コンテスト内容
このコンテストは受付を終了しました
佐崎らいむ
いみず
霧野一
環 花奈江(ちょりん改め)
みな(にゃもにん)
こうやらんぷ
恵比寿まさひろ(旧逢坂よしひろ)
山田 名草
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コンテストの注意事項(必読)
【講評】有栖川有栖
個性的な声にコンプレックスを抱いた少女が、ある人との出会いをきっかけに自分の道を見つける物語。すべてがスムーズには行かず、つっかえながら前に進む点にリアリティを感じます。〈52ヘルツのクジラ〉というキーワードがとても効いていて、はるか昔に思春期を過ぎた私も心に刻みました。南海電車で海辺に向かうくだり(しかも、主人公が成長する前と後との二回描かれる)も印象的で、それもこのコンテストが求めるものにぴったりです。いい小説を読ませていただきました。
【講評】今井雅子
声を発することに臆病な主人公と仲間に届かない52ヘルツで鳴くクジラというモチーフの組み合わせと、言葉のひとつひとつを丁寧に選んだ品のある文体があいまって、孤独な魂が静かに響き合うような独特の世界観を作り上げています。「南海」電鉄小説らしく、海を印象的に登場させ、クジラのイメージと結びつけたところにも、作者のセンスを感じます。映像化するならモノトーンも似合いそうだと想像しました。