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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第198回「追いかける」
 “追いかける”という能動的なテーマだけに、登場人物たちが自らの意思で行動することで物語が進行する、アクティブでエネルギッシュな作品が多かった印象です。  追う者・追われる者いずれの目線であっても、緊張感や共感を感じながら読み進めることができ、一緒に自分も追われる・追いかけているような没入感を得られる回となりました。

大賞

気付くと祖父の田舎に立っていた亮。誰もいないその場所に現れた、狐面の少年に促されるまま、彼の後を追いかけるのだが――。構成がきめ細やかで演出も上手いので、不思議な世界観に没入することができます。冒頭がどうつながるのか気になりながら読み進めると、祖父の深い愛情に涙が溢れました。優しくさわやかな読後感に浸れる、完成度の高い一作です。

準大賞

10年ぶりに再会した3人の幼馴染。かつて殺した男を掘り起こすため、彼らは遺体を埋めた山へと向かう。優しさと幼さゆえの小さな過ちが、取り返しのつかない過去になってしまう。追い詰められていく3人の心情に、読んでいるこちらまで身を切られるようでした。どこまでも追いかけてくる過去と決別し、大切な人たちを守るため主人公がとった行動に、ずっしりと重たい感情がいつまでも胸に残ります。

入賞

「前の車を追いかけて」というドラマのような指示を受けたタクシードライバー。好奇心を抱きつつ、言われるまま車を走らせるのだが? 定番の台詞に、意味深な挙動をする追跡対象。運転手と一緒にドキドキしながら物語を追いかけてしまいます。辿り着いた先にどんな真実があるのかと思いきや、そこにはまさかの展開が。タイトルの伏線回収がお見事なサスペンスです。

佳作

飲みかけのペットボトルを、事故現場のお供えに紛れこませて捨てた心愛。すると見知らぬ女子高生が追いかけてきて――。追いかけられる緊迫感、そして一度は安心させながらも畳みかけるように続くホラー展開が、巧みに恐怖を演出しています。“落とし物”を受け取ってしまった主人公が今後どうなってしまうのか、想像すると背筋が冷えました。
歯牙にもかけなかった成田にエースの座を奪われた楠本は、夏の大会の小さな手抜きを成田に看破され……。傲慢だった主人公がチームで戦うということを知り、成長していく過程と、野球に没頭していく姿に魅入られます。その集大成とも言える、白球を追いかけるシーンには胸が熱くなりました。真っ直ぐでさわやかな、完成度の高い青春スポ根ストーリーです。
SNSで知人のアカウントに、正体を隠してうざ絡みする主人公。ヒートアップする反応を楽しんでいると、ついには「殺しに行く」という返信が届いて……。知人へのちょっとした悪戯がエスカレートしていく話かと思いきや、そこに隠された意図にぞっとしました。SNSを通したやりとりにリアリティもあるので、実際にこんなことが起こっているのかも……と想像してしまい、ひやりとします。
ひとり山を駆け、村人から遠巻きにされる夕凪。彼女が追いかけているという“月ノ蝶”を、千草も一緒に追うことするのだが……? 情感溢れる文章で、恐ろしくも幻想的な世界観に浸れます。悲しみや寂しさを抱えながら気丈に振る舞うヒロインの姿が健気で、美しくも恐ろしい蝶に魅入られていく彼女を必死に救い出そうとする主人公の姿にもときめきました。
ちょっとした口喧嘩が絶えない、一つ違いの姉弟。ある日弟は、おもしろ半分に姉の日記を読んでしまうのだが――。時に鬱陶しく、けれど離れがたい、“きょうだい”独特の距離感が素敵に描写されています。喧嘩するほど仲が良い、を地で行く姿が微笑ましく、ほっこりしました。そんな子供たちの成長を見守る両親の目線にも共感でき、いいアクセントになっています。

超短編賞

ありえない色が点灯したら決して直進してはならない“幻の信号灯”。趣味で怪談を集める主人公は、その噂がある土地を訪れるのだが……。妻は亡くなり子もなく、死への恐れすらない男が恐れるものとは何なのか。その答えにリアリティがありました。信号の色以外は、さして違和感がないだけに、自分でも同じ行動をとってしまうかも……とうすら寒くなります。

続きが読みたい賞

階段から転落し目を覚まさなかった親友が目を覚ました。しかし彼の記憶は、高校生の頃に戻っていて――。様々な要素が入り交じりこじれてしまった、3人の幼馴染の三角関係がせつなくも、目が離せません。晴也の記憶が高校時代に戻ってしまったことで、この関係がどんな動きや変化を見せるのか、続きも読んでみたいです。

トンデモ賞

該当なし

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2023年5月10日(水) 12:00:00 ~ 2023年6月11日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2023年8月上旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第198弾です。 今回のテーマは、「追いかける」です。 どこかに必ず「追いかける」のシチュエーションが登場する妄想を投稿してください。
・恋人を追いかけて内緒で上京した。驚かそうと彼の部屋に行ったら、知らない女がやって来て……? ・一人前の魔女になるための最終試験。その内容は、鬼ごっこで師匠を捕まえること!? ・警察から逃げることに疲弊した殺人犯。空港で人質を取り、国外逃亡を謀るが――。 ・バスに大事な書類を忘れた!道路が混んでいる……走れば次の停留所で追いつけるか!?
追いかけるという行為の先には、そうまでして手に入れたい、あるいは捕まえたい何かが必ずあるもの。 そんな「追いかける」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
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応募の辞退について
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次回予告

次回、妄想コンテスト第199回のテーマは「雨よ降れ」です。 本コンテストと平行する形で2023年5月24日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第199回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト