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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第203回「おくすり」
 書き手の「こんな薬が現実にあったらいいな」という妄想を、存分に楽しめる楽しい回でした。薬の効果だけでなく、その副作用がどんな影響を及ぼすのかということが、作品のクオリティにもつながっていたように思います。  そういった副作用が悲劇的な展開につながる作品が多い中、良い意味でバカらしい効能によるコメディ作品も存在感がありました。作品の振れ幅が大きく、結果的に大喜利感が強めのお題だったかもしれません。

大賞

薬を飲むことで特殊な力を行使できるようになった子どもたち。彼らは大人たちの戦争の道具として扱われていく。薬と大人に支配されて壊れていく子どもたちのディストピア。しかし終盤にその絶望感を覆すことで子どもと大人の対立構造を明確にすることで、読後のカタルシスをもたらしています。テーマの使い方が秀逸でした。

準大賞

魔女狩りに追われていたところを助けてくれた青年に、ほのかな恋心を寄せる主人公。だが、彼にはすでに愛しの伴侶がいた。3人それぞれの気持ちが複雑に絡み合っていく。ラストにおける主人公の背徳感と幸福感の相反する気持ちは、どちらも強く読者に訴えてくるものがありました。短編としての完成度の高さを感じました。

入賞

病気がちなクラスメートの藤原くんにひそかに想いを寄せている主人公。バレンタインデーに思い切って気持ちを伝えるのだが……。恋愛のほろ苦さを繊細な心情描写や台詞選びでしっかり感情移入させてくれます。いつも穏やかな藤原くんが一度だけ魅せる感情の起伏が伏線として回収されるラストではほっこりとした気持ちになりました。

佳作

不死の薬の実験台になることで、巨万の富を約束された清掃員の主人公。しかし薬の効用は不死にはなるものの、老いを止めることはできず……。衰えた肉体でベッドから動くこともできなくなった主人公が、最後の最後に愛を知ることになります。優しい終わり方も印象的ですが、舞台設定などもほかの作品との差異がしっかり出ていました。
月の裏側にある月人たちの国。留学生として月を訪れた主人公のある行動に興味をもった第五皇子はなにかと主人公を構うようになっていく。純粋な2人の会話劇をベースに、SFとファンタジーをうまく掛け合わせた世界観にミステリ要素も盛り込まれ、引き込まれました。ラストの2人のやり取りは胸キュンたっぷりで、思わずにやにやしてしまいます。
鬼の世界で居場所を作れないテセは、ある日“人間になれる薬”の存在を知り、人間世界に希望を見出すのだが? 一度は自分の居場所を見つけたと思った優しい少年が、人の心に住む鬼を知り絶望に染まっていく様子が生々しく、心に重たくのしかかってきます。そしてその絶望がまた別の絶望に繋がっていく救いのなさは、後味が悪いものの、どうしようもなく心に残りました。
恋人に出ていかれてしまった主人公。彼に残されたのは彼女が飼っていたチワワのトリトンだけだった。彼女がいなくなった心の隙間、自分が面倒をみるしかないトリトンとの日常が切なくも温かく描かれていました。主人公の心情に寄り添いやすい丁寧な描写も素晴らしく、あたたかい気持ちになりました。

超短編賞

職場の先輩に恋する主人公は、思い切って彼女を食事に誘うのだが……? 無邪気で奔放な先輩が魅力的に描かれています。とくにラストの「ついかのおくすり」にはドキッとしました。先輩の少し小悪魔気質なところに翻弄される主人公ですが、やりとりを見る限りでは先輩も満更ではなさそうだと色々妄想が膨らみます。テンポが非常によく、読み味も◎。

続きが読みたい賞

不思議な薬を作り出すあやしい博士。彼に毎回翻弄される主人公のコントのような明るく楽しい掛け合いがとても楽しめました。作っている薬はすごいのに、博士自身がどうしようもなくポンコツゆえに思い通りにいかない。散々利用されかけている主人公が、それでも通っているのも納得してしまいます。会話のテンポも相まって、終始笑いながら読むことが出来ました。

トンデモ賞

該当なし

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2023年7月26日(水) 12:00:00 ~ 2023年8月27日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2023年10月中旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第203弾です。 今回のテーマは、「おくすり」です。 どこかに必ず「おくすり」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・風邪薬を嫌がり飲まない息子を夫に任せてみたら、自分から飲むように。いったい何を言ったんだろう? ・頼めばどんな薬も作ってくれると噂の魔女。その対価は金や物ではないらしく……? ・新たな合成麻薬を生み出し、巨万の富を得た男。しかしその製造法と共に行方をくらまして――。
薬は様々な病気やケガを治してくれますが、毒と薬は紙一重とも言います。用法用量を守らないと、取り返しがつかなくなるかも――? そんな「おくすり」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
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応募の辞退について
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次回予告

次回、妄想コンテスト第204回のテーマは「そうだ、〇〇へ行こう」です。 本コンテストと平行する形で2023年8月9日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第204回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト