エンターテインメントの総合プロデュースを手掛ける海田蒼汰は“デスゲーム配信企画”を推し進める。数十人を同じ場所に集め、9時間の間、武器も用いた暴力の行使によって賞金を奪い合わせる。視聴者は好きなプレイヤーの勝利にお金を賭ける。フリーターの辛島克樹は大会の生観戦権に当選したのだが、会場に着いた彼は、なんとプレイヤーとして戦わなければならなくなった！デスゲーム系サバイバルホラー！

高1男子・六骸修人が登校すると、教師が同学年の坂力毅が自殺したことをクラスに告げた。修人にとって知らない人物だったが、友人の藤鍵賭希から「坂力が自殺した理由を調べるのを協力してほしい」と頼まれる。藤鍵の話では坂力の遺書には「怪物が自分の中に居た」という謎の文章があったという。彼の頼みを引き受け、調査を開始した修人は、夢の中で“怪物”に襲われてしまう――。ミステリアスなサバイバルホラー！

豪雨の中、女子高生の相原奈央は自転車を走らせていた途上で、黒い傘を差したミステリアスな少女とすれ違う。彼女は高校に通うために居候させてもらっている遠縁の親戚の家に帰宅する。冷えた体を温めるために入浴した奈央は、磨りガラスの向こうに黒い人影を見つけた。不穏な空気が漂い始める日々の中、クラスメイトが奈央に「喪服の少女のうわさ話」を語り始めた――。ヒロインの周囲で次々と怪現象が起こるホラー。

石動瀬那は多発する霊災に対する退魔師育成機関の国立高杜中央高校に通っている。彼女の母親である咲弥は12年前にこの国を救うため、巨大な双頭の蛇の姿をした禍津ノ神をその生命と引き換えに封印した。瀬那はクラスメイトとともに悪霊を祓う実習に参加する。現場に到着した瀬那は悪霊が退魔師をおびき寄せるための“疑似餌”だと見抜いた。撤退を進言するが、信じないメンバーが突っ込んでしまって！？霊災に挑む退魔師バトルホラー！

真冬の川に転落した事故がきっかけで、大学生の人見はいままで見たことがなかった幽霊が視えるようになってしまう。自分の住んでいた１Ｋは事故物件であり、部屋の中に21歳の霊・ハジメを見つけて驚く。なりゆきでハジメと同居することになり、霊が視えるようになった人見に彼は多くのアドバイスをくれる。霊に対して「同情は絶対にするな」と強く釘を刺された人見だったが……。幽霊とルームシェアする日常のライトホラー！

女子大生の拝島蓬は、失踪した双子の兄・梓の日記に記された手がかりを追って山間の七躯町へと向かった。民宿で「死にに来たんでしょ」と不吉な言葉を告げられた日の夜、蓬は人体を組み合わせた異形の存在と遭遇した。蓬を助けた八夜伴久の説明によれば、七躯の山中はラクに死ねる特殊な環境のため、知る人ぞ知る自殺の名所だった。そして八夜は「あんたのお兄さんの左腕をもらった」という――。サイコサスペンスホラー。

19歳の女子大生・宮野ゆりなは、高校3年のときに1年生の結城美緒と仲良くなり、彼女の兄・郁哉にほのかに惹かれていた。彼女は講義に向かった校舎で無差別殺人の現場に遭遇してしまう。犯人の目は白濁し、禍々しい“臭い”を放っていた。だが、警備員に捕まると、生気が戻り、本人から殺人行為の記憶が消えている。警察官の郁哉はそれと同じ現象を妹の美緒で体験していて――。メールで連鎖するノンストップホラー！

「約束したあの場所、あの時間でお待ちしております」と桜ヶ原小学校の同窓会の案内状には記されていた。20年近く前に卒業した30人のクラスの仲間に同じ文面が届く。そして、さくら公園の桜の木の下にいる女に誘われた者はおかしくなる話や、深夜に店内放送が止まると「足をひきずる音」が聞こえるコンビニの話が披露されて……。約束した場所に、集まった仲間たちがとっておきの話を語るホラー短編集。

大学時代の“私”は心霊スポットを巡ったり、怪談蒐集に励んでいた。同じサークルの1年上で、事故物件に引っ越すような怪談マニアの奈神先輩と親しくしていたからである。奈神先輩の事故物件の新居に泊まりに行ったり、怖い噂話の多い幽霊屋敷に足を踏み入れたりと活動する度に、不可思議な体験をくり返す。それでも、奈神先輩に片思いをする私は、怪談の渦中に身を投じる……。オカルト濃度の高い青春短編集。

探偵の長沢が引き受けた依頼は簡単な浮気調査のはずだった。しかし、レンズ越しに見える男女の裸身には恐ろしい違和感があった。(「の…はずが」より)。道祖神を車で傷つけてしまった4人の男女に降りかかる運命とは……。(「恐ろし」より)。明彦はつねに隙間から視線を感じている。ある雨の日、階段を上ってきた靴音が彼の部屋の前で止まった。(「隙間」より)。現代社会に潜む怪異を集めた心霊ホラー短編集。

古屋青磁が主催する百物語の会。参加者は自身が体験したり、耳にした不思議な話や怪談を順番に披露し、語り終えたらロウソクの火を消していく。風呂場で頭を洗っている時に「だるまさんが転んだ」を考えてはいけないと言われた少女が試してみた結果や、ドライブに出かけた大学生の車のカーナビの案内がとても変だった話が次々に話される。昔から百話を語り終えると怪現象が起こるといわれるが……。怖い話を詰め込んだ短編集。

岸間の町では満月と新月の夜には人喰い鬼が現れ、人を喰う。桜花学院高校の3年華組に転入してきた白皇彗は、人喰い鬼の統領白鬼だった。その夜、少女を襲おうとした彗は、鬼狩り一族の澪霓に阻まれる。翌朝、登校した彗は女子生徒の澪が「澪霓」だと見破り、2人で屋上に場所を移して互いに質問を交わす。彗の最後の質問は「君は誰かを本気で愛したことはあるかい？」だった……。熱い鬼の意思を継ぐドラマチックホラー！

大学生の柳慎吾は、熟練の庭師の父親がスズメバチの襲撃によって死んだ事故に不審感を抱いていた。一方、ロックフェス会場となる公園で、作業中のスタッフがハチの巣を傷つけてしまい、彼らの報復を受けて無残な死を遂げる。ハチへの興味が強まった慎吾は、大学の工学部棟の軒下にできたハチの巣の駆除を見に行く。そのころ、アメリカやヨーロッパではミツバチが大量に失踪する事件が起きていた――。昆虫パニックホラー。