脚本家を夢みながら地方都市の劇団の取りまとめに奔走する倉石は、東京で天才脚本家として活躍していたのに地元劇団に戻ってきた田口に複雑な思いを抱いていた。そんななか、公演が間近に迫ったある日、小道具のマネキンに「ロボットはお前だ」という真っ赤な落書きが見つかって――？芝居に思い悩む男たちのヒューマンミステリー。

幼い頃３か月だけ住んでいた場所にあるホテルから招待状を受け取った白山季子は、久しぶりの4連休を利用して一人旅に出かけることにした。「大切なものを忘れている」という焦燥感を抱える季子を待ち受けていたのは、彼女の過去を知る3人の男性。果たして季子は記憶を取り戻せるのか？過去へと回帰する切ないミステリー。

半年付き合った彼氏から「性格だけじゃなくて顔もつまらない」と振られ傷心中の翠は、通学途中で見知らぬおばあさんに手招きされる。吸い寄せられるように近づくと、彼女は「少し休んでいくといいですよ、お嬢さん。あなたが発展というスパイスを求めているなら」と言って――。こじらせ仲間が寄り集まって知恵を振り絞る、日常ミステリー。

偵国大学2年生の犬井一子は、文化学部棟へ3限の授業を受けにやってきた。教授を待ちながら教室でうとうととまどろむ一子。しかし彼女は、突然後ろから何者かに襲われて！？幸い、何事も無く開放された一子だったが……誰が、一体何のために？「探偵学」の教授に相談する事になった一子は、果たして真相にたどり着くことは出来るのか。青春キャンパスミステリー！

5月中旬のとある日。八丁堀瀬名がいつものように登校して、下駄箱を開けると、何故かイワシの頭が入っていた。とある事情からイワシの頭が気になった瀬名は、親友である月定邦雄に相談する。月定はその謎をすぐに解いてしまったが、瀬名は新たな謎に直面して――。イワシの頭から始まり恋心で終わる、学園青春ミステリー。

推理研究会に新たな謎が転がり込んできた。事の始まりは、一部の校内新聞。せっかく面白い内容だったのに、その新聞は315号を最後に更新されなくなっているらしく……？クール少年・センが、推理小説好きの美人・メイ先輩と親友の広太とともに学校の裏に隠された謎を明らかにする、学生探偵ミステリー！

時は大正。全寮制の高等学校に入学した九鬼《くき》は、ひょんなことから、うっかり帝国怪盗団の一味になってしまう！始終自分を注視してくる気まじめで可愛い室長や、おかしな寮監。彼らにふり回されながら、九鬼は怪盗団の関わる奇妙な事件に巻き込まれていく。帝国怪盗と少年探偵。追ったり追われたり、片想いが連鎖するボーイズラブ。