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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第145回「ありがとう」
テーマ的に扱いやすかったのか、おもしろく読める作品が多く、選考に苦心した回でした。心があたたまるような恋愛ものや家族を描いた作品が多い中、エッジの効いた皮肉を織り交ぜた作品も光っており、「ありがとう」を単純な台詞として扱うのか、それとも大胆なヒネりを加えるのかといった点でも書き手の個性が見える回でした。

大賞(賞金3万円+選評)

幼い頃に両親を亡くした主人公。それ以来ずっと離れていた故郷を、久しぶりに恋人と訪れることになるのだが……。ビーフシチューの味をきっかけに、忘れていた故郷や家族の記憶を思い出す過程が丁寧で優しく、胸にしみます。ぬくもりに満ちた、素敵な読後感を味わえました。

準大賞(賞金2万円+選評)

現金化できる「ありがとうポイント」が導入され、善行に勤しむ主人公。しかし規約が改定され、ネガティブな発言をするとポイントが減算されるように――。国民を豊かにするためのシステムのせいで人との関わりを絶ってしまう、という皮肉がピリッと効いていました。実際にあったらこうなってしまうかもという恐怖と、やるせなさが胸に残ります。

入賞(賞金1万円+選評)

幼馴染に片想い中の主人公。彼は自分を好きにならないけど、彼の恋が実ったこともない。けど今度は違うようで――。読んでいて赤面してしまいそうなくらい、どこを切っても青春でした。ひねりがない分、まっすぐ心に届きます。主人公を応援したくなる、さわやかな王道恋愛ストーリーでした。

佳作

関わりを持つすべての人に「ありがとう」と感謝される主人公。それは彼の失われた記憶に由来していて……? なぜ主人公は感謝されるのか、というリドルがいい引きになっていました。超越した力を持つ者の悲哀と切なさ、そして救いをしっかりと盛り込んだストーリー展開がお見事です。なんともせつない読後感とともに、また冒頭から読み返したくなりました。
恋人にフラれた主人公は、先輩に誘われるまま「うどんを食べる旅」に出発する。傷心の主人公が旅を介して先輩に励まされていく過程が、楽しくも優しく描かれています。主人公が先輩の思いやりに気づいていく様子が微笑ましく、彼らのこれからを応援したくなりました。
屋上から飛び降りようとする少女を止めるため、クラスメイトの少年がした提案とは――。後ろ向きで前向きなボーイミーツガール。思春期特有の鬱屈とした気持ちを抱える2人が「つまらない小説」でつながる過程が、じんわりと味わい深いです。それぞれの事情や、互いに興味を抱き合う2人のこれからも読んでみたいと思いました。
若かりし頃の黒歴史を家族に掘り起こされた主人公は、羞恥心からとんでもない行動に!? 主人公の真剣さがシュールで笑えますが、冒頭は想像して声を上げてしまいそうになりました。かつての自分に殺意を抱くなど、老若男女共感する人は多いのではないでしょうか。ラストのポエムは身もだえしつつ、喜んだお母さんの気持ちにも共感でき、ほっこりしました。
死のうと決めた男に「落としましたよ」と声をかけてくる女性。彼女が差し出したのは、1枚のレシートで――。二人の男女が知らず知らずに救いあう、その感情の機微が丁寧に描かれていました。とても短い作品ですが、運命的なやりとりがギュッと凝縮されていて、読み応えがあります。なんとなく明日もがんばろうかな、と思わせてくれるお話でした。

超短編賞

先輩に告白して玉砕した親友を慰める主人公。彼女には親友に伝えていない秘密があって……。一見傍観者に思える主人公がラストで語る、秘めた気持ちの独白に、胸が締め付けられました。前半と後半の主人公の台詞の対比が、せつない余韻を与えてくれます。

続きが読みたい賞

スパイの子どもとして育てられた少年が、死を目の前にして知った感情とは――。孤独な少年が口にした仲間への感謝の言葉が重く心に響き、目頭が熱くなりました。壮大な物語の序章ともいえる展開なので、主人公と仲間たちの出会いや交流を含め、もっと読んでみたいと思いました。

トンデモ賞

小さなクマが川に落としたおにぎり。その具であったイクラから、まさかの孵化を果たしたシャケがいて……? 九死に一生を得たシャケの魚生が、なんともドラマチックです。木彫りのクマにシャケがセットになっている理由に新風を吹き込む、独自のパワフルな解釈がキャッチーでした。

優秀作品

BL 完結
11分 (6,400文字)

BL 完結
3分 (1,300文字)

コメディ 完結
10分 (5,815文字)
スケジュール
・応募期間:2021年2月24日(水) 12:00:00 ~ 2021年3月28日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2021年5月中旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第145弾です。 今回のテーマは、「ありがとう」です。 どこかに必ず「ありがとう」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・親友から突然届いた「ありがとう」のメッセージ。何がと訊ねるが、既読がつかず……。 ・あるコンビニが始めたキャンペーン。店員にありがとうと伝えると、くじを引けるというもので? ・部活の引退式で、後輩から先輩への感謝の言葉。けどそれは、いじめられた後輩からの復讐劇の始まりだった。
面と向かうとちょっと気恥ずかしい「ありがとう」。身近な人への感謝の言葉、きちんと伝えられていますか? そんな「ありがとう」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規投稿された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。
注意事項
選評の送付や書籍化の打診は、エブリスタに登録されたメールアドレス宛にご連絡いたします。迷惑メール防止の為にドメイン指定受信の設定をされている場合、メールが正しく届かないことがございますので、「@estar.jp」を受信できるよう設定して下さい。

次回予告

次回、妄想コンテスト第146回のテーマは「花ひらく」です。 本コンテストと平行する形で2021年3月10日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第146回の応募期間内に新規投稿してください。応募期間前に投稿した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト