ささやくむしたちのこえ

あの日から、ずっと蝉の声がしている。あたまのなかで、いく匹もの蝉が、ささやくように泣いているんだ。

秋野きつ

1時間45分 (62,851文字)
あかるいばしょにいるあなたへ。

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あらすじ

 やあ、今日も暑いねぇ。  冷たい水を汲んできたから、遠慮せずに飲みなよ。蝉時雨がうるさくて静かなこんな日は、本家の庭で散々に叱られていたことを思い出す。  日差しの底、半泣きで捨ておかれた僕に

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