蘇芳

赤々と熱く、どす黒く燃え焦げる情念の火よ

最初の数行で物語の中へと引き込む、無駄なく鋭い描写はいつもながら見事です。 得体の知れない只中に放り込まれた語り手の、恐怖と苦痛に満ちた視点。 全てを奪われた怒りや嘆きを語り手にぶつける怒りや悲しみ
ネタバレあり
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蘇芳

すぐ隣にいそうな人々

「平凡だけれど決して無個性ではない人々」を細緻に描き出す文章には、作者の観察眼に宿る厳しさと公平さ、あるいは文筆家としての誠実さに思いを馳せずにはいられません。 芸人の夢をあきらめきれない主人公。
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蘇芳

そ……その手があったかー!!!

ともすれば、ホラーやダークな展開に走ってしまいそうな「暗闇の中で」というテーマですが、ドタバタコメディにしてしまう筆者の発想には、脱帽せざるを得ません。 短い話の中にぎっしりと詰められた、そして解き
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蘇芳

彼女は、真の正直者

 読み始めて最初に、シベリアの荒野の寒々しい風景が脳裏に浮かびました。  頭の中にスッと入ってくる文体で、風や光、温度の感じを瞬時にイメージさせる力は、本当に凄いなと羨むばかりです。  そんな、人が
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この作品は非公開になりました

蘇芳

これぞサスペンス!

 しばしばミステリーと混同されるサスペンスとは、「ある事件をきっかけに、ハラハラドキドキといった緊張感を持続させる」ものだそうです。  この小説の主人公が遭遇する事件は、まさにこの言葉通りだと感じまし
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この作品は非公開になりました

蘇芳

シュールかつちょっとブラック、読後感はほっこり

読んでいる最中、それから、読み終わった後の第一印象はタイトルの通り。 「ネズミの肉を食わせるバーガー屋」というよくある都市伝説ネタを題材に、ここまで面白いコメディに仕立て上げたのは、本当に凄いなと思
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