二十枚分の愛を、

毎年冬に、父からの手紙がうちに届く。

如月雫

10分 (5,436文字)
夏目さん主催の冬ものがたり、妄想コンテスト『この仕事を始めた理由』参加作品です。

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あらすじ

貴方は、【手紙代筆】という仕事を知っていますか? その名の通り、手紙を書きたい人の代わりに、気持ちを手紙に込めて伝えるお仕事です。五年前の私では考えもしなかったお仕事ですが、今の私にとっては、とて

感想・レビュー 6

月への愛は嘘で綴る

 美月。思わず息を呑みました。もしかしたら、お父さまから授かったその名前は、月が綺麗ですね、に続く愛の贈り物なのではないか、と。  年を重ねていくごとに、夢が歪み、壊れていく。誰しも経験したことがある
ネタバレあり

結末がわかっても読み進めずにはおれない。

拝読いたしましたm(__)m ここからどんな物語になるんだろう?と思いながら、2ページ目を開きました。どうして宛名がそうなんだろうという小さな疑問はあったものの、不器用な父が娘を想う気持ちが伝わり、ほ
ネタバレあり

父も、母も

親から子へ注がれる愛の、あるひとつの形。「手紙」という手段を通して、その裏の真実に、二十年の時を経て触れるヒューマンドラマ。 私自身の出自や環境も理由ではありますが、読んで30分程涙が止まりませんで
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