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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第189回「○○になりたい」
 こうなりたい、という願いは程度の差はあれ、誰もが持つ普遍的な願望です。その多くは自身や現状をより良くしたい、という前向きな気持ちが根底にあり、そんな明るいパワーを感じる作品が多く目に留まりました。  しかし根底が前向きなものであっても、それを叶えようとする手段を誤れば、途端に迷惑な願いとなってしまう。そんな人間の業を感じさせる、“ヒトコワ”系ホラーも多かったように思います。  自分が変わることで、周りからの反応や関係値も変化していく……登場人物がその変化を恐れない力強さ、理由の強さ、想いの強さがそのままドラマとなり、物語としての面白さに直結していたのではないでしょうか。

大賞

流れ星に願いをこめる、3人の家族の物語。父と娘、それぞれの視点から語られる妻(そして母)の人となりと想いが、読み進めるうちにゆっくりと心に沁み渡りました。ラストシーンに思わず涙しそうになります。不器用で優しい人柄も、物語のキーである“流れ星の音”も素敵です。総合的にレベルの高い作品でした。

準大賞

両親の離婚をきっかけに、周りの目を気にして生きるようになった主人公。暗い日々を送る彼は、思い出の幼なじみに再会するのだが……? 感情描写、特に主人公の感情の移り変わりの描写が素晴らしいです。子供のころの思い出が一番美しい、という気持ちをあえて淡々とした口調で表現しているのがお見事。互いに思い描いたものとは違う道を歩みつつも、そっと思い合っていた二人がいじらしく、胸の奥が温まります。

入賞

とある歌手に心を焼かれ、その気持ちをそのまま本にした作家。世間の悪意に疲れ、歌うことを捨てようとしたシンガー。2人の想いが時を超えて交錯する……。執着とも呼べるような情念に突き動かされた物語で、まるで濃密なドラマを観たようでした。「五感の中で匂いを感じる嗅覚は、特に長く記憶に残る」を痛感するストーリーです。ラストも実に心憎く、二人の今後が気になります。

佳作

目覚めたら家の梁になっていた主人公は、操り人形の要領で自らの肉体を操り、なんとか出社させるのだが……。周囲からのパワハラで心を擦り減らす主人公の姿に、胸が苦しくなります。同時に我に返るきっかけもリアルでユーモラスで、思わずくすりと笑みがこぼれました。糸が切れていく描写で解放感を読者に共有してくれるのも気持ちいい。家の梁になっている、という設定が回収されるラストに感動しました。
ひょんなことから先輩と学校のロッカーをシェアすることになった主人公。言葉を交わすうち、少しずつその存在が大きくなっていって……。青春の要素がたくさん詰まった、きゅんとする恋の物語です。ロッカーデコ、青空を好きな理由、周囲から無謀と言われることに挑戦し続ける姿など、爽やかで可愛らしい要素が詰まっています。見ていてもどかしい二人の関係をずっと応援したくなりました。
仕事で行けなかったはずの同窓会に、なぜか出席していたことになっている。“もう一人の自分”の影に苛まれる主人公の運命は……? 暗闇の中を手探りするような恐怖がじわじわと迫ってきます。徐々に追い詰められ、長年付き合ってきた彼氏すら信じられなくなる主人公の描写も鬼気迫るものがありました。
想いを寄せる先輩は、どうやら年上好きらしい。なら先輩の先輩になればいい! 憧れの先輩の年上になるため飛び級試験に挑む、主人公の斜め上に真っすぐなところが可愛らしいです。主人公と先輩のコミカルな掛け合いが心地よく、二人のキャラクターを更に魅力的にしています。常に飄々としていた先輩の本当の気持ちが明かされるラストは必見です。

超短編賞

不思議な草原で、愛犬と会話をする主人公。死んでしまった一人と一匹は、来世も家族になろうと誓い合う――。少年と犬のほっこり温かな短編と思いきや、ラストにすべてがひっくり返るブラックコメディです。ラスト一行も決して多い文字数ではないのに、ぞわっと印象に残りました。
恋人からのプロポーズを受け、彼の故郷へ挨拶に向かう主人公。温かく迎え入れられたことに安堵するが――。中盤からジワリと染み入ってくる違和感が結実するラストシーン、その最後のセリフには眩暈すら覚えます。終始優しい雰囲気なのが更に恐怖を倍増させます。

続きが読みたい賞

該当なし

トンデモ賞

該当なし

優秀作品

恋愛 完結
9分 (5,110文字)

コメディ 完結
9分 (5,027文字)

ホラー 完結
13分 (7,520文字)

BL 完結
5分 (2,418文字)
スケジュール
・応募期間:2022年12月28日(水) 12:00:00 ~ 2023年1月29日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2023年3月下旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第189弾です。 今回のテーマは、「○○になりたい」です。 どこかに必ず「○○になりたい」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・「君のお嫁さんになりたい」と言った私に頷いてくれたあなたは今、別の女をお嫁さんにしている――。 ・「将来は猫になりたい」と言っていた息子が、本当に人を動物に変える薬を作ってしまった!? ・明暗の分かれた双子の兄弟。落ちぶれた兄は、成功した弟に成り代わる計画をたてる……。
夢や羨望、あるいは嫉妬……“何者かになりたい”という想いは、人の行動原理の根底にあるもの、なのかもしれません。 そんな「○○になりたい」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等に応募中、または過去に受賞したことのある作品はご応募いただけません。
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応募の辞退について
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次回予告

次回、妄想コンテスト第190回のテーマは「静けさの中で」です。 本コンテストと平行する形で2023年1月11日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第190回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト