フリーライターの山崎水菜のところに、東京中央テレビドラマ制作部の野口から深夜に突然電話が入る。野口は水菜の師匠にあたる脚本家・淡路が行方不明になったので事情を聞いて欲しいと言った。仕方なく局に向かうと、だましうちの形で、淡路のかわりに脚本を書いて欲しいと言われた。無茶なスケジュールの仕事を押し付けられながら、彼女は淡路がどこに消えたかを推理する、そうして見え始めた真実とは――。TVドラマ業界ミステリー。

ムジツさんこと牟児津真白は、有志達によって書かれた黒板アートを消した、という罪を着せられかけていた。このままだと犯人にされてしまうため、幼馴染の”うりゅ”こと瓜生田と共に、証言を集め真犯人を探し始める。関係者に聞き込みをし、残された資料を読んでいくと、ムジツさんはおかしな事実に気がついた――。犯人は一体何者で、黒板アートを消した理由は一体なんなのか？今日も無実のムジツさんによる、学園ライトミステリー。

数百年前に起きた第3次世界大戦で地上は焼き尽くされ、文明は崩壊し大気は汚染された。そして西暦3318年、それでも人類は細々と生き残り、ヴィレッジと呼ばれる狭苦しい地下シェルターで生活していた。ステアーはそんな世界で生きる女傭兵だ。彼女は生まれたときから並はずれた体力を持ち、2丁の短機関銃を手にし、旧川崎駅にある自分たちのヴィレッジを守るために悪漢たちと戦い続けていた――。ポストアポカリプス・ガンアクション。

父との関係がうまくいかず、母を亡くした凛久は、かつて優等生だったが今は外面だけを取り繕い、他者との関係を避けて生きていた。彼はある時、呼ばれるようにして午前零時の海にやってきた。そこには海と同じ色の瞳をもつ少女がいて「おはよう」と言った。彼女には記憶がなく、朝が来ないと言うのだった。そして凛久は次の日、5年前海で死んだ女の子の話を聞く。はたして彼女は幽霊なのか――。海と少年と少女の不思議な物語。

男嫌いの伯爵令嬢マリネット・ザカリーの理想は、手に職をつけて安定した老後を送ること。そのために引きこもって勉学に励んでいた。そんな彼女が、五歳の国王ジークの教育係に命じられるが、ザカリー家は王家に仕える騎士・ラルフの一族、ヴェルナー家と犬猿の仲だった。マリネットとラルフの出会いも最悪の状態から始まるが、無邪気なジークの言葉で、二人は仲良くしなければならなくなり――。すれ違い恋愛ファンタジー。

大昔、太陽と月が粉々に砕け散り地上に落ちた。それ以来世界は真っ暗になり、『暗闇』と呼ばれる怪物がうろつき、人々は『星油』と呼ばれる液体の灯す光をよすがにして暮らしを送っている。そんな中、星油をランタンに入れて、暗闇の中を旅する者たちがいた。暗闇の先にあるものを知りたいと願い、歩き続ける少年・エピ達は、それぞれの思いを胸に、旅を続けていく――。旅人たちの物語を綴る、連作短編ハイファンタジー。

ユリスは便利屋事務所『チームクラウンズ』を営み、同僚たちと共に活躍していた。彼は特殊能力を持つ『禁じられた知に触れし者』の一人であり、自分たちが生きている所は、上位存在によって創られた箱庭世界の中なのだと感じていた。その考えは、周囲からすると正気を疑われることだとわかっている為、黙って日々を送っている。そんな中、彼は記憶喪失の少女と出会い、そこから世界の謎との戦いが始まる――。並行世界ファンタジー。

仕事も人間関係もうまくいかず、追い詰められている30歳独身女性・皆川郁は、疲労困憊して駅のベンチで動けなくなっている時、スマホを盗まれてしまう。そんな窮地を、迫力のある顔をしたサラリーマン・平良鉄に助けられる。それきりだろうと考えていたが、また駅のベンチに座っている時、彼に偶然再会した。そして平良に愚痴を言うことで、郁の塞がれていた心が少しずつ開かれていく――。何気ない出会いから始まる、がんばる女性の物語。

シオリは毎日真夜中の交差点を訪れ、そこで数時間を過ごしている。それは1ヶ月前、大好きだった従姉妹の「サキ姉」がそこで事故死したからだった。サキは有名な不良グループのリーダーの彼女で、サキがたくさんの人を紹介し、孤独だったシオリに居場所を作ってくれたのだ。サキが消えて泣き過ごす日々の中、黒いコート姿の、美しい大人の男に声をかけられた。彼は「俺の事、わかる？」とシオリに言った――。年の差不良ラブストーリー。

葵渚はやては、人に視えないあやかしと呼ばれる存在に関係する、普通の人と違う力を持っている。彼は久しぶりに訪れた京都で仕事先へ向かっていると、金髪オールバックで、睫毛の長いひとつ目が描かれた四角い布で顔面を隠した異様な男に話しかけられた。はやてはその男に振り回されながら、手まり歌になぞらえた道をたどり、様々な謎にめぐり逢い、ずっと探している自分の目的に近づいていく――。古都で繰り広げられる妖バディファンタジー。

その奇病に侵された人間は『鬼種』といわれる。鬼種は食人行為を必要とし、鬼種となった者の大半は衝動のままに人間を襲う『幽鬼』となる。マリアは鬼種討滅を専門とする戦闘部隊の一員だ。彼女は戦いの日々の中で、アダムという、林檎を探している不思議な男に出会う。その出会いから、2人の奇妙な物語が動き始める。さらにアダムの背後では、イヴという謎の女性が暗躍していた――。異能力ガンアクションファンタジー。

交通機動隊に配属され、白バイ隊員となった25歳の美咲乙女は転生者だった。前世では王女にして世界を救った勇者であり、愛機であるバイク・ホンダCB1300Pは、彼女が騎乗していた青竜・ギャンの転生なのである。記憶を持って転生した彼女らは、ばんばん違反者をつかまえ、市民の安全を守ろうと意気込んでいた。しかし実際は鬼教官にしごかれ、交通整理だけを任される毎日で――。元ドラゴンライダー白バイ隊員の、日常奮戦記。

日ノ本の国一の山、宝永山の大噴火は、夥しい数の妖怪をこの世に呼び出した。国中の猛者を集めた殲鬼隊により、妖怪は退けられたように見えたが、妖怪は人の心に棲み続けていた。その混乱に乗じて朝廷は倒幕の兵を挙げ大乱が起ころうとしている。そんな時代の中で、元殲鬼隊隊長の一人だった鵺丸は、武蔵坊という人間と妖怪の混血児に出会う。それをきっかけに、彼らの運命は大きく動き始める――。戦国時代劇ファンタジー。

「私」は、遠距離恋愛となった彼氏の明良に別れを告げられた。「私」は前から妹の愛花と明良が浮気していたことを知っており、それを素直に受け入れた。夜、眠れなくなった「私」は長い夜を乗り切ろうと、ネットの掲示板にあった「一人かくれんぼ」を実行しようと考える。愛花の名前を使ったその遊びは、思わぬ怪現象を引き起こした。それに怯える「私」は、不思議な力を持つ少女・涼香と出会い――。切ない想いが作り出す青春怪異譚。

妊娠・出産ができるオメガの男性、花房伊都はシングルマザーとして娘の紬葵を育てながら、芸能活動を行っていた。ある日突然、マネージャーが外れることになり、大手で数々のダイヤの原石を売れっ子にしてきたという後任を紹介されるが、なんとその男・神崎つばさは、身体を重ねたこともある元カレだった。つばさは有能で仕事は更に広がり、二人の距離は縮まり、伊都は紬葵と一緒に愛されていく――。溺愛系オメガバースBLラブストーリー。

大好物のオレンジマーマレードに囲まれたアリス。可愛らしいデフォルメイラスト！

星へと向かって堕ちていく少女、その心中は――。刹那的な幻想イラスト！