このコンテストは受付を終了しました

次に読みたいファンタジーコンテスト 「ゴースト/ゾンビ/魔女」
講評者の三村美衣氏からのコメント ===== ひょっとしたらとは思っていたが、やはり世界はゾンビだらけだった。が、ゾンビはやはりファンタジーになり難い。ウォーキング・デッドな終末世界でのサバイバルな青春小説にSF的なギミックをプラスしたhanami『ゾンビの町で生きている』や、ゾンビになった少女と、世界で唯一ゾンビに免疫を持つ少女が共に旅をする様子を描いた刹那的で甘やかなカルミン酸色素『マリー、ここに眠れ』なども小説としては面白く読めるのだが、ファンタジーとしては物足りない。たとえばゾンビとはいったい何なのかという思索をファンタジー的な発想につなげたり、ゾンビのいる世界やゾンビそのものを幻想味豊に描写するなどの工夫が欲しかった。ゴーストものも同様で、学生時代の恋人が周囲の人々に憑依し凄惨な事件を引き起こす小原ききょう『三千子(みちこ)~ 記憶に残らない女』が残酷な描写も含めたいへん怖くて面白いのだが、まだ恐怖エピソードを重ねているだけでこの先ファンタジー的な面白さに向かうのかがわからず、残念ながら選外とした。 ===== 受賞作品への選評や見どころを一部掲載! また、エブリスタのメディアmonokakiにて、講評者の三村美衣氏よる創作ハウツー「新しいファンタジーの教科書」を掲載中です! 第13回「恐怖を目的としないゴースト・ゾンビ・魔女の書き方」も、ぜひ読んでみてください。 ※選評は登録されたメールアドレスへ近日中にお送りします。 ※SNSアカウントで会員登録されている場合、エブリスタトップページ上部「現在、このアカウントは仮登録の状態です。本登録はこちら」より、メールアドレスの設定をお願い致します。

大賞

屍霊術師によって、腐った死体に魂を押し込められ、贖罪の旅を強要された俺。ところが贖罪と言われても、記憶が封印されており、自分が誰かもわからない。何もわからないままかろうじて辿り着いた花街で、ひとりの少女と出会う。彼女は、花街の聖廟で水子の魂を輪廻の環に送り届ける死の女神の筆頭聖騎士だった。俺は彼女の助けを借り、自分探しの旅をはじめる……。屍体が腐ちるというカウントダウンがもたらす緊張感と、次第に明らかになっていく過去が読むものをぐいぐいと引き込む。

準大賞

該当なし

入賞

綾乃はある日、飛び立ったカラスを目で追い、青空に吸い込まれていくその姿を注視しているうちに、人ではなくカラスになっていた! カラスになった綾乃は空を飛びまわり、公園で会った兄弟にかわいがられカーコと命名される。綾乃として生きることに執着のない彼女は、カラスのカーコに変身することを楽しみはじめ、やがて人であることがどうでもよくなってしまう……。人から烏へ変身する導入が自然で上手く、カラス視点に引き込まれる。生き生きとしたカラスとしての感情と、いかにも面倒くさげな人の日常描写のギャップが面白い。

佳作

就職難で王宮に勤めることができず、墓守になってしまった魔女セルマ。夜な夜な死者たちを相手に奮闘する彼女がようやく仕事になれてきたある夜。新しい墓から蘇ってきたのは、幽霊ではなく生者、それもこの国の王子だった! 墓場を舞台に展開するスラップスティックな宮廷陰謀劇。夜な夜な蘇ってくる屍体をスコップでコンコン叩いて墓に戻す、墓守の日常描写が抜群に楽しい。
募集概要
ファンタジー書評家「三村美衣氏」&物書きのためのメディア「monokaki」とコラボしてお送りする 「次に読みたいファンタジーコンテスト」 面白いファンタジーとは何かを探求しつつ、新しいファンタジー作品をどんどん発掘していきます!
募集テーマ
第14回目のテーマは「ゴースト/ゾンビ/魔女」です。
・ゴースト退治を生業にしている俺だが、実は俺自身もゴーストなのは絶対に秘密なのだ。 ・ゾンビに蹂躙された町。知能を取り戻したゾンビ達が、人間に対話を求めてきて!? ・魔女と呼ばれ疎まれた末に殺された女は、やがて本物の魔女として生まれ変わるが……。
ゴースト/ゾンビ/魔女の要素が入っていれば、どのような世界/時代設定のファンタジー小説でも応募可能です。 ページをめくる手が止まらなくなるような、ワクワクするファンタジー小説をお待ちしています。 また、あわせてエブリスタのメディアmonokakiにて、三村さんによる創作ハウツー「新しいファンタジーの教科書」を連載中! 第13回は「恐怖を目的としないゴースト・ゾンビ・魔女の書き方」です。 「魔女の歴史的背景を物語に活かす」「ゴーストとゾンビの定番からいかに脱するか」といった、具体的なお悩みに答えます。 めざせ、テンプレ脱出!ぜひこちらも参考にしてください。
講評者プロフィール
三村美衣 ファンタジー、SF、ライトノベルの書評家として、長年の経験を持ち、数々のファンタジー・SFの小説賞の審査員を歴任。 現在も、創元ファンタジイ新人賞の最終選考を務める。 第一線で活躍する中で、次世代のファンタジー作品の誕生を待ちわびている。 著書『ライトノベル☆めった斬り』(太田書房/共著)、『SFベスト201』(新書館/共著)など。 2018年10月より、monokakiにて、ファンタジー小説の具体的な書き方を指南する「新しいファンタジーの教科書」を連載。
スケジュール
・募集期間: 2019年10月7日(月)12:00:00 ~ 2019年12月8日(日)27: 59: 59 ・最終結果発表: 2020年2月下旬予定
賞
大賞 1作品 ・賞金5万円 ・三村美衣氏からの選評 準大賞 1作品 ・賞金3万円 ・三村美衣氏からの選評 入賞 1作品 ・賞金2万円 ・三村美衣氏からの選評 佳作 数作品 ・三村美衣氏からの選評 ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタ公式SNS等で配信、紹介等される可能性があります。
応募要項
・文字数は5,000文字以上 ・連載中の作品も応募OK! ・すでに完結している作品 並びに エブリスタ内の公式コンテスト及び他サービス等の投稿コンテストで落選した作品を、募集内容に沿うように再構成してご応募いただくことも可能です。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。

コンテストの注意事項(必読)