現実の常識が通用しない怪異絡みの事件を扱う“怪異特務課”に属する、ミステリアスで冷徹な捜査官・名護と、ある事情により怪異と深くつながる体質となってしまった真面目な捜査官・戸草。とある秘密を共有する二人は、協力して怪奇事件の捜査を行っていた。幻の人影が自殺を繰り返すビル、人の心を奪う漫画……。次々と起こる怪奇事件を追う二人の行く末は果たして――!?　怪異事件をめぐる骨太ダークサスペンスホラー×バディ小説！

子どもの頃、村で一番の名家・北見家の娘である響希と、幼馴染の一馬は、密かに隠されていた“髑髏(どくろ)”を持って不気味な蔵へ忍び込んだ。数週間に一度、その中では何か儀式が行われており、響希は蔵に近づいてはならないと厳命されていたが、好奇心に勝てなかったのだ。そこで恐るべき怪異に巻き込まれてから17年、それぞれ警察官となった二人の身辺で惨殺事件が続く。果たして、事件はあの“髑髏”の仕業なのか――？　特異未解決捜査班が挑むホラーミステリー。

八野坂町で暮らす高校生の新條涼佑は、町が大型の台風に見舞われた翌日から亡霊に付き纏われるようになる。精神的に追い詰められた涼佑は、台風が町を襲う前日に行われた祖母の葬式にも来てくれていた、オカルト好きだという隣のクラスの女生徒・青谷真奈美に頼ることにする。そこで幽霊の巫女が助けてくれるという儀式を教わった涼佑だが、儀式を行った日を境に、彼女と怪異の戦いに巻き込まれていき――。幽霊巫女と相棒による妖退治譚、開幕！

売れないピン芸人・ボッチーこと狩島英司は、“恐怖の現場”という心霊番組への出演が決まり、霊感ナンバーワン女優の堀垣渚、怪談界の重鎮である稲山潤一との三人で心霊スポットを回ることになった。どうせやらせだろうと思っていたが、心霊検証のロケで入ったトンネルで、渚が「あそこにいます」と言ったかと思えば、なんと霊に取り憑かれてしまう。数々の怪現象に恐怖で何も言えなくなってしまう英司。だが本当の恐怖は、帰宅後に訪れた――。心霊怪異譚。

ノアは5歳の時、自分が前世で大好きだったホラー映画のファイナルガールに転生したと気が付いた。かつて熱烈に恋をしたキャラクターである殺人鬼・ジャックを救いたかった彼女だが、ジャックはファイナルガールであるノアに殺されたがっている。それを解釈違いと拒絶するノアはある“呪い”の存在を知り、ジャックを連れて村から逃げ出すが――。殺人鬼を生かしたい転生ファイナルガールと、彼女に殺されたい殺人鬼による異色のラブコメホラー！

古くから続く祓い屋の跡取り娘である高校2年生・灰塚望桃は、家業を継ぐため日々地元で起こる怪異依頼を捌いていた。その美貌とクールな性格から若干遠巻きにされる彼女だが、想い人であり人ならざるものが“視える”大林賢治と、通信制高校に通う瀬田祐奈の幼馴染二人には、気兼ねなく接していた。ある日、祐奈から近くの廃屋で気になる噂があると相談され、二つ返事で依頼を受ける望桃。だが向かった場所は、噂以上におびただしい怨霊の住処になっていた――。恋愛&心霊ドラマ。

付き合って1年経つ恋人の唯から、夏休みを目前に控えた7月初旬に別れを告げられた幸太。茫然自失となりベンチで項垂れていると、近くのベンチに座っていた女性から「君、大丈夫？」と声をかけられた。容姿端麗という言葉がぴったりなその女性・鬼龍叶に、幸太は思わず見惚れてしまう。後に海で叶と再会した幸太は、どこか謎めいたところがある彼女に徐々に惹かれていくのだが――？　若い男女が織り成す恋愛ホラーミステリー！

友人の湊から突然送られてきた荷物。凛太が弟の楓太と一緒に箱を開けると、中には「凛太、すまん」と書かれたメモと、古臭いおかめの“面”が入っていた。それ以来、楓太の目には何かが映るようになり、見る見るうちに憔悴してゆく。不安に襲われた二人が湊の家を訪れると、湊は変わり果てた姿で、面を着けたまま亡くなってしまう。その面は、触った5日後に死んでしまうという恐ろしい呪物だった。凛太は呪いにかかった弟を助けるために奔走するが……。呪物ホラー。

乃々花の大事な従姉妹・美南海が死んだ。暴行の形跡はないのに、路上で大量の血にまみれるという奇怪な死に様に、新聞部所属の美南海が“学校の七不思議”を調べた呪いだという噂が流れる。2年後、乃々花は美南海と同じ高校に入学し、七不思議を調べることに。増える階段、鳴るピアノ、異次元に繋がる大鏡、トイレの花子さん、独りでに跳ねるボール、カミカイさん。七不思議を解くと本当に呪われるのか。調査の先に待っているのは……？　オカルト学園ホラー。

高校時代の悪友・辰郎に誘われて空き巣に入った良秀。現場に指定された女性のアパートで見つけたのは、真っ白なラグビーボールほどの奇妙な卵だった。辰郎に命令された良秀は渋々それを自分の部屋に持ち帰ったが、得体の知れない卵を気持ち悪く思い、ベランダに放置する。そして数日後、ベランダには虫の残骸が散乱していた。次の日には鳥の羽と血の跡、さらに次の日には大きな血溜まり。一体、卵から“何”が生まれたのか――。悪意と心の闇が浸透するスリリングホラー。

代々蛇が憑いている家系に生まれた阿志賀結は、生来より右目に子蛇を宿している。母から貰ったお守りのおかげで何事もなく暮らせていたが、20歳の誕生日を迎えると同時に右目に違和感を覚え、子蛇の眼が結に黒い靄を見せるようになる。訳も分からない結に、母は黒い靄の正体は幽霊や妖怪、祟りの総称である“闇”だと説明した。結は母から、自分が触れたモノが邪な闇であれば、躊躇わずに喰らいなさいと助言を受け――。子蛇を宿す女性の怪異譚。

「うちの家には座敷わらしがいます！」と自己紹介時に宣言し、一躍時の人になった中学生の三科優斗。曰く、座敷わらしのご加護で莫大な財産があり、男系血族全員が同じ敷地内で働かずに暮らしているという。優斗の親友で学生作家を志す陸は、座敷わらしの話に好奇心を刺激されていたところ、夏休みに2週間ほど三島の本宅に来ないかと誘われる。しかしそこで目にしたのはギスギスした人間関係と、山に不法投棄されていた、刻銘のない墓石だった――。因習に支配された家系ホラー！

孤児として物心ついた頃から施設にいた秋津英は、12歳で異母兄である花房崇継に引き取られ、崇継と崇継の個人秘書・虹川と三人一緒に暮らすことになった。それからは夢見た家族そのものの幸せな生活を送っていた英。だがある日、顔も知らない父親の危篤を知らされ、家系にまつわる“忌ごと”を崇継が継ぐと聞かされる。英は崇継と虹川と共に花房本家に向かうが、そこである“儀式”が行われ――。怨嗟が絡んだ怪異譚。