九藤 朋

命を憶えていて。

生々しい描写に、息が苦しくなるほどでした。 非常時にその人の真の姿が見える。 或いは無邪気に無神経に残酷に。 或いは悲愴に暮れながらも懸命に他者に手を伸ばして。 彼我の違いが、こうも如実に顕著となる。
1件1件
九藤 朋

美しい誘蛾灯のような作品

長文なのにさらさらと頭に入る、胸に届く。性を超えた愛情と、歴史・政治の苛烈が描かれている。ヴィンスはもう妨げない。ロアは思うように「生きる」。菫色の瞳は、捉えたものを決して逃さないのだろう。恐ろしくも
1件1件
九藤 朋

降る雪は読み手の心にも淡く積り

兄弟の、もどかしくはかない恋情が胸に迫るようでした。 弟の一途な想いを、兄は優しく大らかに受け止め包み込んでいたのでしょう。 最後の終戦、レイテ島陥落の文字が目に刻印されるようでした。
2件1件
九藤 朋

つわものたちの美しく儚い恋と孤独

情景描写や当時の政治情勢の描写は実に鮮やかで、作者の方がこれまで積んだでろう研鑽を彷彿とさせました。 国を背負う男同士の恋。 なぜでしょうね。二人共、人を従える強い立場でありながら、こと恋愛に関しては
2件1件
九藤 朋

美しくやがて切ない宴かな

この作品は既に多くの人の知り、また愛されるところである。妖刀遣いの蘭丸と、陰陽師である亜緒は「左団扇」をかつかつで経営しながら生きている。すれ違う人、人ならざるもの、それら全てがこの左団扇を彩り、そし
3件1件

この作品は非公開になりました

九藤 朋

星が綺麗な寒い夜。おでんを食べて温まる。

以前、ある小説で「美味しい料理には人を正気にする力があるんです」という言葉に出逢った。 この作品にぴたりと当てはまる台詞だと思う。 極度の疲労、寒さ。 そこからのお酒とおでん。 まさに地獄から天国・ア
2件1件