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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第209回「犬」
 犬はペットとしてのみならず、古くは狩猟、現代では盲導犬や警察犬など、我々の良きパートナーとして、密接に関わってきた動物。必然と言うべきか、やはり人と犬の絆を描いた、優しく温かい雰囲気の作品が多数派でした。  それと同時に犬の優れた能力を活かし、主人公と“バディ”を組んだミステリー仕立ての作品が目立っていたのは、少し意外だったかもしれません。  実体験をベースにしたかのような緻密でリアルな描写も多く見られ、人にとって犬がどういう存在であるのかを、改めて感じさせてくれるテーマとなりました。

大賞

ともに大切な相棒を失った過去を持つ、爆発物探知犬とハンドラー。心に傷を抱えている者同士がバディを組み、互いが新たな頼もしい相棒になっていく物語は心を揺さぶられます。終盤は緊張感と躍動感に満ちており、ハラハラドキドキしながら読み進められました。そんな中でも、人見知り犬なベロフが見せる仕草は愛嬌たっぷりで、それが物語の緩急にも一役買っていました。

準大賞

好きだった先輩を取られ、軽い気持ちで“呪いのアプリ”を使った主人公。ところが本当に呪った通りになった上、アプリへの継続課金を求められ――。呪いのアプリという設定はベタですが、自分自身への呪いを回避するために継続課金しなければならない、というのが実に現実的かつ現代的。その値段設定も絶妙で、主人公が追い詰められる気持ちが切実に伝わってきます。主人公のこれからを思い、なんとも後味の悪さが残りました。

入賞

ある事情で友達を作ることが難しかった娘のために、両親は子犬のテイトを家族に迎え入れた。ある日、土砂崩れが起きてしまい、巻き込まれた娘は家の中に閉じ込められてしまう。そんな中、彼女を救ってくれたのはテイトだった。小さなもの同士の命のぬくもり、生きようとする意志が感じられるドラマで、最後まで一気に読み進められました。絆を感じさせ、勇気をもらえる一作です。

佳作

恋人が元カノと連絡していることに気づいた主人公。潔く身を引こうと、彼の飼い犬・メッシと最後の散歩に出かけるのだが……。ちょっとした修羅場を笑いに変えてくれるメッシに愛おしさを覚えました。早とちりな主人公も魅力的で、ずっと幸せでいてほしい2人+1匹です。長さ的にもちょうどよいおさまりの青春恋愛小説でした。
現場を退く社長から、プライベートを充実させる人材を探してほしいと依頼された敏腕秘書。社長の難題に対し、彼が用意した人材とは――。秘書も社長もビジネスライクに話を進める展開がシュールで、笑いを誘います。最後まで読んでいくと、このテーマを巧みにつかっていたのだと唸りました。本当にあれば、犬好きには最高の職場であること間違いなしでしょう。
金欠にあえぐ主人公は会社の先輩の紹介で、副業を始めることに。連れていかれたタワマンの一室にいたのは、地獄の番犬ケルベロスで!? 突拍子もない展開ながら、よくキャラクターが経っていました。3つの頭それぞれに個性があるケルベロスが可愛らしく、かと思えば地獄の番犬らしさを感じさせるギャップも魅力的。ほっこり温かい気持ちになれました。
世間は空前の犬ブーム。猫派だったはずの主人公もすっかり犬派になり、通っていた猫カフェからも足が遠のいていた。だがそれは“イヌ星人”の陰謀で!? トンデモない設定とアイデアがバカバカしくもあり、そこに恋愛エッセンスも盛り込まれたエンタメ作品。文章のテンポもよく、続きが気になってラストまで笑いながら読み進められました。
公園で見つけた一枚のメモをきっかけに始まった、少年と犬と、小説家の青年との交流。探偵である少年の叔父は青年を訝しみ、共に家を訪れるのだが――? ミステリ調に仕上げられた冒険譚で、登場人物それぞれに個性があり魅力的でした。構成力と会話のテンポも素晴らしかったです。

超短編賞

強大な敵に立ち向かう部隊。しかし、隊員の一人は今の境遇に不満を持っていて……。終盤に明かされていくネタバレもおもしろく、モチーフの有名さもあってわかった瞬間に笑えました。超短編だからこその良さと味が出ており、内容も整合性が取れていました。本当にこのようなやり取りがあってもおかしくないと思わせるパワーがあります。

続きが読みたい賞

曾祖母から、形見分けという形で犬のキャラを引き取ることになった主人公。そんなある日、曾祖母の同僚だという巫女が現れて? キャラ設定や世界観が練り込まれた現代ファンタジー。主人公が異能の力に覚醒した今回はまだ序章。この先がどんな物語なのか、続きが気になります。

トンデモ賞

該当なし

優秀作品

恋愛 完結 過激表現
10分 (5,988文字)
スケジュール
・応募期間:2023年10月25日(水) 12:00:00 ~ 2023年11月26日(日) 27:59:59 ・最終結果発表:2024年1月下旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第209弾です。 今回のテーマは、「」です。 どこかに必ず「」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・お互い犬の散歩中に会う彼のことを好きになったけど、犬同士の仲が最悪で話もできない! ・王家の番犬と称される侯爵家。しかしその嫡男は、現在の王家に反感を持っており……? ・多くの犬を殺し、犬神の呪いで滅んだとされる集落に、配信者が肝試しに訪れ……。
古くから人類に寄り添ってきた犬たち。可愛いだけじゃなく、忠実で賢い彼らは、日々様々な仕事をこなしてくれています。 そんな「」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
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次回予告

次回、妄想コンテスト第210回のテーマは「久しぶり」です。 本コンテストと平行する形で2023年11月8日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第210回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト