東雲彰と柊晴斗は、死神やすねこすりなど、人ならざる者相手に“なばり屋”という店を営んでいる。時には人間から心霊に関する相談を受けつつ、2人はあやかし達とほんのり変わった日々を送っていた。そんな彼らのもとにある日、奥野と名乗る男がやって来る。彼はある物件のお祓いをして欲しいと相談を持ち掛けるのだが、どうやら何か隠しているようで――。彰と晴斗の少し変わった日常をめぐる、せつなくも温かい怪奇譚。

自分のことが大好きな五年一組の人気者・キミコ。皆にちやほやされる日々を送ってきたが、中性的な転校生・白波優月がやってきたことにより、その地位はあっけなく崩れ去る。憂鬱な気分のまま保健室に行くと、そこには謎の大きな矢印が。辿った先に現れたのはなんと、小さな喋るわんこだった！　そのまま人ならざる客のお休み処である、不思議な喫茶店に案内されたキミコは、給仕係として働くことに――!?　ほのぼの日常ライトノベル。

京都に夢見た自分の店『Lupinus』を開くことになったショコラティエの岩星穂香。オープンの準備をしていると、元パティシエで求職中だという高山瑠璃に、この店で働かせてほしいと猛アタックされる。仲間意識を感じた穂香は彼女を採用するが、突如として妖の住む国・京陽へ飛ばされてしまう。なんと瑠璃の正体は座敷童子で、妖界の王・青王の手伝いをしている妖だったのだ！　穂香は青王に頼まれ、妖界のカカオでチョコを作ることになり――。美味しいあやかしファンタジー！

自分の最期に関する記憶がないままに死者の世界へとやってきた紅香は、そこで多娥丸という不愛想な少年に出会った。なぜか死者の道筋から外れてしまった紅香は、多娥丸の家に身を寄せることになる。常世で何とか暮らす紅香だったが、死者として特異な存在である彼女のもとに、招かれざる客たちが現れるようになって――。記憶を失った亡者の少女に、角の生えた少年。個性的な面々が織りなすあやかしファンタジー！

遥か昔。魑魅魍魎やあやかし達が闇夜に跋扈する時代に、一人の美しい娘が生まれた。彼女は美奈と名付けられ大切に育てられるが、そのために高飛車で傲慢な性格となり、ついには美貌を封じる呪いをかけられてしまう。呪いのために転生を繰り返し、時は現代。恋愛に臆病になった美奈は、ちょっぴり残念な男性・神坂晴海が気になっている。神坂と出会ってから、美奈の平凡な日常が変化していって――。呪われた女子大生をめぐる現代あやかしファンタジー！

安宋中学校に通う真藤朱里はある日の放課後、友人達と共に“セーメイ様”と呼ばれる降霊術を用いた占いをする。初めは占いを楽しんでいた朱里たちだったが、呼び寄せたセーメイ様に帰るよう頼んでも『い』『や』の2文字を示すばかり。終いには使っていた十円玉と紙が燃え上がってしまった。その日を境に、朱里の周りで怪奇現象が起こり始める。一緒にセーメイ様を行った友人が一人ずつ消えていく中、朱里は果たしてどうなるのか――？　夏にぴったりな呪術ホラー！

都会の大学生ライフに憧れ上京した喜一茉理。しかし、ひょんなことから怪異と関わりを持ってしまい、彼の夢見た学生生活はあっけなく散っていくことになる。茉理は常世の住人によって引き起こされる怪異事件解決のため、その筋の専門家だという男に会いに行くが、顔がいいその男は性格に難ありだった。次々に襲ってくる奇怪な事件に巻き込まれながらも、次第に距離を縮めていく2人。最悪な出会いを果たした彼らの運命は――。手に汗握る現代ホラーファンタジー！

陰陽師の血を受け継ぐ小学生・星乃ミヨ。ある日、何かと心霊調査に誘ってくるオカルト好きの同級生・三戸香から、自分たちの通う学校に幽霊が出るという噂を聞く。2人はクラスメイトのスポーツ少年・八神翔と、翔に恋する少女・姫宮和希と共に、噂の真相を確かめることに。いざ旧校舎に忍び込むと、なんと看護師の幽霊に襲われてしまう。するとミヨの持つ指輪が光り輝き、式神として口裂け女の紅子が召喚されて――。怪異に立ち向かうドキドキホラー小説！

風花流樹は、普通の男子中学生だ。――自身が半妖であるということを除いては。人間の父と天狗の母から生まれた流樹は、暇さえあれば人間世界とあやかし世界の狭間に位置する“かくりよ”に出向いていた。その日も変わらずかくりよを訪れた流樹だったが、そこで彼は現代から幕末にタイムスリップしてしまう。幕末のかくりよで猫又少女や坂本龍馬と出会った流樹は、動乱の時代で自身の役割を全うできるのか――。あやかし×タイムスリップ。異色の冒険譚！

寂れた神社の巫女として活動していた天魔華鈴。親に捨てられ厄介者扱いされていた彼女は、とうとう人身御供に選ばれてしまう。華鈴が自ら胸をナイフで切り裂こうとしたその瞬間、それを止めたのは九尾の狐・九火七氏だった。七氏から「ぬし、我の嫁となれ」とプロポーズされた華鈴は、頂点に立つあやかしの妻となる。本物の幸せを掴んだ華鈴と七氏は、どこまでも共に進んでいく――。ほのぼの溺愛ファンタジー。

幼い頃から義母に虐げられてきた紬生は、屋上から身を投げようとするところを見知らぬ美男に助けられる。「行き場がないのなら、俺の所へ来い」と言う男の誘いに着いていくと、その先はあやかしの中でも上位に君臨する妖狐の一族・狐月院家だった。次期当主であるその男・燈矢と紬生は、《魂の赤い絲》で結ばれているという。燈矢に護られる日々を送る紬生だったが、ある日その真意に気づいてしまい――。和風シンデレラストーリー。

東北にある集落の薬屋で生まれた桃華は、小さい頃から人には視えぬ妖が視えていた。そのせいで周りから避けられるようになり、不登校になってしまう。ある日、家で代々受け継いできた漢方薬が毎晩蔵から盗まれるという、不可解なことが起こりはじめた。そこであやかしや物の怪に詳しいという住職の助言で、桃華と家族は県境の温泉街にある宿を訪ねる。偶然にもその宿は、桃華の祖母が子供の頃にいた老舗旅館だったことが分かり――。切ない物の怪ファンタジー。

藤宮冬子は男を見る目がない。美人でも不細工でも人を見る目がない訳でも無いが、何故かいわく付きの男を選んでしまう。最近付き合った彼にもまた素気ない返事をされ、寂しい気持ちを抱えた彼女は、公園で震える小さな動物を見つける。少しでも暖かくしてほしいと手持ちのタオルを与えると、それは植木の奥に隠れてしまった。翌日、彼女の前に現れたのは、背中を丸めた陰気な癖毛の男・ハチ。彼に触れると、重苦しい心があっという間に軽くなり……。影兎と織り成す現代ファンタジー。

病弱な母を持ち、貧しい生活を送る少年・黒田蓮志。彼は学校で「マックロダ」と呼ばれ、いじめられていた。友達も出来ないまま小学校を卒業し、寂しい日々を送っていたある日、蓮志は田川という男と出会う。彼は蓮志に、守備術・攻撃術・体術・精神術といった、霊力を持つ者に必要な力を鍛える学校・精霊法学院に入るよう勧める。蓮志には霊力を操る才能があったのだ。入学を決意し京都に行くと、そこでは不穏な動きが見られ――。霊術学園ファンタジー。