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1~稲穂は黄昏に揺れて~

小説

存在証明のアポトーシス

1~稲穂は黄昏に揺れて~

けんちょん

(2)

この無意味な人生に一つでも意味が付けられたなら存在証明になるのだろうか。

完結

240ページ

更新:2016/02/18

説明

存在証明のアポトーシスシリーズ
1章:稲穂は黄昏に揺れて
2章:[リンク]月光は夜闇を照らす
3章:[リンク]暁に春の雪は芽吹き
素敵な表紙は装丁師の未架佐さん[リンク]の提供です。

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さて。何処から話すべきか。

そうだな……まずは、この世界に降り掛かった不条理から説明しようか。


世界は未曾有のメモリ不足に陥っていました。

このままでは、データ容量が飽和して世界が崩壊してしまいます。
それもこれも、人間の文化が発展し過ぎて一人一人が膨大な容量を食うようになってしまったのが悪いのです。

ということで、この世を統括する神様は決めました。

人間を滅ぼしましょう、と。

ただ淡々と滅亡させるのでは神の名折れ。

であるならば、せめて慈悲深く予告を致しましょう。

そんなこんなで、世界から徐々に人間が消えていきました。

涙だらけのお別れ多数であります。

しかし、それが続けば普通となるのが我々人間、どこまでも適応種族なのです。

中には当然、ふざけんなよ神! と抗う連中もいましたが、優先されてかされずか、気付けば不穏因子は根こそぎ消息を絶っていました。

所詮、人は人。神には勝てません。

いつしか人は消滅を受け入れるようになりました。

今日も今日とて、人類絶滅まで刻々とかうんとだうんが続いています。

ほら、ここにも消滅を告げる声が届いた男の子が一人。

期限は一ヶ月。さて、俺はこの30日をどう過ごすのでしょうか?


人生は意味などではなく願望だと誰かが言っていた。


それでも俺は──。


ささやかでもいい。


このちっぽけな人生にも意味があったのだと、その証をこの世界に残したいと、そう強く思う。

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