有月 晃

生々しい密度と極度の内向性で綴られた、異彩を放つ一冊

 あくまで現時点において、と最初に断りを置きつつ……  著者の豊富な作品群の中で「最も心を刺してくる作品は?」と問われれば、私は間違いなくこの「ひとりむすめ」を挙げる。  再生の物語だとか、自己解
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有月 晃

なんだろう。現代のプロレタリア文学? いや、ちょっと違う……

吹っ切れた面白さ。 自他共に認める「エリート社畜」たる主人公が徒然と綴る独白を中心に、物語は展開していきます。 そこで語られる心情は、読み始めた当初こそ「いやいや、そんなわけが……」と冷静に突っ込
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有月 晃

短編としてまず手に取り、次に一連の作品を通して楽しめる構成

「三年六組」シリーズ、現在公開されている四作品を拝読しました。 察するに、このシリーズはエブリスタの「超・妄想コンテスト」応募作品として、設定を共有しながらそれぞれの回のお題に合わせて書き上げられた
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有月 晃

じょきじょき。

タイトル。 「珍しくほのぼの系か」という私の予測は、読み始めて五秒で修正を余儀なくされる。 夕方の例えが秀逸。 読み終えて「物に罪なし」とか嘯いてみようか逡巡。いや、口に出すのはやめとこう。
有月 晃

瑕疵無く閉じた世界

ありふれた日常の切片。 ただ、現実はもっと歪だったり、凹凸があったり、過剰だったり、欠落していたりするもの。 何処にでも存在しそうな情景に見えて、その実、著者の理想を材料に編まれたワンシーンだけの
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有月 晃

油断してるとポコリとやられる。

ありふれた男女二人の情景。 ……と油断したところに放り込まれる不穏な要素。唐突。 だが、読み進めるうちにこれで良いのかも、と思った。こういう事象はある日、ポコリと空から降ってきて、嘘みたいに取り返
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有月 晃

鬱屈した青年の内面吐露に筆力を感じる掌編

過去にも普遍的に観測されてきたし、これからも世界中で飽くことなく反復されていくだろう出来事。 誰にとっても身近で、冒頭から高い筆力で書き連ねられる青年の素直な屈折は、一人称視点も相まって寄り添いやす
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有月 晃

夕凪もぐら入門者から上級者まで楽しめる、昭和下町風味ラブコメ(後半

3. 小道具 冒頭のガリガリ君、メインヒロイン登場場面のスイカバー、サブヒロインにより供される雪見だいふく、その他にもモナ王、ピノ、あずきバー、パピコ…… わずか25,460文字の短編だというのに、こ
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有月 晃

夕凪もぐら入門者から上級者まで楽しめる、昭和下町風味ラブコメ(前半

変種。色物。エキゾティックアニマル。 私の周囲の創作仲間を分類するとしたら、この作品の著者には間違いなくこういった肩書きが与えられるだらう。にも関わらず、時には企画主催してみたり、ギター奏でてイケボ
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有月 晃

それがいつのことだったか、時には想いを馳せてみるのも悪くない

冒頭、目に入るのは若い女性のモノローグ。 どうやら、幼馴染の結婚式に向かう場面らしいが、なんだか立腹の様子。 以降、この女性の視点で物語が推移していく。 過分に一面的であり、恋愛を主題とするにいかに
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有月 晃
空高く突き抜けて行く、白球。 それを何処までだって視線で追えそうなくらい、濃紺の夏空。 おそらく、これまで至る所で繰り返されてきたであろう情景に一つスパイスを投じることで、読者をグッと惹きつける掌編
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有月 晃
この作品の優れた点を挙げるのは容易く、他の方々が既に語っておられるので控えるとして。 私なりに、凄く良いなぁと感じた点を一つだけ述べるならば、それは「書くことの楽しさに溢れている」ということ。 物
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有月 晃
天才肌ピアニストの視点で綴られる、音感豊かな物語。 視点とは即ち思考、認知のトレースであり、読者は彼の世界観を追体験しながら物語を辿ることになる。路傍の草花に始まり、この主人公は情景を形作る細部に意
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有月 晃
書き手による、書き手の為の物語。 そう言ってしまって、良いだろうか。 広く一般に共感される物語ではないのかも知れない。だが、妄想コンテストで提示されたテーマに向き合った著者が、自らの内面から掬い上げ
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有月 晃
新垣さん、こんばんは。 ご無沙汰しています。有月です。 この作品を幾度も読み返させて頂きました。 物語中盤に記述された、この一文が理由です。 「そして、私は本に作者の魂が宿ることがあることを知っ
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有月 晃
簡潔な構成に、方言を多用した会話演出がアクセントを与えています。 終盤に向けて高めたテンションは時間経過であえて留保、短編の限界を静かな結びに転じたことが功を奏したのかなと。 もっと読みたかった、
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有月 晃
初回読了後、胸中で快哉を叫びました。 三人の関係だけで終わる短編なら凡庸。 四人目に手を伸ばすなら、ほほぉと刮目。 そして、五人目まで踏み込むなら…… 四人目のパートに差し掛かった辺りで、にわかに
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有月 晃
タイトルを一瞥して、いつも通り警戒しつつ読み進めるが、ライトな滑り出しにいささか肩透かしを食らう。 所々に散りばめられた、どこかで見た様な奇妙なキーワードに記憶の襞をくすぐられつつ、全体的な雰囲気は
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有月 晃
双宿双宿、比翼連理。 随所に散りばめられた興趣豊かな言葉と小道具、そして、市井の町民の暮らしを活写するべく連なる短文。 威勢の良い女房の台詞には、いかにも江戸の風情が漂う。 場面は夫婦二人の夕
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有月 晃
※妄想勉強サークルの規定により、☆評価はナシとさせて頂きます。  さて、困りましたね。  物語の開幕一行目、いきなりイベントを持ってきて読み手を「おっ」と引き付ける。  でも、実を言うと。  
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有月 晃
 いささか風変わりなタイトルに興味を惹かれ「この作品を読む」ボタンをタップ。  主人公は若い女性らしく、物語の舞台を描写するモノローグは軽妙で読みやすい……と思っていたら、導入部の最終行でいきなり事
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有月 晃
4ページ 2段落目 > 長椅子に腰掛けたお侍さんはね…… → 一つ上に引用した文章では「長いす」、ここでは「長椅子」。表記が統一されていませんね。とても細かいことですが、同一作品内であれば統一した方
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有月 晃
 さて、残りは読みながら気付いた点につきまして、順にお伝え致します。 2ページ目 > 当時、私はおみよちゃんって呼ばれて…… → ここはずっと改行なし、一つの段落で文章が続いています。主人公の独

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有月 晃
aoisora さん  こんにちは。有月です。  お待たせ致しました。改善点のご提案をさせて頂きます。  物語としては王道。現代風に置き換えるなら、カフェの店員さんがフラリとやってきた風変わりな

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有月 晃
※妄想勉強サークルの規定により、☆評価はナシとさせて頂きます。  aoisora さんの作品を精読するのは、今回が初めてです。  で、この短編は時代小説、それも団子茶屋の娘という視点。  こ
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有月 晃
 「渡り鳥」ですよ。  こんな言葉で始まるあらすじを見かけた時点で、もう読まずにはいられないわけですよ。男として。  で、読んでみましたよ。  もぐさん、こんなのも書けたんだなーとか思いながら
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有月 晃
 さて、後は細々としたご指摘ですので、ザッとご確認ください。 ・3ページ目 末尾 > あたしは本当に幸せも者だ。 →「も」が不要です ・18ページ目 末尾 > あたしという人間に無償に腹が立った。
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有月 晃
 こんばんは。有月です。  さて、改善点のご提案です。  物語自体はストレートで、進行に比例して感情に訴えかける度合いも高まっていく形ですね。  もう一捻りあっても面白いかも知れませんが、宮崎さ
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有月 晃
※妄想勉強サークルの規定により、☆評価はナシとさせて頂きます。  一冊のアルバムを鍵として、そう遠くない過去の日々が穏やかなモノローグに乗せて語られる。  入院生活、院内学級での出会い、そして、
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有月 晃
 退職した同僚に宛てたメールで幕を開ける、この物語。  時候の挨拶から始まって、「あなたが去っても誰も困っていない」と多少辛辣な冒頭部分。なんだか雲行きが怪しいが、それもそのはず。どうやら、相手に対
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