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未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン「日常ミステリー」

大賞

変質者ばかりが寄ってくる体質の月子が、ようやく出会えた理想の恋人わたる。ささいなきっかけから疑念が生まれ、じんわりと心に広がっていくプロセスが丁寧です。読者も月子同様にわたるに恐怖を覚えていく。彼女たちの職場である介護施設の過酷な現実もあますところなく描いているので、作品世界のリアリティが増しています。果たしてわたるは何か闇を抱えた人間なのか、その先の展開への興味が尽きそうにないスリラーでした。

準大賞

真実を明らかにすることで望まぬ結果を招き、心に傷を負った翼。彼は好奇心を抱かないように生きていたのに、女子高生の歩美が学園の不思議の世界に引っ張り込みます。桜の木の下で告白すれば必ず成功するはずなのに、女子から花束を投げ返される男子。表面的な謎は解決しても、その底にあるうかつにはほどけない人間心理が、読後に余韻を残します。翼の趣味のお菓子作りによるスイーツタイムも作品に彩りを添えていました。

入賞

依頼人の秘密を守ってくれる「嘘つき屋」がファンキーな設定です。目覚めたら昨夜の記憶がない主人公だが、知らない女性と抱擁している写真を妻から突き付けられ、離婚の危機を回避しようと嘘つき屋に依頼する。ストーリーの進行テンポがよく、視点人物が適度にスイッチすることによって、新しい事実が浮かび上がる面白い構成です。主人公が善良な好人物に描かれているので、読み手は彼の心情に共感してハラハラできました。
ムダのないストーリー運びで、読み手を物語へと導いてくれる作品です。キャラの配置も絶妙でした。民俗学が好きで気弱だけどツッコミ上手な語り手。人使いは荒いが頭脳明晰でクールビューティーな部長。スクールカーストの上層に立つ依頼人。歴史情緒あふれる古都の山中に響いた謎の奇声の正体は何なのか。民俗学らしくフィールドワークでリサーチすることで、生の声を拾い、新たな事実を明らかにしていきます。
ジャンルが変わるごとに、面白さがせり上がってくる作品です。最初は揺れ動く家族の絆を描くのかと思わせ、サイコスリラーになり、やがてSF的な展開も見せてくれます。前半で4人の家族のキャラクターと人間関係をしっかり描いているので、緊張感と興味が持続し続けます。妻の不可解なセリフと行動に、ひとつ屋根の下に暮らす夫が不安と戸惑いを抱く姿はリアリティがありました。どんな結末になるのかとても楽しみです。

佳作

図書館の本に挟まっていた「八月三十一日」のメモは誰がどんな目的で書いたのか。シンプルだけど無数の解釈ができる刺激的な謎です。日付の意味よりも、挟んだ人物は誰なのかを先に特定する着眼点は、まさに名探偵でした。この謎解きを物語のヨコ軸として、タテ軸として貫いているのはヒロインと駅員とのラブストーリーです。「日常の謎を相談すること=憧れの相手と過ごせる楽しい時間」という設定は秀逸で、読者にも楽しい時間が続きます。
謎を「捨てる」「拾う」という観点から光を当てているのが新鮮です。家を出た主人公が深夜の公園で出会ったのは見知らぬ美少女。彼女の「謎拾い」に付き合わされるのは魅力的な滑り出しです。お地蔵様の首にかけられていた桃の種から出てきた「クロード・モネ」というメッセージ。そこから始まる、どこにたどり着くのかわからない冒険にワクワクしました。一夜の「謎拾い」を終えたとき、主人公が成長し、人生が変わるストーリーです。
心が温まり、顔がほころぶストーリーです。ローカル線の寂れた駅の周辺で起こる日常の困りごとを駅長犬が解決していきます。なぜ若い女性の就活生が企業も何もない駅で降りたのか。目の前の謎に対して、犬としての感性と能力で自分にできることをする姿が胸を打ちます。その行為が謎も人間の心も氷解させていく構成は見事でした。犬の視点での文章も読みやすく、クスリとさせられます。犬と人間の気持ちのいいふれあいを描いていました。
香り立つハードボイルドな世界観を構築できています。主人公である冴えない探偵に「あなたの本を探して」と美女が依頼する。次々にページを捲りたくなる興味津々の幕開けです。署名も著者もわからない本を探させる理由は、その正体が明らかになると納得できます。ポップでファンキーなモノローグは読みやすく、楽しい気分になりました。依頼を達成することが自分自身の成長と再生につながっていくストーリーも素敵です。
とても読み応えのあるミステリーです。出張サラリーマンが立ち寄った骨董屋で気に入った絵皿を見つけます。手持ちが足りず、初老の男性に取り置きをお願いし、お金を持って店に戻ると、若い女性しかいない。彼女は「ウチにはそんな人間はいません」と答える。一体何が起きているのか。自然とストーリーの先を知りたくなります。探偵の小学生時代の保健室での事件も納得のいくロジックが積み重ねられて、最後に意外な着地をしています。
ほんのりと恋愛の予感がする青春ミステリーです。気になりだすと止まらない「変な話」を杏が西塔に持ちかけてきます。なぜ彼女の兄は「図書館で借りた本」と同じ本を購入したのか。軽妙な会話によるブレインストーミングで真相に迫っていくプロセスが愉快です。事件の流れを時系列にまとめ、丁寧に推理で追っていくので、読者も探偵と同じ思考をなぞることができます。「チョップアラーム」「灯台デモクラシー」などワードセンスも独特でした。
スケジュール
・応募期間:2021年12月6日(月) 12:00:00 ~ 2022年2月6日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2022年4月下旬頃予定
募集概要
良い作品を執筆したい!というあなたの気持ちをエブリスタが応援します! 「未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン」!! 【コンテストの特徴】 執筆意欲を応援するために、3つの特典をご用意しました! ・優秀15作品以上に、作品へのアドバイス ・大賞受賞者には、キングジム社の「pomera DM200」をプレゼント ・準大賞作品以上は完結後に、「完結作品特集」へ掲載 【こんな方にオススメ!】 書きかけの作品、眠っていませんか?  書きかけの作品も積極的に応援します!  眠っている作品、構想段階の作品でも、どしどしご応募ください! 昔書いた作品、アイディアはいいと思うんだけどなあ……  このコンテストに応募すれば、さらに良い作品にできるかも!?  ぜひ昔の作品にもう一度光を当ててみてください! どんな風に続きを書くか迷ったときは、こちらの記事を参考にしてみてください。 書きたい気持ちに火がつくメディア monokaki(創作ハウツー)
募集テーマ
第31回目のテーマは「日常ミステリー」です。
・迷子の犬を捕まえた。タグの住所に連れて行ったが、そこの住人は犬を飼っていないらしく……? ・古い金庫を開けたところ、中には家系図が。ところがご先祖の中に、ありえない名前があって!? ・公園の遊具に描かれた暗号のような落書き。解いてみたら別の公園に辿り着き、また暗号が見つかって?
など、「日常ミステリー」の要素が登場する小説を募集します。 次から次へとページをめくってしまうような、続きが気になるお話をお待ちしております!
賞
大賞 1作品 ・賞金3万円 ・作品へのアドバイス ・キングジム社「pomera DM200」をプレゼント ・完結後に特集掲載※ 準大賞 1作品 ・賞金2万円 ・作品へのアドバイス ・完結後に特集掲載※ 入賞 3~5作品 ・賞金1万円 ・作品へのアドバイス 佳作 10作品程度 ・作品へのアドバイス
大賞の方にプレゼント!
※ 特集掲載は、受賞から半年以内に完結した作品を対象とさせていただきます(投稿時に完結している作品も含まれます)。完結後、受賞連絡時にお伝えする宛先へご連絡ください。ご連絡を頂けなかった場合は、特集掲載できない場合がございます。 ※ 大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタ公式SNS等で配信、紹介等される可能性があります。
応募要項
・文字数は20,000文字以上 ・20,000文字まで読んで選考、作品へのアドバイスをいたします。 ・連載中の作品も応募OK! ・すでに完結している作品 並びに エブリスタ内の公式コンテスト及び他サービス等の投稿コンテストで落選した作品を、募集内容に沿うように再構成してご応募いただくことも可能です。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他サービス等に応募中の作品はご応募いただけません。
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コンテストの注意事項(必読)