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未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン「もしも世界が○○だったら」

大賞

差別に立ち向かう少年の成長が胸を打ちます。人が空を翔けることは素晴らしいのに、“羽有り”と“羽無し”に分け、羽無しはいわれなき差別を受ける世界の話です。主人公のシエルが機械によって空を飛ぶことを証明して見せても、羽のない事実は変わらず、忌み嫌われる場面は心が痛みます。「同じヒトだ」と叫ぶシエルの言葉に魂を揺さぶられました。胸が熱くなる場面が随所に見られ、彼の行く末を見守りたくなる作品です。

準大賞

誰もが睡眠中に夢を見なくなった世界が刺激的です。夢は脳の大事な機能であり、日常生活に支障をきたす人間も現れます。ゆえに“疑似夢”を売買するけれど、さらに新たな問題が生じてしまう。夢を人工的に見させるとどんな社会になるかを深く考察して作品を構築しています。主人公は依頼人の要望に応じた夢をカスタマイズする『夢屋』のノア。クールでファンタスティックな仕事ぶりが物語をドラマチックにしていました。

入賞

オメガバースの高校生による純愛ストーリーです。第二の性であり、忌避されがちなオメガであることを自らカミングアウトする透。周囲が掌返しをする中、菜摘子は彼の力になりたいと保健委員に立候補します。大人の視点では感情的に見える彼らの行動が、純粋かつ美しく描かれていました。綺麗事だけの世界ではなく、土壇場の選択の難しさも伝わってきます。読者に自分ごととして考えさせる工夫が物語の随所に散りばめられていました。
安定した文章力と、豊かなイマジネーションで綴られた作品でした。人類の大半が人魚となり、海底都市で暮らす世界がファンタジックです。本来、声がないはずの人魚の歌を主人公が耳にする開幕にはセンス・オブ・ワンダーが詰まっていました。陸地に住む少年ヨナが禁じられていた人魚に接触し、初めての海や異文化を知ります。彼が素直さと勇敢さで苦難を乗り越えて、旅立っていくさまが童話のようで美しいストーリーでした。
主人公であるダンジョンマスターが新しいダンジョンを構築するのを見守るのが楽しい作品です。謎の部屋で目覚めた彼が現在の状況を認識するまでの試行錯誤や、自問自答がコミカルに描かれています。この部分の“タメ”が効いているので、現状を把握できた場面では読み手にカタルシスがありました。ところが、ダンジョンを作るシステムが壊れている事実が発覚し、まさに一難去ってまた一難の展開が続いて飽きさせません。

佳作

シチュエーションの説明や、キャラクターの動きの描写が的確で、巧みな文章でした。脳の活動記録を含めたあらゆる個人情報を国が管理する未来。意識と記憶を喪失している主人公の目覚めの場面から、興味を掻き立てられます。ミステリアスな展開に謎解きを求めて精読の意欲を刺激される作品でした。さらに主人公の目の前に「恋人だったという男性」が現れ、生活を共にすることで日常と記憶を取り戻していくのも面白い展開です。
愉快でゴキゲンな“人を殺めない盗賊”の話です。舞台が無秩序になった近未来なのも高揚感があります。主人公のゴルディが快男児であり、軽口を叩きながら危険な盗みに挑んでいく姿に胸がすきます。キャラ同士の会話が粋でポップなので、テンポよく読み進められます。また比較的、読点が少ない文章なのに読みやすいのは、伝えたい内容がしっかり整理されているからだと思います。ゴルディの今後の活躍を見続けたくなる作品でした。
城から脱出する魔術師と王子のアクションの描写が秀逸です。魔術と武芸の真っ向勝負。兵士に取り囲まれた魔術師が魔道書を駆使して颯爽と切り抜けます。ダイナミックで的確な表現をする文章が冴えていました。以降のページも冒頭の面白さが持続しています。属性術と生命術があり、魔物が存在する世界。雨が降り続く国という舞台もリアルに組み上げられていました。天眼をもつロイドが大きな運命に巻き込まれていく序章に引き込まれます。
和風テイストに味付けされたスチームパンクの世界を堪能できました。土間や竈、畳のある家屋で歯車やゼンマイが動いている構図は胸が躍ります。そのあと特権階級が海底都市に住み、もたざる者は汚染された地上で生きている時代とわかり、一気にスケール感が広がります。それでも、天然の食材で美味しい食事がしたいから地上に残っている棕櫚。行動動機が明確であり、卓越した技術力と優しさの持ち主なので主人公の資格を満たしています。
声を失った世界で“声”を求める若者を魅力的に描けていました。声に憧れる主人公が、声をもつ女性と出会うことで運命が変わります。声量をコントロールできることさえ知らないなどのディテールが、声をなくした社会に生きる人間の実在感を出しています。声への探究心が、やがて女性への恋愛感情に変わっていく流れが主人公のモノローグで丁寧に綴られています。また差別に対するメッセージも盛り込まれていました。
まさにタイトルが世界観を過不足なく表しています。既存の吸血鬼の設定を使うのではなく、細かくカスタマイズしています。個々の吸血鬼には才能に差があり、同意なき吸血行為は禁止されているのがリアルです。ダンピールの旭が人間と大差ない設定は主人公としてほどよいバランスです。当事者である旭と、前時代的な吸血鬼に夢見るノエルとのズレた会話は愉しいです。彼女に説明する形で読者にも世界観を紹介する上手い構成でした。
“プランター”と呼ばれるゾンビ化する病気が蔓延する世界は、パンデミックを起こした現実世界と重なり合います。身体感覚の描写が緻密で臨場感があります。文章表現が卓越しているので、とても読みやすいです。未来でありながら、蒸気機関が主な動力になっているスチームパンク社会は独特の雰囲気を醸し出しています。プランターを倒し続ける日々に疲弊する主人公アロン。彼が戦う意味を見つけられるのかに注視していきたいです。
読んでいて創作行為の神秘と醍醐味を感じました。新作ストーリーのオチが決まらずに悩んでいる人気作家の上條マサル。いつのまにか彼は自らが構築したプロットの世界に入ってしまいます。自身の頭で生み出したキャラが実在して動いている世界。ここにいて彼らを観察していればストーリーのオチがわかると喜ぶマサルに共感できます。でも、やがてキャラたちと接するうちに、物語の創造主としての葛藤が生まれる展開は最高でした。
スケジュール
・応募期間:2023年10月2日(月) 12:00:00 ~ 2023年12月3日(日) 27:59:59 ・最終結果発表:2024年2月下旬頃予定
募集概要
良い作品を執筆したい!というあなたの気持ちをエブリスタが応援します! 「未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン」!! 【コンテストの特徴】 執筆意欲を応援するために、3つの特典をご用意しました! ・優秀15作品以上に、作品へのアドバイス ・大賞受賞者には、キングジム社の「pomera DM250」をプレゼント ・準大賞作品以上は完結後に、「完結作品特集」へ掲載 【こんな方にオススメ!】 書きかけの作品、眠っていませんか?  書きかけの作品も積極的に応援します!  眠っている作品、構想段階の作品でも、どしどしご応募ください! 昔書いた作品、アイディアはいいと思うんだけどなあ……  このコンテストに応募すれば、さらに良い作品にできるかも!?  ぜひ昔の作品にもう一度光を当ててみてください! どんな風に続きを書くか迷ったときは、こちらの記事を参考にしてみてください。 書きたい気持ちに火がつくメディア monokaki(創作ハウツー)
募集テーマ
第42回目のテーマは「もしも世界が○○だったら」です。
・人類の一部が海で生きる世界。海洋汚染をきっかけに、水生人類と陸生人類の戦争が勃発して――。 ・結婚が法律で義務化。30歳までに結婚しない者は、強制的に伴侶をあてがわれることになり……。 ・動物の肉を食べることが禁じられた世界で、男は禁忌を破り、牛肉の味を知ってしまい――。
など、「もしも世界が○○だったら」の要素が登場する小説を募集します。 次から次へとページをめくってしまうような、続きが気になるお話をお待ちしております!
賞
大賞 1作品 ・賞金3万円 ・作品へのアドバイス ・キングジム社「pomera DM250」をプレゼント ・完結後に特集掲載※ 準大賞 1作品 ・賞金2万円 ・作品へのアドバイス ・完結後に特集掲載※ 入賞 3~5作品 ・賞金1万円 ・作品へのアドバイス 佳作 10作品程度 ・作品へのアドバイス
大賞の方にプレゼント!
※ 特集掲載は、受賞から半年以内に完結した作品を対象とさせていただきます(投稿時に完結している作品も含まれます)。完結後、受賞連絡時にお伝えする宛先へご連絡ください。ご連絡を頂けなかった場合は、特集掲載できない場合がございます。 ※ 大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタ公式SNS等で配信、紹介等される可能性があります。
応募要項
・文字数は20,000文字以上 ・20,000文字まで読んで選考、作品へのアドバイスをいたします。 ・連載中の作品も応募OK! ・すでに完結している作品 並びに エブリスタ内の公式コンテスト及び他サービス等の投稿コンテストで落選した作品を、募集内容に沿うように再構成してご応募いただくことも可能です。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
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コンテストの注意事項(必読)