津蔵坂あけび

善意の牢獄

兄の一人称で語られながら、そのどこか家族を一人の「個」を持った人間として扱いきれていない歪さが、心の根っこにあるのが感じられました。 ともすれば、ここで描かれている家族は、「個」を省く・蔑ろにすること
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一周目、違和感を感じながら読み、膨らみ続けるそれが、最後のページではじけ飛ぶ。二周目、もう一度冒頭から読むときに正体がわかる。 鮮やかな叙述トリックに忍ばせた、愛憎。 潔い彼女のカモフラージュが招くの
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津蔵坂あけび
水場に霊は出やすいと言いますが、それと湿気を結びつけるのが面白かったです。 じとじととした恐怖描写なのに、除湿機のスイッチを狼狽しながら何度も押すシーンはどこかシュールでした。面白かったです。
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津蔵坂あけび
モノクロに彩られた殺伐とした世界の中で、青い花だけが光るような、幻想的でどこか危なっかしい美しさを宿した物語。。 主人公とユリナの束の間の会話が美しく、それに添えられた耽美的な結末。 退廃的な物語では
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津蔵坂あけび
同窓会の風景から、転調。 なのに、いっさいの整合性の乱れを生じさせず、震え上がりました。 結末は誰にも予想させず、幕が乱暴に下ろされたかのような幕引き。私はこれが最良だと思いました。 しっかりと読者
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津蔵坂あけび
ツボです。 まず純朴で人並みにスケベな青年の一人称で描かれるというのがすごくいい。青臭い匂いが文体からぷんぷん匂い立ちます。 途中出て来た、スケベな雨と言うのがじぃ、つぅ、にぃ素晴らしい。 プラトニ
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津蔵坂あけび
ホラーとミステリーの狭間にあるような、そんな作品でした。 恐怖と同時にどこか耽美的な雰囲気を醸し出すのは、凄惨さとともに美しい描写のなせる技と思います。 最初、夢の中だけで終わるお話だと思っていたので
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作品自体がスピーチの文面でしたか。 非常にリアルで、最後の一言で全てが腑に落ちて、同時に心が温かくなりました。 緊迫ある状況と、全ての経緯が分かって、新しい命の誕生を喜ぶ。 いろいろな意味でドラマチッ
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津蔵坂あけび
可愛らしくて甘酸っぱいお話をありがとうございます。 何度もニマニマしながら、読み進めました。 ユウキくん、この年頃だと、男の子の方が子供っぽいはずなのに、とってもおませさんで素敵な男の子でした。 これ
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何と言えばよろしいのか、と言葉に惑いながらも。本当に素晴らしい作品に出合えたと、喜びを心から。 男の独白と、愛され/裏切られた女の独白。 それぞれの章の名は、逢魔が時を除いて、女性の名前。 男は傍から
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津蔵坂あけび
うん、ミステリー要素はゼロでした(笑)。 家族愛がほっこりと描かれた傑作ですねえ。 息子さん、口数は少なくなりましたが、直(すなお)という名前通りの正義感を持った子でしたね。お父さんによく似たのかな。
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ああ、純愛だなあ、としみじみと、心に沁みる作品でした。 儚い少年に寄せられた、彼女のひたむきな想い文面からひしひしと伝わってきて。 残酷にも平等に流れゆく時間の重み。 彼にとってのそれを知ってから芽吹
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(応援) 再読いたしました。台詞の裏に隠された念密な現実の構築が、作品の中で起こっている出来事のリアリティを凄まじいものにしています。 クリスマスも外貨為替市場に費やす彼は、家庭も顧みず、没頭した果て
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津蔵坂あけび
自分の方が一緒にいたのに、と捻くれる主人公。 それに対する母親の冷たいけれど、的確な比喩が刺さりました。 そして、そこから結婚式が進行するにしたがって変わり始める主人公の感情、 鮮やかだけど、同時にど
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温かい気持ちになるとともに、じんわりと心に沁みるようで、同時にちくちくと刺さるようでもありました。 ここで扱われている、あたりまえ、は広い意味だと思いますが。 私には特に、水道などのインフラのことのよ
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津蔵坂あけび
素晴らしかったです。 私は、アイヌの信仰を詳しく知っているわけではありません。 ですが、この作品は、たしかな説得力を持って、信心深いアイヌの男性の人物像を語っています。そして同時に、娘を奪った熊に対す
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津蔵坂あけび
夫婦のぶっきらぼうなやり取りが、モノローグで綴られた心の温かくなるお話しでした。 頭の中でそれぞれの手紙の用な文章をつなげていくのは、どこか、書簡体のようで味わい深くございました。 お祭りで、子供を助
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津蔵坂あけび
拝読いたしました。 最初は、ホラーだと思っていましたが。心が温かくなる物語でした。 印象的なのは、最後のピアノのシーン。 それまでも、ピアノの音色が綺麗に地の文で表現されておりましたが。 最後の童歌を
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津蔵坂あけび
かっ飛ばしのトンデモ歴史もの、まさに妄想。 月刊ムーが学術雑誌に昇格するのは、爆笑でした(笑)。 数々のオカルト事件のパロディが出て来た後に、来るぞ来るぞとなっていたところで来たので、もう最高でした(
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こちらの作品は、正統派のゴシップミステリである。 冒頭で、女性の死が明かされ、その後は彼女の婚約者である男性に視点が置かれて進んでいく。この男性というのが、非常に意味で没個性、どこにでもいそうな純朴な
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再読いたしました。 台詞の間に見える息遣い。 追いつめられていく榎戸の焦りはもちろん。とくに良かったのは、長田青年の表情です。 犯人が追い詰められていく、という書き方でありながら、しっかりと追いつめる
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人情噺、堪能させていただきました。 おきくの秘めたる想いがつらつらと述べられるシーンは、感極まりました。 歪んだ馴れ初めの夫婦でしたが、これからゆっくりと真っ当な夫婦として、そして家族となればと思いま
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法律に関して非常によく調べられたのだと思います。これは難しい問題です。 三原も決して、悪いわけではないのです。打算的でドライなだけなので。 このような人と高柳さんの思いがぶつかることで、優しく、希望の
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ブレーキが壊れた関係は、どろりどろりと、しっとりと。 切なく狂おしく、どうしようもない感情の沸き起こる、捻じれた愛の物語。 ふたりの愛を語るはずの交わりが、どこか精神を安定させるためのドラッグのように
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拝読しました。 途中、ものすごい比喩が出てきて、くすくすと笑ってしまいました。 SFというより、少し不思議。といったところでしょうか。 占いというのは運命のようなもので避けることのできないものとも考え
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優しいお話でした。 幸子には、教養と、心眼のようなものがあったと思われますが、どこか、一郎さんが守ってくれたのだなあという温かみを感じました。 自身の意思を持ってしっかり生きる幸子の芯の強さに、 一郎
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仙台、熊本。どちらも忘れてはならない、平成の出来事でした。 仙台で経験をしたからこそ、熊本に出向いた彼。 復興支援では、現地に訪ねてお金を使ってもらうこと、これが一番うれしいことだと言いますね。 そう
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津蔵坂あけび
地下の閉塞感。饐えた匂い。それが文面から香ってくるようでした。 いもうとの正体。 それは孤独と閉塞に苛まれ続けた、主人公が生み出したもの。 人形はその依り代。 この真実が、主人公の置かれた救いようのな
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再読いたしました。 ひとつのお話の中にいろいろな側面がございまして、ふるい絵巻を見たかのような感覚です。花魁が妾となったことへの確執が、母の瞳にあらわれていたところが静かなものを想像させるようで良かっ
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津蔵坂あけび
ものすごく面白かったです。 SFとされていますが、幻想的で神話的にも感じました。また、作品の中でしっかりとした歴史背景と地に足のついた世界が感じられ、物語の中にすうっと入っていきました。 また、扱われ
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