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次に読みたいファンタジーコンテスト「世界」

選考結果発表
講評者の三村美衣氏からのコメント ===== 世界設定は小説に不可欠だが、特に架空の要素が大きいファンタジーでは、物語の魅力を大きく左右する。人のドラマではなく、世界そのものを描くことが可能なのもファンタジーやSFならではだろう。入選に選んだ三作『屋根族~頭上で生きる民~』、『アルキナティアの禁忌』、『白亜の下で』は、結果としてだが、いずれも世界への信頼が揺らぐ物語だ。先行作品からの影響はあるが、そこから得たイマジネーションを独自の物語に昇華させている。『屋根族~頭上で生きる民~』、佳作の『風砂のセトカ』、『「磨爪師」~爪紅~』、『狼男と小さな聖職者』は現在連載中。今後の展開に期待したい。また、セレクトには至らなかったが、樹里『象牙の腕輪』 が、20世紀のフィリッピンを生き99才で死亡した華僑の女性の生涯を描いた作品でたいへん面白かった。フィリッピン版『百年の孤独』と言えればよかったのだが、幻想味はほとんどないので選外となった。  最後に「世界」をテーマにした名作を紹介しておこう。マーヴィン・ピーク『ゴーメンガースト』(創元推理文庫)は、迷宮のようなゴーメンガースト城を舞台に、七十七代城主タイタスの生涯を描く。第一巻ではタイタスはまだ赤ん坊で物語に動きはないが、城と奇妙な住人の描写だけで圧倒される。超弩級の奇書。ぜひご一読を。 ===== 受賞作品への選評や見どころを一部掲載! また、エブリスタのメディアmonokakiにて、講評者の三村美衣氏よる創作ハウツー「新しいファンタジーの教科書」を連載中です! 第1回「世界を創るには、モデルとなる国・時代を決める」も、ぜひ読んでみてください。 ※選評は登録されたメールアドレスへ近日中にお送りします。 ※SNSアカウントで会員登録されている場合、エブリスタトップページ上部「現在、このアカウントは仮登録の状態です。本登録はこちら」より、メールアドレスの設定をお願い致します。
大賞
屋根神を奉じ、地上に足をつくことなく、樹上や屋根の上で生活する狩猟採集民族の屋根族。現代日本の社会にありながら、この国の法律とはまったく異なるルールで生きる少数民族の少年を主人公に、彼が信じてきた神や世界が揺らいで行く様子が描かれる。屋根族というアイデアそのものはクリストファー・ファウラー『ルーフワールド』を想起させるが、そこに現代の日本、民俗学的な解釈や歴史を絡ませたところが上手い。
準大賞
碧色の海のなかに浮かぶ双子島。一方には人家が並び、もうひとつには寂れた祠がある。晩秋の大潮の夜、波間に2つの島をつなぐ細い道が顔を出す。島の子供は15歳を迎える年に、ひとりでこの小道を渡り、祠を訪ねる。15歳になったアレンはこの儀式で、大人たちがひた隠しにしてきた村の真実を知るのだった……。島ではじまり、島で終わるコンパクトな物語だが、敢えて描かれてはいない旅の部分を読者に想像させる。2人が島の外で歩んだ道程が見えるような結末が感動的だ。
入賞
地底湖の上に形成された砂漠のオアシス。街には様々なが風車がまわり、地底湖から水を汲み上げていた。大きさを競うように作られた巨大風車はどんな強風にも微動だにせず、高さを誇る風車はと高所に僅かな水を運ぶためだけにカラカラとまわり続ける。形骸化したオアシスの地底で湖の水は枯れ、都市は崩落の危機に瀕していた……。都市からの脱出と新たな時代の始まり、人間の愚かさやたくましさが、地底湖に棲む〈ヌシ〉という存在によって浮き彫りにされる。イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』のイザウラのエピソードを元に、イマジネーションを膨らましてひとつの物語へと昇華させた短編。ユーモアを含んだ筆と描写が素晴らしい。
佳作
聖都アッセンシアは隣国の侵攻によって一夜で陥落し、教皇をはじめとする聖職者は虐殺された。難を逃れ生き残ったのはたった2人、若い修道士ラウラと、教皇の娘のミラだけだ。戒律を破るような行いをすると狼に変身してしまう修道士と、黒魔術に染まってしまった聖女様の旅を描いた異世界ファンタジー。
平安時代。母親と共に、一条天皇の中宮・藤原定子に使えた、磨爪師(ネイリスト)の少女を主人公に、清少納言『枕草紙』の世界を語り直していく。磨爪術の薀蓄も面白い。定子の出家やなど事件の続くこの先が楽しみだ。
魔女によって、記憶が消えていく呪いをかけられたスーリヤ。魔女は、王子の殺害と交換に呪いを解くと約束し、一本の短剣を渡した。なぜ魔女とそんな契約をしなけばならなかったのか、自分が誰なのかもわからないまま、彼女は王都へと向かうのだが……。ヒロインはなぜ魔女と取引をしなければならなかったのか、魔女はなぜ彼女に王子を殺害させようとするのか。ヒロインの記憶が消えていくという設定が、物語にもどかしさや緊張感をうみ、読者を物語にひきこむ。
大国に挟まれた中立交易都市アークリス。この街で開かれるチェス大会の勝者には、名誉と賞金が与えられるため、周辺の国々からも名だたる指し手が集まる。3人の天才が盤上でしのぎを削るなか、アークリスにはその中立性を脅かす不穏な空気が流れはじめていた……。まだ物語の冒頭でどう転がるのかわからないながら、チェスを通しての人物紹介がたくみで、盤上と彼らをとりまく情勢、2つの世界が交錯する先の展開を期待させる。
募集概要
ファンタジー書評家「三村美衣氏」&物書きのためのメディア「monokaki」とコラボしてお送りする 「次に読みたいファンタジーコンテスト」 面白いファンタジーとは何かを探求しつつ、新しいファンタジー作品をどんどん発掘していきます! 【募集テーマ】 第二回目のテーマは「世界」です。 世界観に力を入れている、またはユニークな世界を描いたファンタジー作品を募集します。どのような時代設定のファンタジー小説でも応募可能です。 ページをめくる手が止まらなくなるような、ワクワクするファンタジー小説をお待ちしています。 また、あわせてエブリスタのメディアmonokakiにて、三村さんによる創作ハウツー「新しいファンタジーの教科書」を連載開始! 「世界観設定ってどうやったらいいの?」「資料は何を当たればいいの?」といった、具体的なお悩みに答えます。 第1回は「世界を創るには、モデルとなる国・時代を決める」です。 めざせ、テンプレ脱出!ぜひこちらも参考にしてください。
講評者プロフィール
三村美衣 ファンタジー、SF、ライトノベルの書評家として、長年の経験を持ち、数々のファンタジー・SFの小説賞の審査員を歴任。 現在も、創元ファンタジイ新人賞の最終選考を務める。 第一線で活躍する中で、次世代のファンタジー作品の誕生を待ちわびている。 著書『ライトノベル☆めった斬り』(太田書房/共著)、『SFベスト201』(新書館/共著)など。 2018年10月より、monokakiにて、ファンタジー小説の具体的な書き方を指南する「新しいファンタジーの教科書」を連載。
スケジュール
・募集期間: 2018年10月9日(火)17:00:00 ~ 2018年12月9日(日)23: 59: 59 ・最終結果発表: 2019年2月上旬予定
大賞 1作品 ・賞金5万円 ・三村美衣氏からの選評 準大賞 1作品 ・賞金3万円 ・三村美衣氏からの選評 入賞 1作品 ・賞金2万円 ・三村美衣氏からの選評 佳作数作品 ・三村美衣氏からの選評 ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタ公式SNS等で配信、紹介等される可能性があります。
応募要項
・文字数は5,000文字以上 ・連載中の作品も応募OK! ・すでに完結している作品 並びにエブリスタ内の公式イベント及び他サービス等の投稿イベントで落選した作品を、募集内容に沿うように再構成してご応募いただくことも可能です。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。

コンテストの注意事項(必読)