「白銀の魔法師」は突如として己の所属していた「魔法評議会」を裏切り、己の家族同様である魔法師の一族を惨殺していった。そして最後には「評議会」によって殺されたという――。12年後、村人たちに忌避され、結界によって隠された暗い森の奥で暮らしている魔法の使えない少年・アズサが、謎の生物の導きで少女を助けることになった。その少女はなぜか「白銀の魔法師」に似ていて――。出会いが世界を動かすピュアファンタジー。

涼坂直樹は妻と2人の子供を持つ36歳。彼が頑張って働いて建てた庭付きのマイホームがある日、半分だけ異世界に転移してしまった！リビングの窓を開けて飛び出せばそこにある異世界へ、飼い猫のささみと共に踏み出して、おっかなびっくり世界の探索をはじめた。直樹とささみの冒険の結果わかったことを受けて、一家は力を合わせて現実と異世界を行ったり来たりしながら未知の世界へ挑む！仲良しファミリーの冒険譚。

地上を破壊し尽くした人類は、小国にも等しい土地面積を持つ地下都市で暮らしていた。その中の不要物や捨てられた人間が集まるスラムに、戦闘力に優れカリスマ性を持つサキとそれを補佐するM-A、そしてサキが拾ったライムグリーンの瞳に猫か爬虫類のように縦に伸びた瞳孔を持つ不思議な赤ん坊・コーシが現れた。彼等がスラムを乗っ取ろうと動き始めると、スラムは大きく揺れ、時代が変わり始める！子連れ未来ファンタジー。

長崎市東山手にある「東山手人形館」では人形の展示の他、オーダーメイドでドールを作成している。館長の湊緑朗は、人形を求める人の心を優しく受け止め「さて本日は、どのようなドールをお求めでしょうか？」と尋ね、形にしていく。今年大学生になったばかりの長与礼も人形館を訪れ、高校からの友人・市布笑夢にずっと隠していた思いを託して伝えるのだった……。人形を通して語られる感動のドラマ。

「シゲさん」は突然リストラされ、妻子に逃げられた。蓄えもあったことから再就職はせず、古本屋でアルバイトを始めた。そこで似た境遇の「ゲンさん」と出会い意気投合する。2人はお互いが好きな小説や映画のように「明日死ぬとわかっても、それを笑い飛ばせるほどでっかい旅」に出ることになる。あてのない旅での出会いと別れ、意外な出来事によって、2人はこれからの人生をまた見つけ出していく……。中年達のロードストーリー。

ボーカリストを夢見ている可乃子は、16歳でバンド仲間のてらちゃんと結ばれ、息子の健士を生み高校を中退し、てらちゃんが継いだ料理屋で働くことなった。ある日、彼女はそんな生活がいやだと夫も息子も捨て失踪する。それから10年後、てらちゃんが事故で死んだのをきっかけに、17歳になった息子のいる商店街に戻ることになった。そして可乃子と健士は一緒に生きていくことになるが――。不器用で優しい人々のヒューマンドラマ。

瀬川リツキは高校生活の始めの日、教室を出ようとした時に聞こえたピアノの音に惹かれた。音の鳴っている先を追いかけたが見つけられない。その後、幼馴染の少女・糸杉との日常を過ごしながら見つけたのが、校舎の端っこにある、ピアノがあるだけの空き教室だった。その後もピアノの音をきくが、その主の顔は見えないし、追いかけると姿を消してしまう。その不思議はある秘密に繋がっていた……。せつなさの滲む青春ファンタジー。

颯人は生来風を操る能力を持っている。さらに、その風には妖しを空間の歪みの向こう側に吹き飛ばす力があった。それを利用して「バッサリ☆あやかし退治☆武将隊」という会社でアルバイトをしている。ある日雲の妖しを退治した後、妖しの欠片によって意識を失った。目覚めると目の前には千弓希という美しい青年がおり、颯人の仕事仲間で、颯人が一年分の記憶を失っていると言った。彼になにが起こったのか？現代妖怪退治ファンタジー。

2028年、ギアナ高地で発生した大地震によって、「神」が遺した装置が再起動した。「車椅子の聖人」と言われたマリオは世界に広がり始めた七色のオーロラによって、地球上全ての生命が死滅してしまう運命にあることを世界に向けて伝えた。滅びを阻止できるのは、精霊と通じ合う能力をもつハワイにいるルンと、日本の仏教僧・タオのみ。彼等は救いの「鍵」を持つ姉妹を探す。果たして人類に救いはあるのか？救世の幻想ロマン。

西山千聖の元に、警察がやってきた。千聖の夫・優の遺体が、江戸川の河川敷で発見されたからだった。優は他殺であり、死亡推定時刻の直前には安東弥生という女性と話しており、彼女が犯人である可能性が高いと言う。しかしそんなはずはない。その時間にはすでに、他ならぬ千聖の手によって弥生は殺害されており、死体は西山家の庭に埋められているのだ。しかしいつの間にか弥生の死体が消えていた……。犯罪ホラー＆ミステリー。

奈美は普通の女子高生だが、ひとつだけ「四葉のクローバー」を見つけ出せるという他の人にない能力がある。友人の佐和によって「友達がクローバー少女」とSNSにアップされると、地域情報誌から取材が来た。ファミレスに佐和と共に向かい、記者の森川と会う。飲み物を口につけた佐和は寝てしまい、森川は自分は記者ではなく、製薬会社で新薬を研究している調査員だという。不穏な気配渦巻くミステリー。

かつて直江兼続に仕え、現代まで繁栄している藤宮家の末裔・叶芽は、家名に恥じぬ生き方をしろと言われその通りに生きていた。しかし突然全てを失った彼女は、直江兼続の墓の前で、兼続に恥じぬ生き方をしたことによって生まれた感謝と後悔を告げ首を吊った。そして目を覚ますと、目の前には直江兼続がいて、自分は男になっていた。自らの首を敵に捧げようと考えるまで追い詰められていた兼続に叶芽は……。戦国転生ロマン。

葉月彩夏は、人と群れず孤高に生きる優秀な生徒だが、家庭に問題を抱えていた。母の呪縛から抜け出せず、時に父親に暴力を振るわれることもあった。そうした生活の中で、上辺では何もないように振る舞いながら、心の底では絶望を抱えた日々を過ごしていた。そんなある日出会った、水星深彗という少年は、無償の愛で彩夏を包んでくれた。彩夏は少しずつ変わっていくが、彼女を縛る力は強く――。無償の愛が紡ぎ出すラブ・ストーリー。

宇佐美コーポレーションの御曹司・宇佐美司と妻の景子は、誰から見ても完璧な夫婦だが、しかしその実態は、実は夫婦間にセックスのない冷えた関係だった。それもそのはず、2人は3年と決められた「契約結婚」で成立した偽りの関係だからだ。景子の手元には、署名と判子の押された離婚届がある。そして残り期間はあと1年、2人の気持ちは揺れ動いていていた……。別れの日に何が起こるのか？大人が探す、真実の愛の物語。　

佐伯透は強盗に脚を刺され歩けなくなってしまう。両親が離婚し母は亡くなり父親は失踪、妹と2人懸命に生きてきた中での悲劇だった。一方、電車内で転倒した時田きぬというお婆さんを助けた福島研次という男性の物語が語られる。透の妹、春香がきぬの担当看護婦だったことから彼女をキーとして物語は交錯する。透と研二、そして透を刺した男たちの様々な想いが、時を超えて一つの形となっていく――。今を生きる人々が語る人間讃歌。

須藤が緩い部活に入ろう、と選んだ先が新聞部だった。そこは3年生の女子・遠野浅葱部長一人が回しており、新聞部といってもオカルト方面ばかり取り扱っている。なんとなくそこに入った須藤は夏休みが終わった後、クラスメイトに「毎日マンションを1階分ずつ上がってくる何か」の話を聞かされる。須藤はネタができたとその話を遠野に知らせた。あとは頼りになる部長がなんとかしてくれるはずだったが！？日常系不思議冒険譚。

バレエ団員の彩人は『ロミオとジュリエット』のロミオ役に抜擢された。それを喜んでいると、ジュリエット役のルーシーに呼び止められる。彼女は高慢な態度で、彼氏になれという。しかしゲイであることから拒絶すると、ルーシーは激怒しゲイであることを皆に晒して追い出すと言った。だが次の日彼女はブロンクスの廃墟で遺体で見つかる。有力な容疑者となってしまった彩人に、刑事のゴードンは……。BLミステリ＆ロマンス。

写真の構図を決める手を、ココロに向けてみると――。さわやかな青年のスナップイラスト！

青く幻想的な雨の雫に打たれる少年は、何を想う――。水滴る男子高校生を描いた美麗イラスト！