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次に読みたいファンタジーコンテスト「魔法」

選考結果発表

講評者の三村美衣氏からのコメント ===== 今回のテーマは、ファンタジーにつきものといっても良い「魔法」だ。小説やマンガやゲームの世界では、魔法や魔法使いはもはや説明は不要の存在だが、しかし原点に立ち返り「魔法」っていったい何なのだろう、魔法使いってどういう存在なんだろうというところから考え起こせば、まだまだ新しい魔法や、新しい物語を生み出すことも出来る。 エントリー作で目立ったのは、魔術や魔法が使えない、というところから語り起こされる作品だった。魔法が大好きで魔法使いになりたいのに使えなかったり、魔法使いの名門に生まれながら魔力を持たなかったり、魔力を奪われてしまったり。当たり前にあるはずのものが存在しないことから、逆に見えてくるものがある。大賞に選んだ漆宮玄行さんの『その肉は、ワイバーンでございます』は、魔力がないがために魔法使いを縛る軛から逃れたヒロインが、自由な視点から魔法と真摯に向き合う過程が描かれていて、魔法の面白さを存分に味わえる作品に仕上がっている。ぜひお読みいただきたい。 ===== 受賞作品への選評や見どころを一部掲載! また、エブリスタのメディアmonokakiにて、講評者の三村美衣氏よる創作ハウツー「新しいファンタジーの教科書」を連載中です! 第3回「物語に深みを与える、魔法の過去・現在・未来」も、ぜひ読んでみてください。 ※選評は登録されたメールアドレスへ近日中にお送りします。 ※SNSアカウントで会員登録されている場合、エブリスタトップページ上部「現在、このアカウントは仮登録の状態です。本登録はこちら」より、メールアドレスの設定をお願い致します。

大賞

王都を3000頭のワイバーンが取り囲む。建国以来の危機に知識や力を結集し立ち向かおうとする中、魔術師の名門に生まれた型破りの才能を持つ姉弟の二卵性双子が、国を襲う未曾有の危機に立ち向かう。魔力がないがために既成概念にとらわれることなく術式を組み立てる姉、凄まじい才能と天性の勘でとてつもない術を発動する弟が、新しい魔術の時代へと踏み出していく。情報量も登場人物も多く、わかりやすいとは言えないが、魔術考察と発動の描写がとにかく面白く、物語に引き込まれる。背後にはさらに大きな謎が控えているようで、今後の展開も楽しみだ。

準大賞

異世界に飛ばされてしまったヒロインが、村の人々と協力してゴブリンと戦う。という展開は目新しくないが、ヒロインが元いた世界が魔法の存在するもうひとつの日本で、彼女はおちこぼれの「魔法少女」だったという捻りが読みどころ。何があってこの世界に飛ばされてしまったのか、もとの世界では落ちこぼれだった彼女がなぜこちらでは優秀な魔法使いとなれたのか、などなど謎要素もてんこ盛り。迫真に満ちた戦闘描写も読み応えたっぷり。

入賞

魔術を使用するためにはまず、膨大な術法の知識を頭に詰め込まなければならない国で、魔術書を脳に記憶させる技術があみだされた。その被験者として若い騎士と7歳の少年が選ばれる。最初は順調に運んでいるように見えたが、やがて2人の成果に差が生まれはじめ……。希望や焦燥感など、危険を承知で被験者となった2人の心中を切々と描いた短編。

佳作

魔女のココラッテは、王の「契約魔女」の娘ながら、わずかな魔法の才しかなかった。それでも幼馴染の王子の「契約の魔女」になりたい彼女は、相手の傷を自分の身体に移す能力を、治癒魔法と偽り、王子の傷を引受け続けてきたのだが……。身分違いの相手を想う少女の一途な決意が胸に迫るラブストーリー。
「魔法使いになりたい」と語る少年に、親友が「そもそも魔法使いってなんだよ」と問いかける。天然と苦労性、男子高校生2人の軽妙な会話で、魔法とは何かを論じるディスカッション小説。語り部にもツッコミを入れ、語り部がそれにのるメタな構成も楽しい。
髪の毛に宿る精命(マナ)を使って〈影〉を操るアイラ。魔法を使うとはいっても、やることはバスの席取りなど雑用ばかり。ところがある日、影をクラスメートに見られてしまい……。影から香りがするというアイデアが面白い。生真面目な少年と、ツンデレ少女の出会い、身の回りで起きる事件に巻き込まれていく日常系ファンタジー。

募集概要

ファンタジー書評家「三村美衣氏」&物書きのためのメディア「monokaki」とコラボしてお送りする 「次に読みたいファンタジーコンテスト」 面白いファンタジーとは何かを探求しつつ、新しいファンタジー作品をどんどん発掘していきます! 【募集テーマ】 第四回目のテーマは「魔法」です。 ★拾った林檎を食べたら、魔法が使えるようになった!どうする? ★代々魔法使いの家系に生まれたが、私だけ魔法が使えなくて……。 ★魔王を倒すべく集まった仲間は、全員『MPのみ』ずば抜けている魔術師。この先の展開は? 魔法が出てくるファンタジ-作品を募集します。 ページをめくる手が止まらなくなるような、ワクワクするファンタジー小説をお待ちしています。 また、あわせてエブリスタのメディアmonokakiにて、三村さんによる創作ハウツー「新しいファンタジーの教科書」を連載中! 第3回は「物語に深みを与える、魔法の過去・現在・未来」です。 「魔法にリアリティを持たせるには?」「魔法の原理はどうする?」といった、具体的なお悩みに答えます。 めざせ、テンプレ脱出!ぜひこちらも参考にしてください。

講評者プロフィール

三村美衣 ファンタジー、SF、ライトノベルの書評家として、長年の経験を持ち、数々のファンタジー・SFの小説賞の審査員を歴任。 現在も、創元ファンタジイ新人賞の最終選考を務める。 第一線で活躍する中で、次世代のファンタジー作品の誕生を待ちわびている。 著書『ライトノベル☆めった斬り』(太田書房/共著)、『SFベスト201』(新書館/共著)など。 2018年10月より、monokakiにて、ファンタジー小説の具体的な書き方を指南する「新しいファンタジーの教科書」を連載。

スケジュール

・募集期間: 2018年12月3日(月)17:00:00 ~ 2019年2月3日(日)23: 59: 59 ・最終結果発表: 2019年4月上旬予定

大賞 1作品 ・賞金5万円 ・三村美衣氏からの選評 準大賞 1作品 ・賞金3万円 ・三村美衣氏からの選評 入賞 1作品 ・賞金2万円 ・三村美衣氏からの選評 佳作数作品 ・三村美衣氏からの選評 ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタ公式SNS等で配信、紹介等される可能性があります。

応募要項

・文字数は5,000文字以上 ・連載中の作品も応募OK! ・すでに完結している作品 並びにエブリスタ内の公式イベント及び他サービス等の投稿イベントで落選した作品を、募集内容に沿うように再構成してご応募いただくことも可能です。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。

コンテストの注意事項(必読)