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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第175回「ドキドキの理由」
 心の動きに踏み込むテーマということもあり、登場人物への感情移入や共感度が高い作品が集まったように思います。彼らの一喜一憂に楽しく、時にせつなく振り回してもらえました。  受賞作品についてはよりそれらが強く、読者を作品世界に引き込む力を持っていたように思います。読みながら一緒にドキドキ感を味わえる回となりました。

大賞(賞金3万円+選評)

母を亡くし父に売られ、遠縁の家で奴隷のような日々を送る主人公。同窓会で恩師と再会したことをきっかけに、ある決意を固める――。悲惨な人生を送ってきた主人公の、薄暗い感情からくる高揚感がひしひしと伝わってきます。恩師が考えていた道とは異なるであろう、獣道しか選べなかった彼女の心情を考えると、なんともやるせなく物悲しい気持ちになりました。

準大賞(賞金2万円+選評)

子と問題のある親を引き離す「家族新構成法」が施行された世界。法案成立後、初の対象者となったある家庭の様子が描かれます。子が親を“リセマラ”するというアイデアが現実感を伴っており、内容次第では悪法とも言えないかも……? と思わず考えさせられてしまいそうです。とはいえ作中での描かれ方やディストピア感には薄ら寒さと眩暈を覚えずにはいられません。

入賞(賞金1万円+選評)

高校最後の夏、ようやく掴んだサッカー部レギュラーの座を不慮の事故で失った主人公。自暴自棄になった彼と、彼の救いになった二人を巡る、さわやかな青春譚です。大きな挫折に苦しむ心理描写が上手く、相対的に彼の心に射した二筋の光明がまばゆく映りました。序盤のドキドキに実は二つの意味があったとわかる後半は、思わず顔がにやついてしまいます。

佳作

毎日の通学電車で見かける他校の女子に恋心を抱く主人公。ある日、彼女と会話する機会に恵まれて? ヒロインがとてもチャーミングです。彼女に惹かれ浮き沈みする主人公の心情に共感し、彼女の真意に思い悩みながら、一緒にやきもきしてしまいました。二度目の出会いを果たした2人のこれからに胸が高鳴ります。
自身の思い描く“恋愛のススメ”に沿って、先生に恋する主人公と、彼女を見守る幼馴染。失恋をきっかけに、2人の優しい距離感が少しだけ形を変える瞬間が鮮やかに切り取られており、読んでいるこちらもドキドキ、キュンキュンしました。ラストシーンには幸福感がぎゅっと詰まっており、読んでいて笑顔になれる、王道少女漫画のような甘酸っぱい青春恋愛ストーリーです。
謎の白い部屋に閉じ込められた生徒と教師。唯一存在するスイッチを押すと床に穴が開き、一人、また一人と消えていく――。設定はシンプルながら、登場人物たちの絶望感や追い詰められていく心理が緊迫感を持って描かれており、ハラハラドキドキしながら読み進められます。ラストで語られる真相はなんとも後味が悪く、心に鈍い痛みが残りました。
交通事故に遭い、意識不明となってしまった妻。その病室で主人公は義妹に請われ、彼女との出会いを語り始める。どんな形であれ、生涯互いを愛し続ける2人の姿がせつなく、読んでいて涙が滲みました。どこまでも純粋な愛はしかし、どこか呪縛めいてもおり、ぎゅっと胸を締め付けられます。幸せとは何かを深く考えさせられました。
クラスメイトが執筆するミステリ小説を目にした主人公はなりゆきから、リアリティを上げるため協力することになるが――? 非日常に魅了されていく少年たちの描写が危うげで見入ってしまいます。ラストで明かされる、クラスメイトが抱えた悪意と狂気が圧巻でした。綻びだらけで完璧ではないロジックや荒さは気になるものの、それも彼の狂気の現れと捉えれば、より恐ろしさが増すように感じました。

超短編賞

毎朝同じ電車で顔を合わせ、降車時に席を譲り合う女性。同盟のような関係が、ある日変化を迎えて……。暗黙の了解を共有した不思議な連帯関係が素敵です。関係を前に進めようと決意した主人公の、小さな勇気と独特のドキドキ感に共感できます。同時に、栞を残した彼女もドキドキしていたのかも……? と考えると、ほっこりしました。

続きが読みたい賞

該当なし

トンデモ賞

借金返済の為、“声を買い取る”と噂の店に赴く主人公。店主に惹かれた彼は、声を売った直後、その店でアルバイトを始めるが――。声を切り取るという不気味さに反し、店主や店の雰囲気から優しい温もりが感じられるのが好印象です。主人公が最後まで残した三音や、店主が残した言葉……せつなくもロマンチックなラストは2人のこれからを想像させてくれました。

優秀作品

SF 完結
14分 (7,983文字)

青春 完結
14分 (8,000文字)
スケジュール
・応募期間:2022年5月25日(水) 12:00:00 ~ 2022年6月26日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2022年8月中旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第175弾です。 今回のテーマは、「ドキドキの理由」です。 どこかに必ず「ドキドキの理由」のシチュエーションが登場する妄想を投稿してください。
・初めての彼女と家で勉強会。集中したいのに、二人きりだと思うと緊張して動悸が……。 ・突然知らない男に追いかけられ、公園のトイレに隠れた。心臓の音、静かにして……! ・妻のプリンを食べてしまった。気付いた妻から表情が消え、俺の鼓動は早鐘を打つ……。
緊張、興奮、恐怖……心臓がドキドキする理由は様々ですが、鼓動のリズムと共に感情も加速していく気がします。 そんな「ドキドキの理由」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等に応募中、または過去に受賞したことのある作品はご応募いただけません。
メールアドレスの受信設定について
選評の送付や書籍化の打診は、エブリスタに登録されたメールアドレス宛にご連絡いたします。迷惑メール防止の為にドメイン指定受信の設定をされている場合、メールが正しく届かないことがございますので、「@estar.jp」を受信できるよう設定して下さい。
応募の辞退について
応募期間中であれば、作品管理から応募の辞退が可能です。(操作手順はこちら) 締切後の応募辞退は原則として出来ませんので、ご応募の際はご注意ください。

次回予告

次回、妄想コンテスト第176回のテーマは「雨音」です。 本コンテストと平行する形で2022年6月8日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第176回の応募期間内に新規投稿してください。応募期間前に投稿した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト