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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第229回「ただいま」
日常的な挨拶である「ただいま」と、その対になる「おかえり」という単語。向こう側に居る、この言葉を言い合える存在にスポットを当てた作品が寄せられました。帰る場所がある幸せをポジティブに描く作品もあれば、喪失感などのネガティブな方向から逆説的にそのありがたみを感じさせる作品もあり、総じてドラマ性は高め。「ただいま」という言葉自体に“一日のシメ(あるいは物語のシメ)”を想起させるニュアンスが含まれることもあってか、いかにこの言葉に強い意味合いや、プラスアルファで異なる含み持たせられるかが、作品の面白さを左右していたように思います。

大賞

過酷な戦争下で、孤独な少女が手にした小さな触れ合い。己が守りたいもののために飛び、生きようとする小さな命の煌めきが、眩しく目に映ります。文字数の限界もあって、説明不足な点もありながらもその考える余地が、かえって世界観を深めていた点も興味深いです。うら悲しくも美しい作品でした。

準大賞

ホームドラマのような構成の序盤から一転し、中盤から不穏な展開へと舵が切られる落差に引き込まれます。終わった……と思いきやなラストシーンには軽いめまいを覚えました。一気に作品の雰囲気が変わる舵の切り方が見事です。筆力もですが、構成力を感じる作品でした。

入賞

「おかえりの店」、それはゆえあって素直に「ただいま」を言えない人々が集う、ちょっと不思議で素敵なお店。オムニバスで語られる様々な人間模様に引き込まれ、心がじんわり温かくなる内容でした。シリーズ化もできそうな秀逸な設定だと感じます。自分もこのお店に行ってみたいと思いながら読みました。

佳作

産後うつ、リストカットなど、取り組んでいるテーマは重め。それでも世界を憎むことはせず、「生かされている」と感じることができる主人公に共感できました。「ただいま」の声をスイッチに世界が動き出し、光が差しているわけではないけれど、不思議と希望を感じることができる。絶妙な落としどころのラストシーンが印象的でした。
ふって湧いた恐怖と冷たい現実。作中に漂う良いスパイスとしての気味の悪さに、どんどんページを捲ってしまいます。どうにかして立ち向かおうとする主人公の諦観が、心に突き刺さるラストシーンが印象的でした。この後の展開が気になるところです。
冒頭から引き込まれる物語。息子を案じつつもその生存を信じて、懸命に生きる母親の姿と、彼女に寄り添う小さな少年との関係値に心が温かくなりました。タイトル回収となるラストシーンには涙がこぼれます。
別れた恋人の生霊が出る。不気味なシチュエーションであるはずが、不思議と笑いも誘われるブラックコメディ。ラストシーンこそが、一番のホラー要素で少しゾッとしました。「どうなってしまうんだろう?」と思わせる物語の展開の仕方がとても巧妙で筆力を感じました。
三年間姿を消していた父親が帰宅したことをきっかけに、なんとなく生きていた人生の「これから」をあらためて考え始める主人公。自由とは何か、そして自立とは何かを考えさせられる、切なくて愛おしい物語でした。父が語るちょっとしたファンタジー要素も微笑ましく、思わずニッコリしてしまいます。

超短編賞

該当なし

続きが読みたい賞

恋する乙女の猫かぶりな側面を、見事にエンタメへと昇華しているところが好感がもてました。登場人物がいずれも魅力的ですが、主人公とその恋のお相手がひときわ輝いており、物語にグイグイ引き込まれます。ラストの一言もたいへん素敵でした。2人の今後が気になる作品です。

トンデモ賞

「プロ帰宅部」というアイディアがユニーク。また、タイトルからしてコメディを想像していました。序盤はその通りの流れでしたが、いつしか潮目が変わり、爽やかな青春ストーリーに変貌していく描写に引き込まれます。変わり者であるミノベーですが、彼が傍に居る学生生活は素敵だったろうなと思えました。

優秀作品

ピックアップルーキー

スケジュール
・応募期間:2024年8月28日(水) 12:00:00 ~ 2024年9月29日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2024年11月下旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位20作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位20作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第229弾です。 今回のテーマは、「ただいま」です。 どこかに必ず「ただいま」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・今まで「お邪魔します」と言っていた彼の部屋。けど今日からは「ただいま」と言って入るんだ。 ・笑顔で「ただいま」と言う夫。けど私は、あなたが浮気相手の家から帰ってきたことを知っている。 ・学校で噂の呪いの電話番号。「ただいまお繋ぎしております」というアナウンスにある返事をすると、繋がってはいけない場所に繋がるらしい――。
普段何気なく口にする「ただいま」という挨拶。そう言える相手がいることは、気付きにくい幸せなのかもしれません。 そんな「ただいま」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
メールアドレスの受信設定について
選評の送付や書籍化の打診は、エブリスタに登録されたメールアドレス宛にご連絡いたします。迷惑メール防止の為にドメイン指定受信の設定をされている場合、メールが正しく届かないことがございますので、「@estar.jp」を受信できるよう設定して下さい。
応募の辞退について
応募期間中であれば、作品管理から応募の辞退が可能です。(操作手順はこちら) 締切後の応募辞退は原則として出来ませんので、ご応募の際はご注意ください。

次回予告

次回、妄想コンテスト第230回のテーマは「集める」です。 本コンテストと平行する形で2024年9月11日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第230回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト