エルマイラム王国の首都で、夕暮れ時に巨大な猿の様な化け物が現れ人を襲う、という事件が起きていた。冒険者ギルドに事件解決の依頼があり、ギルドに所属するイルリアはその調査を始めていた。同じく事件を調査していたジェノという冒険者は、何を考えているかわからないと周りの反感を受けている。しかしジェノの強さと誇り高さを周囲が理解する様になり、事件は解決に向かっていくが――。報われずとも戦い続ける、名もなき英雄の物語。

紅騎士団(クリムゾン)の隊長であり、不戦不敗の最強の盾イージスの能力を持つレイと、優しげで儚い美少年の姿を持ちながら、戦神トールの様だと称えられる最強の聖騎士・ルキウス。彼らは不老化処置を受け、戦い続ける魔術師だ。ある時の戦場で、レイはルキウスの部下を危険にさらしてしまったと詫びる。それをきっかけに、二人はお互いを通して、過去と向き合い、自分を変えていく……。戦いの中で語られていく、恋愛ファンタジー。

魔王の娘・アイは、当時の勇者と鉢合わせになったのをきっかけにして前世を思い出し、今生きている世界が『希望の光』というゲームの1作目だと気づいた。このままゲームが進むと、勇者に父が殺されてしまう。アイが歴史を調べると、魔族は決して邪悪な存在ではなく、ただ誤解をされているだけの様だった。人間を始めとした他の種族に魔族を理解してもらい、平和な未来を実現するためにアイの冒険が始まる――。異色の転生ファンタジー！

「ニューアース」と呼ばれるかつての火星は、無能者とヤクザを押し込むゴミ箱になっていた。賞金稼ぎのエイルは罪人として護送されてる途中看守の隙を突いて脱出し、相棒となったサンティと荒野をさすらうことになる。そして立ち寄った村で出会った保安官の依頼を受け、村長の娘マナを仲間に加え、人身売買と奴隷懲役で私腹を肥やす男の抹殺に向かう――。銃一丁でディストピアに蔓延る悪党どもを撃ち倒す、最強の賞金稼ぎの痛快アクションSF。

黒猫に案内されないと辿り着けない「不処(ふどころ)カフェ」。そこには、甦りの魔女・ヨミと、子供になった腹黒の元王子・ロイが待っている。ヨミは少しの対価と引き換えに、依頼者が望む「モノ」をなんでも盗むと言う。ある時彼女らが受けた依頼は「妹の命を危うくしている、呪いの噂」を盗む、というものだった。ヨミたちは依頼を遂行しながら、過去を変えられる宝石の手がかりを求めて今宵もゆく――。魔女と少年の恋愛ヒューマンドラマ。

久留間久志は1年前、教師が理不尽な理由でクラスでいじめられていた湯油花螺良に唾を吐きかけた時、教師の荷物一式を窓から投下し、メガホンで教師に関するでまかせを言うことで、彼女を助けた過去があった。それきり久留間の株は下がりきり。もう彼女には関わらないと決め、青春を取り戻そうとしていた。しかし彼にとっての「青春キラー」湯油花はどうしても気になってしまう存在で――。リアルな筆致で描かれる鬱系青春ヒューマンストーリー。

彩海の目の前で、彼女と肉体関係のある崎本が死んでいた。それは、彩海の別れた夫・小山内の仕業で、彼は「僕から逃げられると思わないでね」と言った。小山内には他にも、殺人の疑いがかかっており、小山内を追い続けている、元刑事の探偵・神成が探りを入れ始める。実は彩海も自分のために、自分に近づく男を狙う小山内を利用しており、それにより事件の闇は深まっていく――。どこか歪んだ登場人物達が織りなすサイコミステリー。

百合亜は100年に1人と称されるリリコ（ソプラノ歌手）として、オペラ界に君臨していた。しかし天才であるが故の言動と行動から、業界の重鎮を激怒させ、30歳手前の今まで干されてしまっていた。彼女は軽蔑していたミュージカル界に活路を求めて転身する。女優同士の、役を巡る思惑が絡み合い殺意さえ渦巻く中、彼女は再起をかけて戦っていく、そして争いの末に悲劇が起き――。女達が織りなす、夢と芸術と欲望のサスペンス。

晴樹は他殺死体を発見してしまった。その場で彼は殺し屋だというアヤと名乗る女性と出会う。晴樹は家族を放火犯によって失っており、裁かれない罪人を憎んでいた。彼はアヤに誘われて相棒となり、共同生活を始めることになる。といっても、晴樹の生活はさほど変わらず、アヤは得意のハニートラップを使っての殺しを続けていた。いびつな毎日の中から、二人の間にある隠された真実が明らかになっていく……。驚愕のダークサスペンス。

高校1年生の翔の前に、突然ミコトと名乗る「願いの精霊」が現れ「願い事はありませんか？」と尋ねてきた。翔が「ない」と答えると願いが見つかるまでついてくると言う。ミコトは翔以外の人からは姿が見えず声も聞こえないようにしていたが、弟の颯太にその存在を悟られてしまう。颯太は翔に願いがないなら、自分の望みを叶えてほしいと言う。颯太にはある考えがあって……。「願い」を通して家族愛を描く現代ファンタジー。

「俺」が友人に買わされたチケットで舞台を見ていると、そこに影が現れ「俺」を追いかけはじめた。「俺」は繁華街をオフィス街を、影がいない方角に逃げ続け、たどり着いた住宅街で出会ったビーグル犬と共に逃亡を続け、逃げた先の神社で「少女」と出会う。彼女は「俺」の事情を聞くと「面白そうだから」と「俺」の同行者となる。二人と一匹の、夜闇を行く逃亡は果たしてどこにたどり着くのか？己を問いかける純文学。

陰気眼鏡を自称する女子・高瀬がBL小説を読んでいると、野球部のエースで成績優秀なイケメンの柿谷に「ねぇ、それ面白い？」と話しかけられたので、作品について語って聞かせた。その後柿谷は野球部を辞め高瀬に、自分には夢中になれるものが今までなく、高瀬が好きなものを語る姿を見て羨ましいと思った、だから夢中になれるものを教えてほしいと言う。高瀬は彼の力になろうと決めるのだが――。正反対で似た者同士の青春物語。

ポーランド共和国の首都ワルシャワの孤児院の前に、女の子の赤ちゃんが置き去りにされていた。そこに残された紙切れには、彼女がモニカという名前であり、人魚との混血だとあった。成長した彼女は、歌を歌うようになり、それは子供に夢を見せる力があった。彼女は自分のルーツと能力を少しずつ知っていき、健やかに成長していくが、世界では軍靴の音が聞こえ始めていた――。時代に翻弄される魔法使いの生涯を描いた物語。

伯爵令嬢カナリアは、父の犯した反逆の罪により蛮国と言われるブルスタット公国の第二王子・シリウスと婚約することを求められた。シリウスとの最初の夜会で、彼女は毒を盛られる。かろうじて生死の境から帰ってこられたものの、シリウスを始め周りは敵だらけと警戒を強めるが、ある時2人の間に誤解があることに気づく。そして彼女らは惹かれ合うようになり、力を合わせ敵に立ち向かっていく――。毒と陰謀の宮廷ファンタジー。

記憶喪失の「私」は、ただ一つ残された地図を手がかりに、雨の降る日、泥まみれで地図の場所を探していた。その場所に辿り着く前に、彼女は意識を失ってしまう。目覚めると端正な顔をした男性と一緒に風呂に入っていた。彼女はずっと気を失っており、その間彼の家で世話をされていたのだと言う。家には訳あり気な男性が集まっており、彼女は彼らとの生活の中で失くした自分を探していく――。美形男子とのミステリ＆同居ラブストーリー。

29歳のパートタイマー・美音は、近頃毎回、聞こえてくる笛の音の方向に彷徨い続ける、という同じ夢を見ていた。気になって図書館に夢占いの本を借りに行くと、そこで19歳の少年・奏にカバンをぶつけられた。出会いの印象は最悪だったがそれから彼女は短い期間で奏に何度も出会うようになる。そして夢の中でも「奏」という名を聞くようになり……。遥か遠い昔の記憶が、現代の二人を結びつける、時空を超えた年の差ラブストーリー。

圭太達は宝探しと言って、呪われている土地と言われる視影という場所に入り込んだ。そこで彼らは、人間のようだがそれとは明らかに違うバケモノに襲われ、呪いをかけられてしまう。それから4年、何事もなく日々が過ぎていたが、仲間の一人・隆平の前にバケモノが姿を現すようになったと言う。圭太たちはバケモノの正体を明かし、呪いを解く方法を探し始める。しかしすでに、彼らにも呪いの魔の手が迫っていたのだ――。戦慄の怪異ホラー。

鬼生田茅はうつ病で休職し、幼馴染で現職の警察官である北門東に支えられながら、布団の上で横たわる生活を続けている。生きていても仕方ないのではないかという希死念慮に取り憑かれていた彼が気晴らしにでかけた公園で、首吊り死体とそれを持ち運ぼうとしている2人組を発見してしまう。その2人は人食いのバケモノで、彼はそれに食い殺され眠りについたが目を覚ますと何故か無事で――。生と死の狭間から覗く異形のホラー。

5年前までアイドル声優としてスポットライトを浴びていた貝崎は、売れなくなってから裏名義で成年女性向けBLの声優をやっている。ある日彼がスタジオ入りすると、音響監督がバイト時代の後輩・綾瀬だった。綾瀬は貝崎に恥ずかしいセリフを言わせる演技指導を続け、台本と同じシチュエーションでキスを迫るなどのドＳ行動を始める。そして二人は同居生活をするようになり……。声優＆音響監督の声フェチBLストーリー。

うちのにゃんこがぐっすり――。スコティッシュの眠り姿を描いたほっこり鉛筆画。

透き通ったガラスの靴の足先には指輪が――。ファンタジー物語が始まりそうな美麗イラスト！