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次に読みたいファンタジーコンテスト「転生以外」

選考結果発表
講評者の三村美衣氏からのコメント ===== ジャンルさらにはテーマが限定されたコンテストの場合(今回は転生以外というあってなきようなテーマだが)には、自ずと似通った作品が並ぶことになる。その中で埋没せず、ページをめくらせるためには、世界設定やキャラや事件に、キャッチーな面白さやオリジナリティが必要になる。たとえば、「パン焼き窯で焼かれた人造魔女」(『さよならブローチェン』)だとか、「冒険者たちが大金を持って訪れる歓楽の塔の脚フェチバー」(『イカロスの歌』)と聞くと、それがどんなものなのか、どんな場所なのか知りたくなる。 作品を手に取らせたら、次に問われるのはリーダビリティだ。文章が読みやすいだけではなく、情報の出し方や、描き方において、読者に対する配慮があるかも重要になる。サービス精神というか、おもてなしの心ですね。興味をひくのは謎だが、引張すぎると飽きられる、難しすぎても投げられる。さらにファンタジーとしては、現実にはないもの、幻想を喚起させる描写や語彙の多さや、絵的な魅力も加点要素となる。佳作にあげた『水族の居場所』はこの魅力の一点突破と言っても良い。 残るのは読後感や感動だが、それは読まれないと伝わらない。 ということを意識して、ぜひ自分の作品をセルフチェックしてみてください。 ===== 受賞作品への選評や見どころを一部掲載! ぜひ、読んでみてくださいね。 ※選評は登録されたメールアドレスへ近日中にお送りします。 ※SNSアカウントで会員登録されている場合、エブリスタトップページ上部「現在、このアカウントは仮登録の状態です。本登録はこちら」より、メールアドレスの設定をお願い致します。
大賞 1作品
雪のような白い肌と黒檀のような髪、そして真っ赤な唇を持って生まれ、女王様の愛情を一身に受けて育ったブランシュ姫。ところが17歳になったお姫様の趣味は、毒薬の開発と黒魔術。お城の地下の実験室にこもりっきりで侍女たちからも気味悪がられ、毒雪姫と呼ばれるほどに! 娘の変人ぶりに頭を悩ました王妃様はある日、彼女に隣国の王子様との結婚を命じるのですが……。『白雪姫』でお馴染みの魔法の鏡や毒りんごや七人の小人などを自在に操り、ダークでコミカルでロマンチックなおとぎ話に仕上げた手腕が見事。
準大賞 1作品
冒険で大金を手にした男たちに一夜の夢を提供する巨大な歓楽街オルニスの塔。脚フェチバーで働くウツギは、塔で育ち外の世界を見たことがない。騎士や賢者や狙撃手などさまざまな男たちに脚を撫ぜられながら、ウツギは行ったことのない外の世界の話を聞く。魚が水中で息をすることを忘れて空にあがり、姿を消す魔法を忘れた竜が空を飛び、飛び方を忘れた大鷲が陸を歩きはじめ……。物忘れの病にとりつかれた不思議な世界をイマジナリーに描いた、まるで蜃気楼のような短編。
入賞 1作品
平安末期の奥州。執拗な源頼朝の攻撃はついに呪詛の形をとり、奥州藤原氏の当主・秀衡を襲った。息子の泰衡は家臣・照井太郎高直の助けを借りて呪いに立ち向かうのだが……。治水事業を行い、衣川の戦いの指揮官として記録に名を残す照井太郎。年齢や素性など、謎の多い照井太郎伝説に異種婚姻端や動物報恩譚と重ね、神の時代から常命の人の時代への移り変わりを語る。短いながら読み応えのある歴史短編。
佳作
無課金プレイヤーだったはずの幼馴染が、「過去」と「未来」を対価として支払うというシステムに嵌り、課金厨となっていく様子を描いた奇妙な味の短編。ファンタジー要素はほとんどないが、つかず離れずな幼馴染2人の関係性が読ませる。課金プレイの醍醐味と問題も活写されており、なかなか身につまされる。
教会の台頭によって70年前に魔女が狩り尽くされてしまったはずの世界で、ある日、突然街に魔女の大群が現れ、伝説に語られる春を呼ぶ「月返し」が始まる。しかし呪いは失敗し、街に大きな被害をもたらした。魔女復活劇の首謀者として捉えられた天才発明家フューレは獄中で死亡。姉のウィンテの元にはフューレが作ったパン焼き窯が残された。なんとそれは、魔女を焼く機械だった。なぜフューレはこんな機械を作り魔女を復活させようとしたのか、答えを求めるウィンテは焼き窯を使って妹を復活させようとするのだが……。おとぎ話めいた設定が秀逸で、先の展開が楽しみ。
閉塞した海辺の街に住む僕と、ヒロトという謎の少年の交友を幻想的に綴った掌編。海はフェンスによって遮られ、砂浜を踏むころすらできず、生き物図鑑は誰にも見られることなく図書館で朽ちかけている。この世界がどういう状態にあるのかわからないまま、謎めいた描写がつづき、全てが少年期の幻想であったかのように幕をおろす。正直に言って何もわからないが、読むものの妄想を喚起する文章と緊張感が凄い。
丘の上に住む竜を斃した英雄。しかし実態は悲惨な消耗戦の上で、たまたまそういうめぐり合わせになっただけの一兵卒にすぎなかった。竜の死から数年、王国に再び竜が現れ、英雄はまた戦地に赴くのだが……。社会の都合で作り出された英雄譚に翻弄された老人、戦火の時代に他愛のないコメディを描き続けた劇作家、数十年後の平和な世に生きる少女。「物語り」の力と、そこに託す想いを綴った地味な短編ながら強い余韻を残す。
梅雨のある日、夏子の家に小学校に忘れた傘を届けにきた赤い着物の女の子。夏子がお礼を言うと、彼女はにっこり微笑み忽然と姿を消してしまった。妖怪ゲットに乗り出した夏子が、傘を餌に捕まえたのはなんと一本足の唐傘お化け。女の子になるために「ありがとう」を集めているという唐傘お化けの話を聞いた夏子は、友だちを集めて、忘れ物の傘を届けるお手伝いをはじめる。小学生の姿が生き生きと描かれる、ほのぼの妖怪ジュヴナイル。傘がひらきありがとうの光がいっせいに飛ぶシーンが幻想的で美しい。
募集概要
ファンタジー書評家「三村美衣氏」&物書きのためのメディア「monokaki」とコラボしてお送りする 「次に読みたいファンタジーコンテスト」 面白いファンタジーとは何かを探求しつつ、新しいファンタジー作品をどんどん発掘していきます! 【募集テーマ】 第一回目のテーマは「転生以外」です。 ★闇から生まれ、魔王になることを運命づけられた主人公。けれど彼は平和に憧れていた。 ★15才の誕生日から、不思議な生き物が見えるようになった。その正体は? ★魔力なんてないのに、なぜか魔法学校への入学案内が届いて……!? 転生のシチュエーションが入っていなければ、どのような世界/時代設定のファンジー小説でも応募可能です。 ページをめくる手が止まらなくなるような、ワクワクするファンタジー小説をお待ちしています。
講評者プロフィール
三村美衣 ファンタジー、SF、ライトノベルの書評家として、長年の経験を持ち、数々のファンタジー・SFの小説賞の審査員を歴任。 現在も、創元ファンタジイ新人賞の最終選考を務め、第一線で活躍する中で、次世代のファンタジー作品の誕生を待ちわびている。 著書『ライトノベル☆めった斬り』(太田書房/共著)、『SFベスト201』(新書館/共著)など。 来月よりmonokakiにて、テンプレを脱するための具体的な書き方を指南する「ファンタジーの教科書」を連載予定。
スケジュール
・募集期間: 2018年9月10日(月)17:00:00 ~ 2018年11月11日(日)23: 59: 59 ・最終結果発表: 2019年1月中旬予定
大賞 1作品 ・賞金5万円 ・三村美衣氏からの選評 準大賞 1作品 ・賞金3万円 ・三村美衣氏からの選評 入賞 1作品 ・賞金2万円 ・三村美衣氏からの選評 佳作数作品 ・三村美衣氏からの選評 ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタ公式SNS等で配信、紹介等される可能性があります。
応募要項
・文字数は5,000文字以上 ・連載中の作品も応募OK! ・すでに完結している作品 並びにエブリスタ内の公式イベント及び他サービス等の投稿イベントで落選した作品を、募集内容に沿うように再構成してご応募いただくことも可能です。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。

コンテストの注意事項(必読)