gloomy_weasel

美しい真夏の白昼夢

セミの声鳴り響く夏の最中にもかかわらず,無音の夢の中にいるような感覚を覚える作品でした. スグルの平易な語彙で一貫して書かれた文体も,作品の雰囲気にマッチしていました. 夏の眩しい日差しのイメージでず
1件1件
gloomy_weasel

濃密なオペラケーキのような作品

濃密な文章で重層的に描かれる,ビターなオペラケーキのような作品. 「れいあ」という名の青年? のやや混乱したような独白で始まったかと思うと,その後は第三者の視点で物語が展開.なかなか全体像をつかめない
ネタバレあり
1件
gloomy_weasel

資本主義が置き去りにしたもの

雰囲気やテーマが,とても好みです. 資本主義が隆盛する中で忘れ去られかけている,人間の魂や精神に関する事柄.多くの人たちが恐れ敬うべきものたちと,当然のものとして向き合いながら生活している先輩の姿は,
ネタバレあり
1件1件
gloomy_weasel

スイカの種より届かせたかったもの

言葉にされないまま,時の流れの底に沈んでしまった思い. スイカの種のように簡単には吐き出せないものですが,だからこそ,長い歳月を超えて,主人公の胸の奥深くに届き,簡単にはしおれない何かを芽吹かせること
ネタバレあり
1件1件
gloomy_weasel

まさかの結末

ホラー,というよりはちょっとしたミステリー? 少しずつ提示されるヒントの中で,腑に落ちそうで,どこか「でもやっぱり変だぞ?」という違和感を抱いたまま幕. …と思いきや,最後に驚きの真相が. 面白かっ
1件1件

この作品は非公開になりました

gloomy_weasel

ひとしずくの涙の輝き

ひとしずくの涙の輝きを捉えたような作品. 何かに打ち込もうとする人が「忘れてはいけないもの」を,かなりの高い純度で短編にまとめられています. 作者の感受性の鋭さががなせる技だなぁ,と思いました.
1件
gloomy_weasel

炎天下に始まる「暖かい」物語

暑い真夏に繰り広げられる,暖かい物語. 物言わぬ「街」と少女の別れの案内役をすることで,青年も何かを取り戻せたのでしょうね. 物語の一番大切な部分を,あえて言葉で説明せずに終わらせていることで,余韻が
1件
gloomy_weasel

現実から解離していく心のゆくえ

淡々と進む物語の裏側で,少しずつ変容し現実から解離していくいく人の心が,「蛹」の成長と重なり,やがて一体化していく展開にどきどきしました. 「サナギ」でなく「蛹」と表記されているのがどこか生々しい.
1件1件
gloomy_weasel

マイナスイメージの言葉から生まれたスーパーヒーロー

「イエスマン」という言葉から,相手の要望や命令に「はい」と答えるとその相手の要望・命令を実現してしまう特殊能力,というものを考えるアイデアが秀逸な一作. テーマは真面目なのに,つい笑ってしまうシーンが
3件2件
gloomy_weasel

囁くように語られる幻想的な純愛ロマンス

文章がとてもお上手ですね.滑らかな夜空の星をなぞるように,するすると読み進められました。 囁くような語り口と,作品全体に漂う,どこか夢の中にいるような浮遊感が,青年のすぐに霞んで消えてしまいそうな危う
1件1件

この作品は非公開になりました

gloomy_weasel

最後に残る余韻

夏休みの何気ない1日,と思いきやの結末に,目が覚めるような心地がしました. 独白で進む物語の最後,沈黙のまま噛みしめざるを得なかった現実を,主人公はどう受け止めたんだろう,と色々と想像してしまいます.
1件1件

この作品は非公開になりました

gloomy_weasel

豊富な知識と深い洞察に引き込まれました

とても興味深かったです. 日頃,周囲には児童文学好きと公言しながら,「赤毛のアン」は読んだことがないモグリですが…(^_^;) 豊富な知識と,作品・作者への深い洞察で,のめり込んで読み進めてしまいまし
ネタバレあり
1件3件
gloomy_weasel

素朴で力強い「ささやかな」物語

痛みを包む包帯のような,膨らみのある,柔らかい物語ですね. 軽やかな文でありながら,土台にある力強さが,読み応えを与えています. 「雑草」の飾り気の無さと生命力を感じさせるお話でした.
1件1件
gloomy_weasel

入道雲を見事に擬人化

入道雲のイメージから,こんなにしっかりした物語を描ける想像力に驚きました. 夏の空にふわふわと浮かぶ雲の,物静かで捉えどころの無い姿を,主人公のお兄さんのキャラクターと重ねつつ,入道雲の持つもう一つの
1件1件
gloomy_weasel

人の「言葉」で語られぬ「沈黙」の物語

悲しくて,残酷で,美しいお話ですね. 人の耳に届く「言葉」では一切語られぬまま,静かに幕を引く,「もの言わぬ者たち」の物語. 個人的に,とても好みの作品でした.
1件1件
gloomy_weasel

光と闇のコントラストを雨で

礼拝堂で繰り広げられる懺悔と許しを描いたお話. 降りしきる雨に閉ざされた空間で,そのやり取りを知るのはたった二人きり. これも一つの「沈黙」といえるのかも知れないなぁ,と思いました. 雷雨の描写が人物
1件
gloomy_weasel

それぞれの気持ちが滲んでしみる

登場人物を突き放したような印象の淡々とした文章ですが,それぞれの人物の悲しみや寂しさが垣間見え,最後まで引き込まれるように読んでしまいました. 語り手を介して見える世界を意識して書かれているから,物語

この作品は非公開になりました

gloomy_weasel

植物と人が織り成す優しい物語

可愛らしいお話ですね. 主人公の感化されやすいところが,植物の精と共鳴して,様々なメッセージを受け取るのかなと思いました.植物の時間感覚と人の時間感覚の違いを軸に描かれる,悲しい過去と優しい救済の物語
1件2件

この作品は非公開になりました

gloomy_weasel

「現実」が溶けていく…

最初の現実的なやりとりから,いつの間にか輪郭がぼやけ始め,くっきりした結論は示されない.いつの間にか口の中で溶けてしまうラムネのような読後感でした. 台詞をあえて「」で括らない表現も,この作品の捉えど
gloomy_weasel

軽やかな読み味でするする読める

ソーダ水のように,独特のテンポで弾けながら,するすると入ってくる文章.最後まで疲れずに読めました. 木陰を過るそよ風みたいな雰囲気のヒロインも印象的でした.
1件1件
gloomy_weasel

声に出して読みたい一作

小説,というより,戯曲に近いつくり. シンプルな舞台装置の,2人または1人芝居に仕立てたら面白そう.読んでいるうちに,朗読したくなっていきました. 最低限の情景描写で,テンポのいい会話や独白が引き立っ
1件1件

この作品は非公開になりました

gloomy_weasel

「こだわり」が詰まった一作

雪女の昔話から,子孫のその後を現代ファンタジーに仕立てたアイディアが面白いですね. 和服着る民なので、着物に関する描写がとても興味深かったです.