坂梨渚沙は、祖母の後継者として大阪市南部のあびこで『たこ焼き屋さかなし』を営んでいる。辛辣な大阪のおばちゃんにも認められ、祖母の味を引き継ぎながら奮闘していた。そんな渚沙にはカピバラのあやかし・竹子という同居人がいた。天寿を迎えるも死にたくないと強く願った竹子は、あやかしであるカピ又となったのだ。渚沙は竹子をさかなしに迎え、閉店後は妖怪の溜まり場、駆け込み寺のような場所として提供する。しんみり美味しいヒューマンドラマ。

3年前、子爵令嬢のノエル・シュガレットは、いわゆる悪役令嬢に濡れ衣を着せられ、貴族社会から追い出されてしまう。落ち込んでいたノエルだが、お茶会に滅多に見ることのできないはずの妖精が大量に隠れている所を見つける。妖精が美味しそうにお菓子を頬張る姿をみて、みんなが喜ぶお菓子を作りたいと思うようになった彼女は、会いにいける妖精をコンセプトとした『妖精のお菓子屋さん』を開店させて――。婚約破棄からはじまる妖精お菓子ライフ！

陸軍に身を置き、戦場では“鬼の軍隊長”と恐れられるアルベルトにも、太刀打ちできない人がいた。その人こそ、いつも顔に柔和な笑みをたたえた花屋の街娘・メリア。アルベルトはメリアに片思い中だったのだ。二人の出会いは、酒場に花を届けに来たメリアが酔っぱらいに絡まれたところを、アルベルトが助けたことがきっかけだった。鬼の軍隊長と呼ばれる自分を恐れないメリアに、アルベルトは惹かれていき――。ゆっくりと距離が縮まるラブファンタジー。

『喫茶ひなた』の常連だった結が3ヶ月ぶりに店を訪れると、待っていたのは店を一人で切り盛りしている啓介と、彼の親友・光司の妹で啓介に恋心を抱いている女子高生・香乃だった。成り行きで彼らと花見に行くことになった結は、身のうちに秘めた想いを話り、聞きながら打ち解けていく。彼らの心を温めてくれるのは、いつも変わらずぶれることのない啓介であり、また彼の入れるコーヒーと美味しいものを食べる時間であった――。優しい恋愛物語。

無責任な飼い主に捨てられてしまった名無しウサギは、落雷に巻き込まれて命を落とす。異世界を管理する神の手により、最期のとき傍にいた、呪いで犬の姿に変えられていた神狼・フェンリルと共に、ウサギは眷属の神獣として転生することになった。そしてラヴィーネという名と、“言語翻訳”“亜空間の箱庭”“万能辞書”という3つのスキル、そして規格外の魔力を授かり、各地に封印された神獣達を解き放つため動き出す――。もふもふ救済ファンタジー！

会社員のマキは一人暮らしをしている部屋で、鳥のぬいぐるみが喋り始めたことに気付く。どこで買ったかも覚えていない、ちょっと間抜けな顔をした片手サイズの白い鳥のぬいぐるみ。それを「とり」と呼び愉快に暮らしていると、今度はとりより一回り小さい猫のぬいぐるみが動き出した。飛ぶ練習をしたり、新聞を読んでみたり、迷子の靴下やピアスをお預かりしたり、今日も2体のぬいぐるみはゆるゆるだらだらと過ごす――。ふわもこヒューマンドラマ。

とある月の細い夏の夜、夏期講習を終えた中学生の桃尻東矢は、アイスを片手に自転車を押していた。鈴のような音が聞こえた気がして辺りを見渡し、気がつくと目の前に神秘的な子どもがいた。「それ、頂戴」と子どもが東矢の腕を伝ったアイスを舐めると、喜んだ彼の頭にはふさふさな獣耳が。狐神と狼神の間に生まれ、守り人の血を引いた子――白夜は、東矢のある行動を求愛とみなし、伴侶の簡易契約を結んで……!?　もふもふっ子の和風BLファンタジー。

魔法溢れる不思議な雪国であるハルタ王国には、国立アテナ魔法学園という国内最大級の魔法学校がある。超名門校であるアテナ魔法学園に入学するには、基本的には受験を通らなければいけないが、稀に類まれなる才能を有しているものの、その能力を上手く使えない生徒への“スカウト”が行われている。日本で育ち、母親を庇って人狼となった元高校生、現幼児の少女はある日、アテネ魔法学園にスカウトしたいと声を掛けられ――。もふもふ魔法ファンタジー。

家が貧しく学校に通うお金がない18歳の少女サーシャは、王国の中でも随一の歴史と規模を誇る名門・リーテ王立魔法学校で、売店唯一の店員兼店長をしていた。貴族の子息子女が多く通う王立魔法学校で学ぶことはできなくても、せめて学校の雰囲気を味わいたいという理由で仕事に応募したサーシャだったが、とある出来事がきっかけで彼女の隠れた才能が発覚する。その結果、サーシャの日常が変わっていくことになり――。ひたむきに頑張る少女の、ほのぼの学園ファンタジー。

野中誠は、体が弱い妻・裕子のため彼女の出身である横倉村に引っ越してきた。田舎の生活は苦難の日々もあったが、朗らかな性格で村に溶け込み、中学教師として働いている。ある日、学校の施錠を終えた誠が廊下をひとり歩いていると、鍵をかけたはずの部屋の窓際で不思議な少女・ましろを見つける。その少女の背には大きな白銀の翼が生えていた。自らを天使だと称するましろは、「みんなを幸せにしたい」と言って……。誰かを想う純粋な心が紡ぐ、幻想物語。

幼い頃に母を亡くしたレーアは、薬草屋の父と共に山奥の村で暮らしていた。しかし人間のいる場所には寄り付かないと言われていたはずの魔法生物が村を襲い、その村に最後までいた父が亡くなってしまう。父は故郷の村に戻ってくる前は魔法省で働いており、不思議な縁からレーアも魔法省で働くことになった。そうした日々の中で魔法使いや都の人間との交流を重ねるうちに、レーアは自分の可能性に気付き始め――。魔法ファンタジー。

滅亡した地球“人類”の生き残りである少年・ミヨは、転生先の異世界でヒッチハイクの旅をしていた。年齢不詳の幼女ながら言葉も知恵も老獪な羽なし妖精族・キュンを相棒に、様々な街や国を巡っている。ドラゴンや魔女が空を飛び魔物が闊歩する危険な世界であっても、ミヨは持ち前のコミュ力と笑顔で搭乗者を探すのだ。あらゆる望みが叶い、失ったものを取り戻せるという東の果ての『最果ての塔』を目指して――。ロードムービー風の異世界紀行譚！

過労の為に命を落とした作家は、異世界にエルフとして転生する。アーサーと名付けられた彼が生をうけて3年、初めて自分のステータスが書かれた画面を目にすると、清々しいほどのチート盛り合わせだった。その力が「いろんな世界を見てみたい」という、前世からの願いを叶える可能性を持っていることに気が付いたアーサーは、旅に出るべく様々な研鑽を積む。そして20歳になった彼は、ようやく旅に出る許可を得るのだった――。チート時々ポンコツな転生エルフの、ほのぼの旅路×BL譚！