輸涙

私の涙を、君にあげる。

池田春哉

青春 完結
14分 (7,997文字)

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あらすじ

 ――透血病。  自身の血中成分を体内で消化吸収してしまう体質により、血液がただの水へと近づいていく難病。  会川明音は世界で初めての透血病患者だった。  当然治療法はまだない。ひとまず彼女の血液濃

感想・レビュー 3

かけがえのない日々

 世界初の難病少女と彼女を救う少年。2人の何気ない会話に青春を感じさせながら、病状シーンが書かれる部分で切なくなります。かげがえのない日々は、きっと強く残るから切なくも胸を打たれたのだと思います。
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春哉節が軽妙であればあるほど

タイトルとあらすじを読んだだけですでに泣いてました。 本編を読む前に、このタイトルとあらすじからして悲しい話だから、暗いトーンではじまるんだろうなと覚悟して読みはじめると、冒頭の会話がいつもの春哉さん
ネタバレあり
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後世に残るであろう名作と、作品発表直後に出会えた幸運に感謝

 世界初のある難病患者の少女と、彼女を救おうとした少年。少年の目線から描かれた少女の様子、やりとり、葛藤と決意は、切なさの極みでした。救いようのない少女が救われなかった、たった一文で終わる事実であって
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