月を食べる

『青年』 その動物は訴えるような目で僕を見る。「なんだい?」『一つ、頼み事がある』「頼み事?」『月を食べてほしい』

蒼日向真澄

8分 (4,604文字)
不思議な世界を描いてみたいと思い、執筆しました。よろしければぜひ。

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あらすじ

 月が綺麗な夜だった。僕は一人、気晴らしに家の周りを散歩していると、脇道の黒ずんだ茂みから一匹の「犬」が僕の前に出てきた。その動物は首輪をしていないし、真っ黒な毛並みはどこかベタついているように見える

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