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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第212回「あなたに会いたい」
 今回は「あなた」という個人を指しているテーマなこともあり、ストレートな人間ドラマや恋愛作品が圧倒的多数を占めていました。中でも感情に訴えかけるような感動作が多かった印象です。  それだけに構成力や演出力などの技術的な部分で読者を魅せられる作品が光っており、内容的にも読み応えがありました。比較的短めの作品でも完成度が高く、後から文字数を確認して、それだけしかなかったのかと驚かされることも多かったです。

大賞

50歳を目前にアルバイトで食いつなぐ男の元に、差出人不明の絵本が届く。しかもそれは、幼い頃に父親と考えたお話で……。謎に満ちた冒頭ががっちり読者の心をつかみ、先を読ませます。すれ違う親子の心情や、妹の正論がぐさぐさと胸に刺さって、涙が出ました。雨は降り続いているにも関わらず、さわやかで優しいラストが叙情的で、優しい余韻に浸ることができました。

準大賞

10年ぶりに再会した大学時代の親友。なぜか魔女コスプレで現れた彼女に、麻衣は出会った頃を思い出す。10年ぶりでも変わらず、互いを大切に思える彼女たちの友情がうらやましく思えるくらい素敵です。会えなかった理由や、主人公に会うことを目標に頑張る姿など、リンリンに強く感情移入しながら読めました。花梨も物語をより味わい深くするアイテムとして、印象に残ります。

入賞

人形師の青年に、ドレスを作ってほしいと依頼に来た小さな妖精。その日から2人の交流が始まり――。キラキラとした世界観が目に浮かぶような、美しい童話。寿命の差は越えられなくとも、職人として彼が作ったものは残り続け、2人を繋いでいるのが素敵な関係です。人形師という設定を存分に活かしたラストも素晴らしく、ちょっとせつなくも温かい気持ちになれました。

佳作

亡くなった妻に思考まで似せたロボットを作り上げた博士。その出来に満足していたが唯一、料理だけが妻の味と違っていて? うっすらと不穏さを漂わせる序盤と、それが回収されていく中終盤にぞくっとしました。短い中でもしっかり起承転結があり、メリハリの効いた構成がお見事です。皮肉なまとめも物語をピリッと引き締めていました。
オープンキャンパスを理由に東京へやって来た主人公。けど本当の目的は、名前も顔も知らないSNSの友人を探すことで――。現実よりもSNS上に居場所を求める主人公の解像度が高く、共感しながら読み進められました。交流の中で得た情報から友人を探し出す過程も、パズルのような爽快感があります。結局名乗ることはせず、再会への期待感を高めるラストもさわやかでした。
友人に熱く言い寄る同級生、の友達である遠野くんから告白され、付き合い始めたひかり。けど睦まじい日々は、ずっとは続かなくて――。高校生カップルの馴れ初めと、お別れに至るまでのエピソードや感情が、せつなしくも瑞々しく、かつ丁寧に描かれています。自分の態度を顧みて、相手のために自分から別れを告げられる主人公が魅力的でした。
彼氏持ちの姉に片想いを続け、律儀に尽くす幼馴染をからかう早奈。けど本当は、自分も同じで――。姉へ告白できないままに失恋してしまった幼馴染へのダメ出しが、そのまま自分へのダメ出しになっているのがせつなくじれったいです。素直になれない主人公が、自分ではなく好きな人のことを神様にお願いする健気さに胸を打たれました。
ある日突然、部屋に引きこもってしまった娘。部屋から漏れ聞こえる嗚咽に、なんとか娘と話したい母は――!? タイトルに違わぬお母さんのパワフルさに圧倒され、笑いながら一気読みしてしまいました。娘が引きこもっていた理由も優しく、お母さんと一緒に「なんていい子!」と抱きしめたくなること請け合い。一匙のスパイスで、ほっこり笑える親子愛コメディに仕上がっています。

超短編賞

該当なし

続きが読みたい賞

駅の向かいのホームで、「キュンしてください」と書かれたデコうちわを持っている男子。どうやらそれは、自分に向けられているようで? インパクト抜群の冒頭に、なぜそんな行動を? と先が気になって読み進められます。いつの間にか彼の応援に励まされている主人公に、思わずにやり。なぜ彼が主人公を推すようになったのか、これからどんな関係になっていくのか、気になって仕方ありません。

トンデモ賞

「拾ってください」と書かれたダンボールから聞こえた鳴き声。犬猫かと思いきや、鳴き主はダンボールそのもので!? 強烈なインパクトに戸惑いつつも、主人公とパコの関係性はペットと主人そのもので、ほっこり微笑ましいです。箱であることを活かした遊びもかわいらしく、またそれゆえに起きたトラブルにハラハラしました。最後までパコが箱であるという設定が活かされているのもお見事。

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2023年12月13日(水) 12:00:00 ~ 2024年1月14日(日) 27:59:59 ・最終結果発表:2024年3月上旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第212弾です。 今回のテーマは、「あなたに会いたい」です。 どこかに必ず「あなたに会いたい」の要素が登場する妄想を投稿してください。
・幼い頃に生き別れ、顔も覚えていない母。一枚の写真を頼りに、私は彼女に会いに行く。 ・こんなに探し回っても見つからない……どこにあるの、推しのコンビニ限定コラボグッズ! ・「会いたいです」と書かれた差出人不明の手紙。気持ち悪くて捨てたけど、それから毎日届いて……。
コロナ禍で長く続いた行動制限。誰しも一人は、会いたくても会えずにいた人の顔が思い浮かぶのではないでしょうか。 そんな「あなたに会いたい」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
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応募の辞退について
応募期間中であれば、作品管理から応募の辞退が可能です。(操作手順はこちら) 締切後の応募辞退は原則として出来ませんので、ご応募の際はご注意ください。

次回予告

次回、妄想コンテスト第213回のテーマは「ポケットの中」です。 本コンテストと平行する形で2023年12月27日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第213回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト