400年ほど前に起きた戦争で、世界はボロボロになり「灰」と呼ばれる毒ガスに包まれてしまった。人類は辛うじて絶滅を逃れたものの、シェルターに引きこもることになり、長い時間をかけ復興を進めている。一葉はその世界で人工的に作られた、命の価値をペット以下として扱われる存在だった。彼女は東京から逃げ出した先で終希という名の青年に出会う。彼との出会いで、一葉は思いがけない事を知っていく――。ディストピアSF物語。

夏の日、大坂楓という少女は交通事故にあった。そして目が覚めると、なぜか冬になっていた。別の世界に来てしまったのかと考えているところに、幼なじみの木崎亮平がやってくる。彼は自分は50年後の未来からやってきていて、楓は歴史上2014年9月10日に死ぬと告げた。自分は冬になった今も生きていると反論すると、彼は驚きの事実を告げる。そして楓達の世界の運命を懸けた戦いが始まるのだった――。SF青春ストーリー。

雫と宗士は幼なじみで、高校も大学も一緒だった。その宗士からの雫の呼び方は、しーちゃんから雫ちゃんへ、それから雫になり、彼が雫の父の組に入ったことで「雫さん」に変わり、彼女のお付きの運転手となり、二人の間には上下関係が生まれてしまう。雫はそれを寂しく思うも、護られるべき者になろうと、新しい関係を模索していく。その二人の関係はこれからどう変化していくのか――。変わりゆく中揺れ動く2人の恋愛物語。

宙空は生まれてすぐに母が離婚し、その母が自殺し、顔も覚えていない父の元に行くと乱暴され続け、その父もヤクザに撲殺され…と不幸な境遇でずっと生きてきていた。そんな身の上に絶望し、ビルから身投げしようとした時、大家である一雲という男に止められた。行き場のなくなっていた宙空は、一雲の部屋に身を寄せることになる。そこから宙空の人生の建て直しと、2人の恋が始まった……。頑張るヒロインの年の差シンデレラストーリー。

結婚してから4年、美都は最愛の夫・恭太とセックスレスであることに悩んでいた。そんな彼女の前に、3年前にOJTを担当した吉良が現れた。美都は吉良に「3年前から片思いしてました」と告げられ、彼の部屋に行くことになる。そこで身体を求められるのかと思いきや、これは茶番で、吉良は美都の夫は自分の彼女と不倫しており、美都の夫に同じ目にあってもらいたかったと言った――。ウソが導く、背徳の愛の物語。

女性しか魔法が使えないはずの世界で、香坂環は男性なのに魔術の素質を持っている、唯一無二の存在だった。彼は立派な魔術師である母の姿を見て魔術師を志すが、魔術学校は名門女子校でもあり、そこで学ぶことになった。しかし入学した日から、環の存在はトラブルを作り出してしまう。それでも彼は周りに認められ、人を助けられる魔術師になろうと奮闘していく――。魔術がある現代社会でがんばる特別な少年のファンタジー物語。

この時空間とは別の世界があり、そこではLABOという組織がディビターという怪物を使い、世界を支配しており、そしてこちらの世界の侵略も始めた。炎響と呼ばれる精霊使い・如月翔真は、炎の精霊・フレイムと共に、この世界を救うため、そして姉の敵をとるためにLABOと戦い続けていた。姉を失ってから感情表現を欠いてしまっていた彼だが、記憶喪失の少女・芽生と出会ってから、彼は少しずつ変わり始める――。現代精霊ファンタジー！

地獄の鬼門の門番が何者かに倒され、妖怪達が人間界に出てしまった。閻魔大王の次男坊・蛍は、先に人間界に入っている長男・経国を助け、人間界に潜伏して事件の調査をするように命じられる。蛍が転校生として通うことになった学校で、なずなという少女に出会う。蛍は彼女を気に入り、時にちょっかいをかけ、時に妖怪達から守り、奇妙な毎日を過ごす中で、2人の絆は深まっていく――。地獄から来た少年の、摩訶不思議な成長物語。

麦野が9歳の時、彼女の母が自殺した。その葬式で、彼氏に「お前の母ちゃんが死んだ時、お前笑ってたよな？」と言われ別れを告げられる。さらに父に夜逃げされ、それから彼女の目には、人の顔が食べ物に見えるようになった。長い時が過ぎ、大人になってもその現象は治らなかったが、ある時出会った青年が、人間の顔をしていた。それを見た麦野はなぜか「おいしそう」と感じていた――。彼女は果たして救われるのか？執着と愛と青春の物語。

高校2年生田中望の姿が消えた。生徒の中で「田中は楽園に行く列車に乗って楽園へ行った」という噂がまことしやかに流れていた。相沢拓海は、田中が消えた日の放課後、望と話をしており、普段生徒は用がないはずの、視聴覚室の鍵を返しておいてほしいと頼まれていた。拓海は視聴覚室に行ってみたが使用禁止になっていた。楽園とはなんなのか、それは本当にあるのか、拓海はその答えを探していく――。迷いながら光を求める、青春の物語。

赤穂浪士大好き女子のむつみが古い本をめくっていると、江戸時代、しかも赤穂浪士の討ち入りがある12月14日から、わずか11日前の吉良家にやってきてしまった。吉良家の人々に世話になり、赤穂浪士の敵役である吉良上野介に出会うが、とても悪人に思えず、むつみは別の角度から吉良について知っていく。むつみはこれから起こることを皆に告げようかとするが、歴史を変えていいのかと思い悩む――。時空を超えた歴史ファンタジー。

大林賢治には、霊や異形のモノといった『人ならざるもの』が視える。ある日彼は、横断歩道の真ん中で手を挙げていた幽霊の女の子と目が合い、そのまま取り憑かれてしまう。なぜ彼女は手を挙げてそこにいたのか？ 幼なじみの瀬田祐奈の協力で、その女の子の問題を終わらせられたと思いきや、また次の事件がやってきて、賢治の不思議な日常は続く……。視える少年と視えない少女と力を合わせて答えを見つけていく心霊青春ストーリー。

ライは南の国の先王の子として生まれたが、父のことを何も知らない。父は子を宿した妻を残したまま南の国からの人質として皇国に赴き、帰ってこなかったと言われ、ライはそれを母への裏切りと感じていた。彼は父について知るために客人として皇国に行き父について調べていると、父は『幻獣』になれたらしい。それが何を意味するのかという謎と、父の真意を探すうち、世界を滅ぼしかねない事件に巻き込まれていく――。真実を求める冒険譚。

ぼっちで50歳の太田零士は、目を覚ますと神々の空間にいて、「あなたはお亡くなりになりました」と告げられた。しかしなぜか、元の世界を離れて別の世界に堕ちてきていた。さらにどうやら、彼の魂には「特異点」という何かに関係する特別なものがあるらしい。それ故に神々の思惑で、イリステリアという異世界に転生することになった。彼はそこで手探りの新しい人生を始める。その先に待つものは……。オジサン転生ファンタジー。

名門羽林家の姫・守恵子は内裏に入ることを期待されている。守恵子本人は権力争いの駒になることに悲観しつつも、それは大納言の娘である自分の役割だと受け入れてはいたものの、都の流行り事が気になり、屋敷の使用人たちから世の噂話を仕入れていた。その中にいる眉目秀麗な陰陽師が、様々な問題を持ち込んできて、聡明な彼女に、不思議・複雑な問題の解決の助けを求めてくるのだった――。平安時代の謎解き和風ファンタジー。

山下千晶は、眠れない夜に田畑修司という男を呼び出して、添い寝をしてもらっていた。そんなある日、修司はバイクに乗っている時、交差点で軽トラックと衝突事故を起こし、その後どこの病院に運ばれたのかもわからないまま姿を消してしまった。それから3年が過ぎても彼女は修司が生きていると信じ、修司の弟である勤と、その彼女の聖美と共に、修司の行方を探し始める。その先に巨大な陰謀が蠢いているとは知らずに――。王道ミステリー！

「わたし」が、幽霊の匂いを嗅ぎ取れる柴犬のキヨタダと夜の散歩をしていると、桜庭凛子という名の幽霊と出会う。彼女は「どこかで赤ちゃんを見ませんでしたか？」と言う。それから一週間後、わたしとキヨタダは男の子の幽霊と出会う。「近藤玉城」という彼の名は凛子に誘拐された子のものだった…それが意味するものとは一体？ 他、犬小屋に堕ちていた右手、街をさまよう少女の霊等、一人と一匹が不思議と出会っていく連作短編ドラマ。

父・母親共に大物芸能人である星乃純は、人の心を読むことができ、他者の心の動きに敏感で外の世界が苦手だが、自分の能力が両親の仕事の役に立つからと芸能事務所にしばしば出入りしていた。そんなある日、純は父の所属する芸能事務所の社長に、アイドルグループの8人目としてデビューしないかとスカウトされる。もし断ればグループ7人のデビューそのものが無くなると言われ……。優しい少年が必死で頑張るヒューマンストーリー！

男2人は、どの時代で出会っても、片や殺したいほどの憎しみを抱き、もう片方は愛した男に刃を向けられるたまゆらな関係にしかなれない宿命にあった。過去に悲劇的な最期を遂げ続けたその2人は、現代に転生する。彼らは老舗和菓子屋の主人の息子・及川博樹と、和菓子職人の三好陣として生まれ変わった。そして及川は三好との出会いで、今世ではこの男なのだと悟る。2人はまた悲劇に向かうのか――。運命の中で踊るＢＬ物語。

コウは、良いデザインを表現できる建築家になるのを夢見て、父の反対を押し切り美大に入りはしたものの思うようには行かず、伸び悩んでいた。「建築向いてないのかも」と零すほど弱っていたある日、叔母が営む古民家カフェにアルバイトとして入った彩羽と出会ったことで彼は変わり始める。夢を諦めないコウと、夢を追うことから逃げた過去のある彩羽、2人の想いが新しい未来を作っていく――。溺愛系BLストーリー！

夜空輝く大樹の下で、山猫と二人食事を楽しむ旅人――。精彩を放つイラスト。

卒業する先輩を想って、涙が溢れるセーラー服の少女――。情緒伝わるイラスト。

月明かりが差し込む夜の教室は、静寂に包まれて――。澄んだ背景イラスト。