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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第218回「お花見」
 日本人にとってお花見と桜はイコールで繋がるもの。しかし“花見”そのものをメインにするのか、“桜”にフォーカスするのかで、大きく方向性が二分されるのがおもしろいお題でした。  とはいえどうしてもモチーフは重なりがちになってしまうため、どれだけテーマを広げて自分だけのオリジナルな味付けができるか、著者の構成力が問われるテーマだったように思います。

大賞

地球の軌道が変わり、太陽の光が届かなくなるという想像を絶する絶望感のなかで、生きることの目的を探し続ける男女の不器用な触れ合い。その二人の人物設定によって物語を推進していき、読む人に生きることとはなにかと考えさせてくれます。ラストの花見のシーンに救いと生きることへの熱量を感じて胸が熱くなりました。

準大賞

妻とVR空間で仮想の花見を楽しみながら、どこか心ここにあらずな主人公。現実なのか虚構なのか、曖昧ななかで進んで行く物語が終盤で一気に加速するスリリングさはじつにお見事でした。冒頭から描かれていた仄暗さのような気味の悪さが後半に物語を反転させていく後味の悪さ。心に黒く染み込んでくる読み味は強く印象に残りインパクトがあります。

入賞

海の底から眺めた桜の存在を信じている妻と、それを断固否定する夫。妙に必死な夫と、そんな彼の様子を微笑ましく見ている妻の態度が不思議でしたが、読み進むにつれてそのロマンチックな理由がわかってきます。愛情に満ち溢れた幻想的で美しい物語であり、語り口調も見事でしっかりと世界観を魅せてくれました。

佳作

両片思いの高校生男女のアオハルをニコニコしながら楽しめる作品でした。遠いようで実は近い、お互いなかなか距離を詰められなかった二人が幻想的な桜吹雪に後押しされたことで関係値が変化していくのか気になります。彼らの淡い気持ちと花見でのやりとりがうまく作用していて、始まりのワンシーンのような優しさを感じました。
金木犀の樹の前にだけ現れる、ミステリアスな女性の魅力に引き込まれます。工事用車両の黄色と彼女が着ていた薄黄色のワンピースのコントラストが、金木犀の樹が失われた喪失感を表現しているようで心に響きました。桜の花見が多い中で、色合いだけでなく、匂いも感じられるような作品でした。
黒い花を咲かせる寺の桜、同時期に兵部卿宮の姫君も忽然と姿を消していた。二つの事柄がどのように結びついていくのかワクワクしながら読みました。検非違使別当、藤原基海をはじめとして個性あふれる登場人物たちが織りなす物語がミステリアスかつファンタジックで、完成された平安時代の世界観も魅力的でした。
サークルの先輩からお花見に誘われ浮かれる主人公と、それをなんとか阻止したい恋人の間で繰り広げられる楽しい舌戦が微笑ましいです。どちらも相手のことが好きで仕方ないのが伝わってきて、安心して読み進められます。めんどくさい彼氏もどんどんかわいく見えてきて読み味もよかったです。
幼い娘の素朴でピュアな感性にハッとさせられ、親子のやり取りに心が洗われる物語です。散りゆく桜の花びらたちの心境を描くことにより、娘の感受性の鋭さに説得力を持たせている点も秀逸でした。人間側と桜側で構成されていて、視線の変化もあるのでどちらにも共感を覚えて優しい気持ちになりました。

超短編賞

大切な友人とお気に入りの場所を失ってしまった喪失感を乗り越えて、人目を気にしないで花見酒を楽しむようになった主人公。その心意気が切なくもあり、頼もしくも感じられます。散りゆく桜が見えるかのような、桜の現代的ファンタジーが胸を締め付けます。説明があまりないことが、むしろ想像力を刺激されました。

続きが読みたい賞

主人公と変わり者の先輩の軽快かつマニアックなやり取りが、読んでいて心地よく胸に入り込んできました。終盤の怒涛の展開も思わずグッとくるシーンが多数ありました。悲しくても前を向いて希望を忘れない主人公の強さには感銘を受けます。先輩との他のエピソードも読んでみたい、そしてラストの先に主人公がどう生きていくのか気になりました。

トンデモ賞

雨が降ったらせっかくの花見も中止になってしまう。そんな常識を覆すような雨降りの花見を決行する奇抜なプロジェクト。ハプニングにも柔軟に対応し、困難に向き合う姿は社員たちが普段から有能である裏付け。この会社の未来はきっと明るいでしょう。最後までハイテンションで、バカバカしく楽しく読めました。

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2024年3月13日(水) 12:00:00 ~ 2024年4月14日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2024年6月上旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位20作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位20作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第218弾です。 今回のテーマは、「お花見」です。 どこかに必ず「お花見」のシチュエーションが登場する妄想を投稿してください。
・桜並木を歩いていたら、彼が「お弁当作ってきたからお花見しよう」と言い出した。……私も作ってきちゃった。 ・花見の場所取り中に異世界転移したけど、手違いだとすぐ戻された。え、もう場所がない!? ・窓から公園の桜を眺めて一人花見中、桜の木で首を吊ろうとし始める人が現れて……。
長いコロナ禍が明け、今年は各地でお花見が盛り上がることでしょう。花より団子もご愛敬? そんな「お花見」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等への重複応募が確認された場合、応募取消しになる場合があります。
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応募の辞退について
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次回予告

次回、妄想コンテスト第219回のテーマは「エイプリルフール」です。 本コンテストと平行する形で2024年3月27日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第219回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト