昏い川

お秀は、昏い昏い川のほとりに立っていた――

あい

12分 (6,839文字)

8 27

あらすじ

ぽちゃん、と。お秀は、川へ石を投げ入れた。 幾度も幾度も石を投げ入れ、黒く静まりかえった水面を波立たせた。 あと一回、もう一回…… 一度でもいい、上手に出来たならば、もう思い残すことは無い。 昏い昏い

感想・レビュー 2

昏い、という言葉をあらためて調べてしまいました。そういう追求をしたくなるような、魅力的な小説ってことです。 またこの言葉を使ってしまうのですが、とにかく上質な時代小説。 と、思わず世界観から魅せら
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暗い、ではなく昏い。普段使わない方の『くらい』から拡がる物語はどんなものだろう、と読み進めると「ああ、これは確かに昏い!」とことばの持つ奥深さに酔いしれる。 幼いお秀さんの辛い過去から、男に対して求
ネタバレあり
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