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未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン「異能/幻想ミステリー」

大賞

タイムループ、ダークファンタジー、ミステリーなどのエンタメ要素が盛り込まれた作品です。殺害され、魔女の館に集められた4人の令嬢。彼女たちは殺される前の時間に戻るため、殺害犯と動機を見つけなければなりません。自分で自分が殺された謎を解く展開はブラックユーモアたっぷりです。記憶が完全に欠落している令嬢がいることで、物語のタテ軸となる謎も設定されています。格調高い文体が作品世界にマッチしていました。

準大賞

アバンタイトルともいえるプロローグに目をみはりました。ストーリーの理解に必要な情報を過不足なく織り込んで構成されています。失踪者の愛用の品の残留思念を辿って、その持ち主を捜す主人公。ただし、目的の相手を見つけるということは死者を発見するという因果な仕事でもあります。悲しみを胸に秘め、成仏する前に犯人を聞き出す彼女の悲壮感が伝わってきました。パートナーのイトコの薫とは役割分担ができていて素敵なコンビです。

入賞

上質で芳醇な文体でした。風景は詩的な表現を巧みに織り交ぜ、幻想のパリに誘ってくれます。異形の描写は写実的で伝わりやすいです。くわえて急転直下していくストーリー展開も絶妙です。憲兵団の魔物討伐隊が人狼を狩りに出撃します。しかし、人狼の強さは想像を遥かに上回るものでした。主人公に突きつけられる二律背反の命題がせつないです。今後、“はみだし者たち”の関係がどんな変化をしていくのか気になりました。
魔女が潜むという学園で、気になっていた美鈴から呼び出された直哉。脅しをかけられながら偽装恋愛を依頼される幕開けが大いに期待させてくれます。彼女の祖母の家で直哉は驚くべき光景を目にします。サプライズの連続でページをめくる手が止まりません。ひとつの謎が解明されると、さらに魅力的な新しい謎が現れるのは愉しい構成です。最初は違和感を覚える主人公の行動の裏にも納得度の高い理由があり、隙のない物語でした。
これぞ幻想ミステリーという完成度でした。通年で花を咲かせ続ける“奇跡の桜”のある屋敷に嫁いだ妹から送られた6通の手紙。数を重ねる毎に時間が飛び、状況が悪化していく演出が見事でした。温かく幸せな家族との日常が綴られていたのに、不穏な空気に変わる。ひとりで恐怖に耐えるヒロインの息遣いまで伝わってきそうな的確な描写でした。さらにその手紙が披露されるのが、猟奇趣味に傾倒した華族の夜会という設定も秀逸です。
魔法による密室殺人、猟奇連続殺人など魔法のある世界での事件簿です。魔法を使用すれば魔法痕が残る、いかなる魔法でも開閉が不可能な魔法錠があるなどの設定が推理を盛り上げます。各キャラは万能なのではなく、それぞれ得意な魔法を持つのも、なんでもありのルールになっておらずグッドです。主人公は魔法医として真相の究明に協力します。物理的、魔法的の両面から分析し、刑事とともに言い募っていくプロセスは見事でした。

佳作

話運びがうまく、読みやすい好作です。絶妙なケースでたとえる比喩が巧みで、読んでいて納得感が高いです。幼なじみから妊娠を告げられたうえ「産んでいいか」と問われる高1の主人公。しかも、出産は3年後という宣言に、心当たりのない本人は戸惑うばかりの開幕シーンから一気に引き込まれます。資金を稼ぐため、主人公はひと夏で100万円という破格の旅籠のバイトに応募して……。次々にページを捲りたくなるパワーがありました。
強烈なサスペンスに引き込まれました。沼瀬が長期出張から帰宅すると、妻や子供や家具までマンションからなくなっています。探偵が調査に乗り出すと、沼瀬の家族を知る人間に誰とも接触できません。徐々に非現実的な事件の様相を呈してきます。事件の輪郭がハッキリしそうになると、さらに大きな謎で拡大する見事な構成です。タイトルにある「迷宮」をさまよっているのは沼瀬か、探偵か、読み手なのかわからなくなる感覚が楽しかったです。
魔法にルールが設定されているため、ロジカルな推理が成り立つ世界の話です。屋上より高い位置に浮かんでいた少女が地上に落下して命を落とす。犯人は魔法使いだと読んだ主人公は、容疑者のもとに赴きますが、彼女は自分の命の恩人でもありました。彼女に自分の潔白を証明させるやりとりで、魔法のルールを読者にも説明していきます。平穏をこよなく愛しているはずの主人公が事件に巻き込まれていく心理描写も説得力がありました。
丹念に積み重ねられた華やかな世界観に魅了されました。人によって作り出された作品が魔法を帯びる世界。毎回狙った魔法効果が宿るとは限らない点が、我々の世界の芸術の難しさとも重なります。ありあまる魔力の影響で修復したいのに作品の魔法を上書きしてしまう主人公。天与の才と自分のやりたいことが合致しない苦悩に共感できます。そんな彼の前に巨匠が数百年前に描いた絵画の魔物が出現します。めくるめく浪漫を感じる一作でした。
魔法に関する事件を裁く魔法執政官。黒魔法を使用した人物は罰を受けるが、何をもって黒魔法と定義するかは魔法執政官が決めます。この線引きにこそ、法の用い方や善悪の判断の難しさがあります。そんな主人公のエイブラムが自ら事件現場に足を運び、フィールドワークで真相を掴もうとする姿勢に好感が持てました。「尋常ならざる日常」において、「命の水」と呼ぶ紅茶を嗜むゆとりを失わない美学もあります。その他の事件も読みたくなる作品でした。
自然なストーリー展開が巧みです。主人公が首なし少女と同居するまでのプロセスが丁寧です。高校生でありながら新聞配達やフードデリバリーに勤しむ主人公の背景もストーリーに自然に組み込まれています。首なし少女の事件、主人公の母親の事件、大切な同級生の事件と3つの殺人の因果関係が大きな謎として全体のストーリーをフルに牽引しています。犯人探しをする主人公が霊視で大切な人の死を直視するという代償が胸に刺さりました。
2つの大きな謎がうねりを上げてストーリーを引っ張っていました。幼なじみの背後に立つ幽霊に関する過去の謎。もうひとつは、神秘的な美少女が人を寄せ付けない理由はなにかという現代の謎です。その渦中にいる主人公が高校2年生の喜怒哀楽をほとばしらせているのが愉しいです。意中の人と言葉を交わせただけで喜べるピュアな描写にリアリティがあります。まだ物語全体の序盤ですが、今後の面白さを予感させてくれました。
端正に組み上げられ、とても読みやすい文体です。女子高の生徒の顔が真っ黒に塗り潰されて見える怪現象が勃発します。同調圧力の象徴にも見えますし、個人のパーソナリティの喪失ともとれます。しかも、情報化社会だからこそ瞬時に拡散してしまう恐怖はリアリティがありました。人気怪談ライターと若き陰陽師で得意分野を活かして事件に挑むのが滅法熱いです。霊の視える能力者同士の孤独を分かち合う交流も胸に沁みました。
骨太な未来の世界観が圧巻です。“終末”以降、荒涼たる砂の中を永遠に進む列車の中で、歳を取らなくなった人類が暮らしています。列車は時折、市場に停車するけれど、降りて買い物ができるのは限られた人のみ。無限に続くかと思われた時間の牢獄のある日、主人公は「ヴェリハーベン」という、この世を変えてしまった存在の名を知りました。終わることのない日常に訪れた謎が、物語にも主人公にも大きな変化をもたらす展開が刺激的です。
スケジュール
・応募期間:2023年2月6日(月) 12:00:00 ~ 2023年4月9日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2023年6月中旬頃予定
募集概要
良い作品を執筆したい!というあなたの気持ちをエブリスタが応援します! 「未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン」!! 【コンテストの特徴】 執筆意欲を応援するために、3つの特典をご用意しました! ・優秀15作品以上に、作品へのアドバイス ・大賞受賞者には、キングジム社の「pomera DM250」をプレゼント ・準大賞作品以上は完結後に、「完結作品特集」へ掲載 【こんな方にオススメ!】 書きかけの作品、眠っていませんか?  書きかけの作品も積極的に応援します!  眠っている作品、構想段階の作品でも、どしどしご応募ください! 昔書いた作品、アイディアはいいと思うんだけどなあ……  このコンテストに応募すれば、さらに良い作品にできるかも!?  ぜひ昔の作品にもう一度光を当ててみてください! どんな風に続きを書くか迷ったときは、こちらの記事を参考にしてみてください。 書きたい気持ちに火がつくメディア monokaki(創作ハウツー)
募集テーマ
第38回目のテーマは「異能/幻想ミステリー」です。
・未解決事件をなくす為、警察内で秘密裏に作られた組織。集められたのは全員、超能力者だった――。 ・村からお菓子が消えた!人間には出来ない手口に、森の妖精たちが疑われたが、彼らにはアリバイがあって? ・とある町で行方不明事件が多発。見つかった手掛かりは、地球上には存在しないもので――!?
など、「異能/幻想ミステリー」の要素が登場する小説を募集します。 次から次へとページをめくってしまうような、続きが気になるお話をお待ちしております!
賞
大賞 1作品 ・賞金3万円 ・作品へのアドバイス ・キングジム社「pomera DM250」をプレゼント ・完結後に特集掲載※ 準大賞 1作品 ・賞金2万円 ・作品へのアドバイス ・完結後に特集掲載※ 入賞 3~5作品 ・賞金1万円 ・作品へのアドバイス 佳作 10作品程度 ・作品へのアドバイス
大賞の方にプレゼント!
※ 特集掲載は、受賞から半年以内に完結した作品を対象とさせていただきます(投稿時に完結している作品も含まれます)。完結後、受賞連絡時にお伝えする宛先へご連絡ください。ご連絡を頂けなかった場合は、特集掲載できない場合がございます。 ※ 大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタ公式SNS等で配信、紹介等される可能性があります。
応募要項
・文字数は20,000文字以上 ・20,000文字まで読んで選考、作品へのアドバイスをいたします。 ・連載中の作品も応募OK! ・すでに完結している作品 並びに エブリスタ内の公式コンテスト及び他サービス等の投稿コンテストで落選した作品を、募集内容に沿うように再構成してご応募いただくことも可能です。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等に応募中の作品はご応募いただけません。
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コンテストの注意事項(必読)