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エブリスタ小説大賞2020 竹書房 最恐小説大賞

 第3回となる最恐小説大賞、今年は長編8作、短編3作が最終選考に残りました。人が「恐怖」を感じる対象はさまざまであり、人の数だけ恐怖の姿はあっていい――そうした思いから、ホラーという大ジャンルはあれどその種類は問わず、ノールール・ノータブーでそれぞれの「最恐」を追究し物語という姿で見せてほしいというのが、この賞の求めるところであります。本年もそうした趣旨をご理解いただき、怨霊呪詛系からデスゲーム系まで実にさまざまな恐怖の形を見させていただきました。全体的な傾向としては、土地や血族の歴史に因果を持つ土着因業系ホラーがやや数が多く、少しずつその因果が紐解かれていくミステリー部分に力が入っていたと思います。  長編部門最恐賞には、そうした土着因業系作品のひとつ「かぎろいの島」が選ばれました。いわゆる島もので、現代日本の中にある異世界、隔絶された閉鎖社会に息づく呪いの姿を巧みなミステリーと豊かな表現で見せてくれました。映画を見ているように情景が浮かんでくる点が秀逸でした。  そのほか最後まで候補に残ったのが「土下女」「忌み地」で、こちらも因業系のホラー。この2作もクオリティが高く、編集部でもどれを受賞作とするか意見が分かれました。「土下女」はヒトコワ的な展開から旧家の忌まわしき歴史へと収束していく展開が見事、「忌み地」は登場人物たちそれぞれの視点から核心に迫っていくスタイルでラストの落とし方の面白い作品でした。  今回、偶然同じような系統の作品が最後の選考に残りましたが、土着因業系のジャンルが歓迎されたというわけではありません。あくまで総合的な評価の結果、たまたま今年は土着因業系が強かったということで、今後も幅広いジャンルでのご投稿を歓迎します。短編部門については残念ながら、今年は最恐賞該当作品なしとなりました。3作品どれも一定以上のクオリティがあり、短編連作としての読みやすさ、各話の繋がりと構成力には光るものがありましたが、いちばん大切にしたいオリジナリティという部分であと一歩という思いが否めず、大変厳しい選択ですが次回開催への期待と希望をもって今回は受賞を見送らせていただきました。  やはり作品の感想として、○○系の作品、○○に似たスタイルという言葉が出てきてしまうのは、話が面白いだけに残念に思いました。短編部門は筆力の高い作品、作家さんが多いので、次回募集でのリベンジを楽しみにお待ちしております。すべての作品に対して感じたのは、面白い(怖い)話を書こうというストーリーへの情熱です。そこに高い力点が置かれているため、先が気になる、続きを読みたいと思わせるパワーは十分にあったと思います。  一方で文芸的な要素、主人公の心情表現、情景描写の力不足感は否めず、印象的なレトリックにはほとんど出会えませんでした。受賞作はその点で光るもの(光る原石となるもの)があったと思います。作品を執筆する(応募する)上で考えていただきたいのは、本になった時の帯のイメージです。おそらく「最恐小説大賞受賞作!」の文字が輝かしく踊ることでしょう。では、その次に来るのは何か。それは「なぜ受賞に至ったのか」を簡潔に表す言葉です。それはその作品の魅力、その作品にしかない素晴らしいところです。具体的なストーリー・内容の説明はその後なのです。  例えば、第1回の長編受賞作だった「ヴンダーカンマー」を出しますと、「エグさの限りを詰め込んで、なお透明」というのが作品の魅力、その作品にしかない素晴らしいところで、それこそが受賞理由となっています。その次に、「禁断の蒐集室を現代によみがえらせた少女の真実とは」というストーリーの紹介がされるわけです。皆様もぜひ自分の作品でこのことを想像していただきたいのです。  最後のストーリーを説明する部分はいくらでも語れるのに、2番目の「この作品にしかない魅力」の部分を簡潔にスパッと即答できるでしょうか。「ラストのどんでん返し」「次々と襲い来る恐怖」「ふりきった猟奇性」等、長所・魅力はたくさんあると思いますが、それが他のどの作品にも負けない唯一無二のものであるかどうか。そうであれば、それは受賞に近い作品ということです。  また主人公のキャラを立てた作品、ホラーライトノベルに近い路線を狙うのであれば、愛される(悪なら魅せられる)キャラの作り込みにもっともっと力を入れていただきたいです。いまひとつ主人公に感情移入しきれない作品も多く、ホラーでは致命的です。主人公に寄り添えなければ主人公の感じる恐怖を一緒に味わうことができず、怖さが他人事になってしまうからです。  また、キャラものの短編連作の場合はとくに、その人物の癖、仕草、決めゼリフなど強烈な個性が欲しいところです。もちろんストーリーの面白さが備わっていることが大前提ですが、キャラの魅力=受賞理由になることもありますし、先ほどの本の帯をイ メージしてみる話なら、そこにそのキャラの「唯一無二の決めゼリフ」が入ってくることも想像できます。  自分の思う「これがいちばん怖い」ことの追究。そして、オリジナリティの追求。この2つの追究と追求でまた素晴らしい最恐小説が誕生することを編集部一同楽しみにしております。 (竹書房 編集部)

連作短編賞 受賞

該当なし

【最終候補】最恐長編賞

優秀作品(最終候補以外)

・募集期間:2020年9月15日(火) 12:00:00 ~ 2021年1月3日(日) 27: 59: 59 ・中間発表:2021年2月予定 ・最終結果発表:2021年4月予定
※優秀作品は中間発表時点で公表されます。 ※必ず@estar.jpを受け取れるようにメールの設定をお願いいたします。
※同一作品を2つの部門に応募することはできません。迷った場合はどちらかの部門にご応募いただければ、運営で長編か連作短編か判断いたします。 ※完結設定をお願いします。 ※完結設定をしていない場合でも、選考の際に事実上完結である事が確認できれば選考の対象となりますが、出来るだけ完結設定を行うようお願いします。 ※シリーズタグが設定されている作品は、第1話のみ応募頂ければ、シリーズ全話が選考対象となります。 ※第三者の著者権その他権利を侵害した作品(他の作品を模倣するなど)は判明した時点で応募が無効となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。
注意事項
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