づくな。 それ以上近づけば、その手を噛むぞ。 唸り声をあげると、 手荒れだらけの手が途中で止まり、威嚇する俺に、「大丈夫よ。何もしないから」と優しく微笑んだ。 どうやら彼女が俺を手当てしてくれた本人らしい。彼女のエプロンからは花の香りがした。 手当てしてくれた手足を見ると、薬を塗り丁寧に包帯を巻いてある。彼女は悪い人間じゃないらしい。 警戒を解いて牙を収めると、彼女は「喉が渇いたよね」と、すぐそばに平たい器に水を注ぎ置いてくれた。 「飲んでね」と、柔らかく笑うと店へと戻って行った。 俺がいた場所は花屋の奥の居間だった。 傷が癒えるまでのしばらくの間、そこから、彼女が花の水切りをしているのや、接客しているのを見ていた。 火傷を負い行き倒れていた狼の俺を、見るに見かねて連れ帰ってくれたらしい。 が。 俺はどうなってもよかった。 あの古い洋館と共に消えたはずの身だ。 いまさら生きようが死のうがどうだっていい。野垂れ死にしてもかまわない…… 与えられた水に口をつけることもなく、そのまま果ててもいいと思った時、 ガッシャーン いきなり、何かが砕ける音がして顔を上げると彼女が誰かに突き飛ばされたのが見えた。 「や、やめてくださいっ!花を踏まないで!!」 二枚目へ
☆ちー坊‡‡
りかりーさん、こんにちは(*^^*) ミニ話ありがとうございます(^^ ) コロナウイルス、気をつけて下さいね(´`:)
1件2件
@りかりー:ちー坊さん、こんにちは! いつも応援ありがとうございます。 感謝の気持ちを込めて、ミニ話をプレゼント(*´ω`*) 『龍神の恋』龍珠の恋(後編) 黒龍は全身傷だらけで、片目を失いながらも生きていた。 「黒龍、生きていたのかっ!!」 黒龍は娘を鉤爪で握ったまま、青龍に飛びかかる。 大きな口を開けて牙を剥き出し、その牙は青龍の治ったばかりの腕に噛みついた。 激痛が走る。 「青龍っ!危ないっ!!」 娘の悲痛な声に、青龍は一瞬にして龍の姿になり空へと飛んだ。 黒龍の爪を身を翻してかわすが、娘の体が握られたままでは攻撃ができない。 このままだと、敗ける。 青龍は歯噛みした。 繰り出される黒龍の鋭い鉤爪が青龍の首を抉る、その寸前で。 ビッ 青龍の目の前で、真っ赤な飛沫が散った。 「なっ!?」 「なんだとっ!?」 目の前に飛び込んだ娘の体が黒龍の鉤爪で引き裂かれ、弾かれて空から落ちていく。 青龍は黒龍の喉笛を食い千切ると追い掛け、地に落ちた娘の体を両爪で抱えあげた。 「……青龍は、……神様だったんだね、ふふ」 「なんで、だ。どうして飛び出した!」 「わたしね、青龍に返さないと……いけないものがあるの、だから」 娘の傷ついた体からふわり桃色の珠が浮かんでくる。それは青龍の命よりも大切なもので。 「青龍を見た時にわかったの……命尽きるほど弱ってたわたしを助けてくれたのがこの珠だったって」 娘の体から命の灯火が消えてく。青龍の腕の中で息が細くなっていく。 「今までありがとう、ごめんね、……返すの遅くなって」 その言葉と笑顔を最期に、娘の体から龍珠が浮いた。 娘の笑顔は二度と見られない。会えない。 青龍は娘の亡骸を抱いたまま空を狂い舞い、 嘆きと絶望に打ちひしがれた。 龍珠。龍玉。 己の命よりも大切なものは戻った。 だが、龍珠が宿っていた娘はもうこの世にいない。 龍といえども死んだ者を生き返らせることはできない。 青龍は胸が張り裂けるほど咆哮した。 青龍の持っていた龍珠が涙に溶けて、娘の頬に落ちて吸い込まれていく。 桃色の淡い光が娘の体を包んだ。 そして、ゆっくりと娘の瞼が開いて、 「……青龍、ただいま」 青龍を見て微笑んだ。 「おかえり、……ちー」 龍と人。 心が通いあい、娘の愛したその地を青龍は守り続けたという───
☆ちー坊‡‡
りかりーさん、こんにちは(*^^*) ミニ話ありがとうございます(*^^*) 今年雪少なくてびっくりですよね(°°;) 風邪、インフルエンザ流行っているので気をつけて下さいね(>_<) 新型肺炎にも気をつけて下さいね(´`:)
1件
@りかりー:ちー坊さん、こんにちは。 いつも応援ありがとうございます。 寒くなったので体調管理して風邪をひかないように…… 『若恋』真剣勝負 りおさんが昨夜から熱を出して、部屋で休んでいる。 若から留守を預かって、さっき様子を見に来た時には、顔が赤く軽く咳き込む程度だった。 「りおさん、具合はどうですか?」 ドアをノックして入って足が止まった。 ベッドの上にいたはずのりおさんの姿がない。 「……りお、さん?」 持ってきた飲み物と粥やフルーツをテーブルに置いて、辺りを見回した。 「ふにゃぁーい」 返事をした方を見ると、顔を真っ赤にしたりおさんがふらふらと歩いてた。 「危ないっ!」 よろけてテーブルにぶつかりそうになった体を支えて腕に抱き上げた。 その体は燃えてしまいそうなほど熱かった。 「すごい熱です。ちゃんと寝てないと……」 ベッドへと寝かせて汗で額に張り付いてた髪を払うと、その手をりおさんの手に包まれた。 「……榊さんの手、冷たくて、気持ちいい」 「りおさんが熱いんです……」 りおさんの熱で潤んだ瞳と目が合った。 「……冷たいものでも飲みますか?」 心臓が壊れそうにドクドク鳴る。 弱って細く吐いた吐息が触れて抱き締めたくなる。 「りおさん……」 りおさんを大切にしてる若の姿が頭に浮かぶ。 触れたらいけないとわかってるのに。 離さなければいけないとわかってるのに。 触れていたい……もっと…… りおさんの頬をそっと撫でた。 「……? 榊、さん?」 「どうぞ、わたしの手でよいならいくらでも……」 ほんの数分触れて、りおさんがくたりと眠りに落ちてく。 その寝顔を眺め上掛けをかけ直し立ち上がった。 「くちびるを奪うのかと思ったが」 ばっと振り向くと、若が壁に背をもたれさせ腕を組んで立っていた。 「……若」 「薬を飲ませてやらないと。口移しでかまわないぞ、榊」 熱が高すぎる。 すぐにでも薬を飲ませたい、けれど。 「……できません」 「なら、俺がやる」 若は薬を口に含み白湯をあおると、りおさんのくちびるを割ると流し込んだ。 ゆっくりと振り返る若の鋭い眼差しではっきりと知った。 いつかは若と決着をつけなければならないことに。それが今だということも。 「若、今夜、真剣勝負をお願いします」 【完】
☆ちー坊‡‡
りかりーさん、おはようございます(*^^*) ミニ話ありがとうございます(*^^*) 榊と奏とのやりとりがドキドキします(*^^*) インフルエンザ流行りだしているので気をつけて下さいね(>_<)
1件1件
@りかりー:ちー坊さん、たくさんのお星さま応援本当にありがとうございます! お礼にミニ話をプレゼント“〆(^∇゜*)♪ 『鬼呼びの花嫁』新たな鬼呼び(続編) 「今宵、ちー、おまえを俺のものにする」 お屋敷の女性たちは葵先生の命に従い、わたしの服を剥ぎ取り磨き上げると、真っ白な婚礼衣装を着せた。 目の前の鏡の中には白い綿帽子を被って紅をさしたわたしがいる。 わたしが葵先生の花嫁? 何かの間違いじゃ…… 「おねえちゃんが兄さまの花嫁?」 声が聞こえて振り返ると、小さな女の子がわたしを嬉しそうに見上げてた。 「内緒だよ?兄さまはね、おねえちゃんのことずっとずっと前から大好きだったんだよ。茜知ってるよ」 わたしのことが好き……? 女の子はわたしの耳に小さな手を当てて囁くと、にっこり笑って向こうへと走って行った。 その後に優しそうな女性が来て、わたしの姿を見ると「葵をよろしくね」と、微笑んで出て行った。 やがて太鼓の音が聞こえ、迎えの女性に手を引かれて広い座敷に通される。 「鬼呼びを嫁にするとはさすがじゃな」 「いやあ、めでたい。桜木家は安泰というもの」 ざわめきに顔を上げると上座に座っていた葵先生と目が合った。 昨夜、くちづけられたことを思い出して顔が熱くなった。 「契りの盃を」 葵先生が盃に口をつけ、わたしの元へと盃が差し出された時、 ぐいっ、 いきなり後ろから誰かに抱き抱えられて体が宙に浮いた。 「!!」 肩越しに振り返ると、そこには銀の長い髪に真っ白な九つの尾を揺らした美しい男が宙に立っていた。 「葵から婚礼の招待が届かなかったものでね。それならばと勝手に押し掛けて来たのだが」 冷たい声と眼差しに怖くなって、わたしは葵先生に手を伸ばした。その手を後ろに引かれた。 葵先生の瞳が一瞬にして漆黒から青く変わり、青白い炎が周りにいくつも浮かんだ。 「……その手を離せ」 「簡単には離せないな」 喉の奥で笑って九尾の狐が口の端を上げた。 「見れば随分と可愛い顔をしているじゃないか。……そうだな、気が変わった。顔を見たら帰ろうかと思ってたが、少しだけ味見をしてからにしようか」 ぐいっ、顎を取られて顔が近づけられる。 葵先生じゃないそのくちびるが触れそうになった。 いやあっ! つづく
☆ちー坊‡‡
りかりーさん、おはようございます(*^^*) ミニ話、ありがとうございます(*^^*) 体調よくなくて少しずつしか読めてないですがこれからも楽しみにしてます(*^^*) 寒くなったので風邪ひきませんように(>_<)
@りかりー:ちー坊さん、応援ありがとうございます。こちらは試験も終わり、たぶん大丈夫?だと……思う(笑) お礼に物語をプレゼント(*´∀`) 『鬼呼びの花嫁』新たな鬼呼び 「ちーや、こっちを向いてごらん」 鼻をすすり上げ振り向くと、おばあちゃんは青い色の石のついたペンダントを懐から取り出した。 「これはね、怖いモノから身を守ってくれる御守りだよ」 「……おまもり?」 「そう、御守り。だからね、もう大丈夫」 おばあちゃんは微笑んで、わたしの首にペンダントを掛けてくれた。 キラキラと光る石に涙が止まる。 「ありがとう、おばあちゃん!」 子供だったわたしはおばあちゃんの眼差しに気づかない。 この青い石を身につけていたなら出会わなかったかもしれない。 ───鬼に わたしを見下ろす真っ赤な二つの眼。 口からはだらだらと涎が滴っている。 そして、その手の先には尖った爪が…… 「ウマソウ。クイタイ」 先生はいつも親切で優しかった。 「いったい、どうし、……っ!?」 いきなり口を開けてわたしの肩に噛みついた。鋭い痛みが全身を走り抜ける。 「痛っ!」 突き飛ばして肩を押さえて後退る。 迫ってくる先生の姿を見て、背筋が凍る。 その口は真っ赤に染まってた。 「こ、来ないで!……だれかっ!」 震えて声にならない。 「ゴチソウ。モットクイタイ」 大きく口を開ける。 恐怖に目をぎゅっと瞑った、その時。 「オレを呼んだのはおまえか」 恐る恐る目を開けて見上げると、冷たい表情でわたしを見下ろす男がいた。 つづく
☆ちー坊‡‡
りかりさん、おはようございます(^^ ) ミニ話ありがとうございます(^^ )やっとスマホデビューして読めるようになり、話がわからなくなっているため最初から読もうと思ってます(^^ ) 異常気象な感じなので体調気をつけて下さいね(^^ )
【ファン登録No.63】ファン登録しました。
1件1件
【ファン登録No.78】ファン登録しました。
【ファン登録No.1831】ファン登録しました。
1件
【ファン登録No.955】ファン登録しました。