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未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン「とんでもホラー」

大賞

読み手の日常と非日常の境界をあいまいにしてくる作品です。主人公は可憐に見える女性に一目惚れするけど、彼女は厄介なクレーマー体質でした。それでも彼は予測不能の言動や制御不能の性格も含めてまるごと彼女を愛します。順番への異常な執着がある一方、優しく穏やかな彼女の面も描き、重層的で深みのあるキャラ造形ができています。しかし、主人公の精神が彼女に侵食されていくさまは、まごうことなきホラーでした。

準大賞

ショッピングモールに設置されたトリックアートについて主人公の調査で徐々に謎の輪郭が浮かび上がる展開に引き込まれます。会話だけで進行する構成に臨場感があり、異様な事態が起きている事実がひしひしと伝わってきます。各キャラのセリフの内容や話し方に個性があるため、話者のイメージも読者の頭で描けました。トリックアートを眺めているのに、誰かから睨みつけられてる気がする感覚には、にじみ出る怖さがあります。

入賞

切れ味のある短文の積み重ねによって物語にリズムがあります。気軽にワンナイトラブを楽しむ舞の内面描写との親和性が高いです。素敵に感じた海里が想像を超える“地雷物件”。遊び相手として最高の人物だったのに、彼は徐々に不気味な言動をあらわにします。それでも最初は縁を切るには“微妙なライン”なのが海里の恐ろしさです。パートナーを自分に都合よく作り変えて支配する恐怖がひしひしと伝わってくる作品でした。
愛ゆえの狂気がエスカレートしていく作品です。事故で愛する婚約者を失った主人公が、彼女を慕うあまりに禁断の領域へと踏み入れていくさまが丁寧に描かれています。ときに本人は真剣だけど、ユーモラスに見えるシーンが恐怖を緩和してくれました。たとえば、人形に着せるための下着を買いに行く場面などです。同時に主人公の喪失感や必死さを理解できます。生者と死者の2人の愛が行き着く先はどこなのか見届けたくなりました。

佳作

おぞましさが強めのテイストですが、面白さが上回って次々にページをめくってしまいます。昆虫食の研究者が取材旅行の最中に蟷螂神社を見つけて……という冒頭のシーンのただならぬ雰囲気に読んでいて高ぶります。獲物と捕食者の関係が、いつのまにか逆転している怖さは普遍的でした。主人公の語り口もどこか日本昔話を思わせ、作品世界にマッチしています。悲劇を直接的には描かず、暗示するにとどまるラストも抑制が効いていました。
関東最大級の暴力団の若頭でありながら、怪異には滅法弱いヤクザという設定が冴えています。物の怪が視えて、冷静沈着な医師がパートナーなのもナイスなコンビです。病室から始まり、二転三転するドタバタ劇が、読者へのキャラクター紹介として機能しています。死なないためには百鬼夜行に巻き込まれないことというルールも明確です。怪異たちが人間の理屈やルールでは動いていない存在なのが、力也が恐れる説得力を生んでいます。
明晰で詩的な文章なので淀みなくストーリーを理解できます。怪異の主人公への近づき方、登場の仕方、いずれも演出効果が高く、ホラーとして恐怖満点でした。狗神によって敵を食べる荒っぽい解決法も、敵の凶悪さ、狡猾さを描いているのでバランスが取れています。強大な力と呪われた宿命を受け継いだヒロインが、純真なクラスメイトと絆を育む様子は心を打たれました。3人によるさらなる怪異退治を見守りたくなる作品でした。
ゴキゲンなドタバタ劇が感動に着地する作品です。恋人につきまとうストーカーに刺し殺されてしまった主人公は浮遊霊になります。そこから生者へのアピールタイムを獲得するため、全力疾走したり、ほかの幽霊と格闘したりと元気一杯な姿が愉しいです。幽霊にできること、できないことをルール化しているので決して何でもありではありません。やがて死後の世界で友情を育み、愛が芽生え、成長していくキャラたちが愛おしくなります。
冒頭から繰り広げられる恐ろしい訪問者とのドア一枚隔てての攻防に興奮を掻き立てられます。主人公の心情描写に臨場感があり、読み手にもゾワリと冷たい感覚を与えてくれました。幼いときに別れた犀が戻ってきたけれど違和感が残る。その謎を引っ張ったまま、妖祓いのエピソードに移行していく流れも理想的です。まだタイトルの意味は判明しませんが、驚きを約束されているはずなので、早く知りたくなる魅力を感じました。
小学生の幽霊が探偵役ですが、入り組んだハードな事件に取り組んでいます。コミカルな要素も織り交ぜながらも、全編に不穏なムードが漂っています。小4の少女がなぜ幽霊になったのかの謎は、彼女の証言と事実が一致せず、一筋縄ではいかなそうで興味深いです。この世界における幽霊の種類や悪霊化のメカニズムなどの設定を独自のロジックでしっかり固めていました。とくに悪霊になることの苦しみに関しては共感度の高い説明でした。
一見ハチャメチャな独特の世界観のある作品です。都市伝説が起き、被害者に身の危険が迫るとき、どこからともなく現れるカズマ。彼の“ジゴロ”らしさ満点の台詞回しはクセが強いです。しかも、怪異の存在を口説くというカズマワールドは想像を超えた展開です。その見せ場に至るまでに都市伝説の恐ろしさ、被害者の恐怖を存分に描いているため、カズマ登場に爽快感がありました。相反する要素を融合させたとんでもホラーです。
多彩なお酒の摂取シーンが楽しいです。朝から浴びるように飲み、酒が手放せないけど、除霊の腕は一級品の主人公にとても魅力があります。飲酒するダラダラした日常パートと、スリリングな除霊パートの緩急の付け方が巧みでした。最初は依頼をめんどくさがろうと、だらしない生活を送ろうと、いわゆる“やるときはやる”主人公を個性的に描けています。ハードボイルド小説のような世界観に乾いた文体もマッチしていました。
雨の日、同じ傘の下に入った人間を消してしまう“雨の女”。彼女に主人公が遭遇し、罠にかかるか否かの攻防は演出力が高いです。単純なルールゆえに、実現するかしないかがわかりやすく、読み手は彼らの戦いに集中しやすい。張り詰めた緊張感を経ての、コミカルな魔法少女の登場なので緩和の効果が絶大です。そんなコミカルなシーンの中にも、不穏な空気は漂い続けるので、つねに一定の“ホラー濃度”を保てていました。
スケジュール
・応募期間:2024年2月5日(月) 12:00:00 ~ 2024年4月7日(日) 27:59:59 ・最終結果発表:2024年6月中旬頃予定
募集概要
良い作品を執筆したい!というあなたの気持ちをエブリスタが応援します! 「未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン」!! 【コンテストの特徴】 執筆意欲を応援するために、3つの特典をご用意しました! ・優秀15作品以上に、作品へのアドバイス ・大賞受賞者には、キングジム社の「pomera DM250」をプレゼント ・準大賞作品以上は完結後に、「完結作品特集」へ掲載 【こんな方にオススメ!】 書きかけの作品、眠っていませんか?  書きかけの作品も積極的に応援します!  眠っている作品、構想段階の作品でも、どしどしご応募ください! 昔書いた作品、アイディアはいいと思うんだけどなあ……  このコンテストに応募すれば、さらに良い作品にできるかも!?  ぜひ昔の作品にもう一度光を当ててみてください! どんな風に続きを書くか迷ったときは、こちらの記事を参考にしてみてください。 書きたい気持ちに火がつくメディア monokaki(創作ハウツー)
募集テーマ
第44回目のテーマは「とんでもホラー」です。
・仕事帰りに生首を見つけた男。すると生首がしゃべり、「自分の復讐を手伝ってほしい」と言い出して……? ・念願の新居に住み始めた途端、怪現象が頻発。夫は怯えるが、霊媒師の妻は霊を追い払うと息まいて!? ・見知らぬ廃墟に閉じ込められ、デスゲームが始まった。けど主催者を名乗る男は、なんだか手際が悪くて?
怖いけど、想像するとちょっとシュール!?そんな「とんでもホラー」の要素が登場する小説を募集します。 次から次へとページをめくってしまうような、続きが気になるお話をお待ちしております!
賞
大賞 1作品 ・賞金3万円 ・作品へのアドバイス ・キングジム社「pomera DM250」をプレゼント ・完結後に特集掲載※ 準大賞 1作品 ・賞金2万円 ・作品へのアドバイス ・完結後に特集掲載※ 入賞 3~5作品 ・賞金1万円 ・作品へのアドバイス 佳作 10作品程度 ・作品へのアドバイス
大賞の方にプレゼント!
※ 特集掲載は、受賞から半年以内に完結した作品を対象とさせていただきます(投稿時に完結している作品も含まれます)。完結後、受賞連絡時にお伝えする宛先へご連絡ください。ご連絡を頂けなかった場合は、特集掲載できない場合がございます。 ※ 大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタ公式SNS等で配信、紹介等される可能性があります。
応募要項
・文字数は20,000文字以上 ・20,000文字まで読んで選考、作品へのアドバイスをいたします。 ・連載中の作品も応募OK! ・すでに完結している作品 並びに エブリスタ内の公式コンテスト及び他サービス等の投稿コンテストで落選した作品を、募集内容に沿うように再構成してご応募いただくことも可能です。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
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コンテストの注意事項(必読)