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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第152回「結婚」
 多様性社会において、結婚に対する考え方も多種多様となった現代。それを象徴するように、書き手の多様な結婚感が反映されたお題だったように思います。  とはいえ、ひとつの分岐点であるという認識に変わりはないのでしょう。誰かの人生を垣間見れるような力作が多く、選考に難儀する回となりました。  とりわけ受賞作については結婚する当事者だけでなく、その周囲の人々の感情の動きまでもが丁寧に描かれていました。

大賞(賞金3万円+選評)

病気で娘を喪った主人公のもとへ、死んだはずの娘が見知らぬ男を連れて帰ってきて――? 娘の生き写しであるロボットを受け入れがたい母の気持ちが、繊細かつ迫真性を持って描かれています。タイトルにある「肉じゃがのうた」をきっかけに感情が溢れ出すラストシーンは、涙なしに読めませんでした。

準大賞(賞金2万円+選評)

ガールズバンドのメンバーとして活躍中の詩音と奏。カップルであることを公表している2人に、ある企画の話が持ち込まれ――。特別な悩みだと思っていたことが、実は当たり前のものだということを優しく教えられ、主人公と一緒に目から鱗が落ちました。繊細な問題を明るく前向きに描いた、勇気をもらえるような作品でした。

入賞(賞金1万円+選評)

「結婚なんてするんじゃなかった」と後悔する男の、半生の物語。不器用な男の淡々とした語りに、流れるように感情移入していました。だからこそ主人公が感情を爆発させるラストが際立ち、すべては深い愛情の裏返しなのだと、胸を締め付けるような強烈な余韻が残ります。

佳作

他愛もない日常会話のトーンでプロポーズしてきた彼だけど……? 心地良いテンポの会話とやわらかな空気感が2人の日常を感じさせ、ほっこりしました。しかし同時に、現実で結ばれることはないんだというせつなさが棘のように胸を刺します。ほのぼのなのに切ない、魅力的な物語でした。
幸せな結婚をするも、家族が増え、すれ違う夫婦。子ども達も自立し、2人穏やかな時間を過ごすはずが――。結婚式での夫の台詞に、何を忘れても妻を愛していたことだけは忘れないのだと、目頭が熱くなりました。ラスト3行にこの夫婦の在り方が詰まっていて、せつなくも幸せな気持ちにさせてくれます。
推しの結婚に凹む主人公に、同じゼミに所属する進藤くんが持ちかけた提案とは? アプローチの仕方が斬新で、うまいこと丸め込まれる主人公ににやにやさせられます。2人の関係がどんな風に変わっていくのかをわくわくしながら見守れる、さわやかな青春恋愛ストーリーでした。
亡くなった従兄弟の遺品にあった謎の指輪。葬儀の日、黒いドレスを着た女性が現れて……。葬儀場での結婚式という発想にインパクトがありました。早百合さんがどんな思いで葬儀に参加したのかと思うと、胸が締め付けられます。彼女の気高さと同時に、これからに想いを馳せるとやるせなく、愛とは何かを考えさせられました。
余命僅かな祖母のため、嘘の結婚式をしてほしいと彼に頼む主人公。しかしすげなく断られてしまい――。祖母を大切に想う主人公が健気で好感を持てますし、彼女もその家族も大事にしたい彼も男前です。幸せになってほしい!と応援したくなるカップルでした。

超短編賞

プロポーズされたら結婚しよう。そう思っていた主人公だが、いざ「結婚してくれ」と言われたその時……? 僅かな文字数の中で、4コマ漫画のように綺麗に起承転結がついています。オチで力が抜けて、思わず笑ってしまいました。

続きが読みたい賞

人とモノの結婚式を挙げられる場所、ボーダレスパーティー。ある日ぬいぐるみとすぐに結婚式を挙げたいと言う男性が現れて? インパクトがありつつも、現代的で実際にありそうな、読者の興味を惹きつける設定でした。他のヒトとモノに関するエピソードもぜひ読んでみたいです。
物語の完成度が高く、場面を想像しながら読み進めることができました。聡明なはずの令嬢が噂を頼りに、険しい山に住む魔女の元へ……という冒頭の掴みがよく、そこから登場する人々もみんな魅力的です。魔女ファリンの元を訪れる様々な人の物語を読んでみたいと思いました。

トンデモ賞

該当なし

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2021年6月9日(水) 12:00:00 ~ 2021年7月11日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2021年9月上旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第152弾です。 今回のテーマは、「結婚」です。 どこかに必ず「結婚」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・余命僅かな母を安心させる為、契約結婚した。利害関係しかないと思っていたけど……? ・幸せな結婚式……のはずが、誓いのキスの瞬間に新郎新婦それぞれの元恋人が乱入!? ・古い風習が残る隔絶された村。訪れた民俗学者は、死者の花婿に選ばれてしまい……。
結婚はゴールでありスタート。そこに至るまでにも結ばれた先にも、きっと多くの物語が詰まっているはず。 そんな「結婚」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規投稿された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他サービス等に応募中の作品はご応募いただけません。
注意事項
選評の送付や書籍化の打診は、エブリスタに登録されたメールアドレス宛にご連絡いたします。迷惑メール防止の為にドメイン指定受信の設定をされている場合、メールが正しく届かないことがございますので、「@estar.jp」を受信できるよう設定して下さい。

次回予告

次回、妄想コンテスト第153回のテーマは「おやすみ」です。 本コンテストと平行する形で2021年6月23日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第153回の応募期間内に新規投稿してください。応募期間前に投稿した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

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