大陸の東西を隔てるように聳え立つ山脈を境に、異なる宗教が信仰されているオーバリア大陸。二つの教えは長年交わることはなかったが、ある大国が布教のため軍事侵攻を開始した。渓谷の集落に住む少年トリスタンの元にも、イブラビ教へ改宗を迫る軍人が襲来する。イブラビ教徒への憎しみを募らせたトリスタンは、クレスト教会傘下のジェライ騎士修道会第八管区長・ラヴィニスと出会う。この邂逅が世界を震撼させることに――。宗教戦争に翻弄された男の戦記ファンタジー。

外見と内面の悪さを理由に夫であるセシリオから離縁を言い渡されたクミ。結婚前から浮気を繰り返され、皇族との約束で逃れられない政略結婚だったことから、クミは快く離縁を快諾した。そして2年後、計画通りダイエットして美しくなったクミは、隣国モリーナ王国との国境地域で平和に静かに暮らしていた。小説家として念願のスローライフを送っていると、担当編集から美形の小説家仲間・アレックスを紹介されーー!?天然無自覚のバツイチ令嬢がゆく暴走ラブファンタジー！

経済社会が崩壊した後に、貴族制度が生まれた近未来。全寮制の鷹鷲高校には、貴族の子息が所属する帝王科と、彼らに仕える優秀な執事を育成するための執事科が設立されている。入学式の前、駅で体調が悪くなってしまった帝王科の明彦は、執事科の同級生・東條に助けられる。学園の門をくぐってから強制的に別れさせられた二人は、三年に進級してやっと再会する。卒業まで二つの科の生徒は共に過ごし、生涯の主人と執事を見つけていくのだ――。学園青春ストーリー。

叔父さん夫婦の家で暮らす友達ゼロの高校生・三代川美里は、崖っぷちの写真部に所属している。ある日、彼女が現像したフィルムの全部のコマに男子生徒のニヤけ顔が映りこんでいた。その生徒は一週間前から美里に取り憑いている幽霊・ユウである。彼は取り憑く以前の記憶が一切なく、コンテストが近いのに作品づくりもままならない状況だ。早いとこ、この幽霊をなんとかしないと思っていたが……。青春ラブコメディ。

理由の明かされない大規模な区画整理が突然行われ人々は追い出された。犯罪行為が横行して荒れ果てた東京から皆地方へ逃げていった。情報屋の真淵貴之と博也の兄弟は危険な東京に留まり、行政機関から盗んだ情報を売って生計を立てていた。ある日、謎に満ちた研究所に潜入するも撤退することになり、その逃走中に不思議な力を持つミドリと二人は遭遇する。彼女は研究所から逃げてきたというのだが――。現代恋愛ファンタジー。

施設で育ったカイトはあるおばあさんの家に養子として迎えられた。庭の裏には彼女が手を尽くした美しい庭園があり、カイトはおばあさんに指導されながら花を育てる日々を送るようになる。庭園に彼と同じ年頃のミノルという少女とその弟が遊びに来るようになった。おばあさんが亡くなった後もカイトは平穏な日々を暮らしていたが、ミノルの弟が殺されてしまうという事件が起きてしまう――。悲しく切ない現代ファンタジー。

サラリーマンの父と専業主婦の母、四歳違いの神童の姉、二歳下の平凡な弟に囲まれて育った藤宮二子。傍から見たらごく普通であろう家族だった。二子が小学六年生の時、いつも通り登校しようと準備を進めると、弟がぐずっている。遅刻しそうだった二子は、「いくよ！」とだけ声をかけてそのまま学校へ走った。しかし弟は着いてきておらず、そのまま行方不明になってしまう。見つからないまま月日だけが過ぎていき、家族から二子は人殺し扱いをされて――。切ないミステリー。

公爵令嬢ガーネットは、婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきた。それにも関わらず、罵詈雑言を浴びせられ婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまう。地味令嬢としての幕を閉じると、時間が遡り処刑前に目覚めた彼女の前には幼なじみである王太子の弟・ルベリウス王子がいた。国を支える魔術師になるため他国へ留学するはずの彼にそばにいて欲しいと願ったことで、ガーネットの運命は大きく変化していく――。逆行溺愛ファンタジー。

33歳主婦の川田沙耶は、小さな電機メーカーで事務のアルバイトを始めてもうすぐ一年が経つ。夫を信頼してはいるが、愛や恋などの熱い感情はとうに薄れていた。そんなある日、先月から入社した長身に甘いマスクの大学生・佐原隆に告白される。彼から食事に誘われて一緒に出かけると、偶然にも夫とかつての職場の先輩・美津子が一緒にいる姿を見かけてしまう。芳夫との関係が破綻しつつある中、沙耶にとって隆の優しさが唯一の癒しとなっていき――。大人の年の差不倫ラブ。

とある森の奥にある小さなログハウス「雑談屋ヒイラギ」の主であるヒイラギは世捨て人のような生活をしていた。ヒイラギは丸眼鏡をして黒い長髪をぎゅっと絞った青年であり、彼の元には悩みなどを持った人々が度々尋ねてやってきていた。就活中の女性や学校で傍観者だった青年、時にはカフェだと間違えてやってきた人などが彼との雑談の中で、ほんのわずかな希望を思い出せていく。心がほのぼのとするヒューマンドラマ。

【未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン「オカルトホラー」受賞作】売れない小説家の「私」は、この二、三日腹の調子がおかしかった。思い当たることと言えば、同じく物書きを生業としている友人が南米の奥地の村からくすねてきた「禁断の水」を、酔った勢いで一緒に飲んだことぐらいだった。企業の管理職をしている妻の頼子が三日間の出張に出ることになり、家に一人残った「私」はどうしてか強烈に「肉」を食べたいという強い欲求を感じるようになってしまう――。残酷オカルトホラー。

【未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン「オカルトホラー」受賞作】帰省先の実家から戻ってきた日の夜、葉山香鈴は弟の死を知らされた。一昨年の盆は祖母が、去年の正月には父が、その年の盆には母が亡くなっていた。そのどれもが、彼女が帰省先の実家から戻ってきた日の夜であり、家にはまだ妹の麗奈がいた。香鈴がよく当たるという占い師の藍沢を訪ねると、庭にあった椿のことを指摘される。その木は代々切ってはいけないといわれていたものだった――。誰かに死が訪れる怪奇ホラー。

【未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン「ピュアきゅんBL」受賞作】小4の冬、「俺」はいつも優しい綺麗なクラスメイトに恋をした。その時、「俺が、彼に押し倒されたい」と思っていることに衝撃を受ける。誰もが憧れる人気者だった「俺」の性的対象は男性で、立ち位置は右側で、胸をかき乱すのも「彼」だけだった。彼を気にしないために中学では部活に打ち込み、高校は上京を決める。そして男子校で更にガタイがよくなり、新たな恋も見つけられず大学に入学した「俺」を待っていたのは、あの「彼」だった――。忘れられない一途BL。

【未完結でも参加できる 執筆応援キャンペーン「ピュアきゅんBL」受賞作】4月1日、エイプリルフールに親友の旭から告白された草介。旭の右眉は不自然に少し上がり、左の口角はむずむずと落ち着きがなく、嘘をついている時の癖が全面に現れた告白だった。そしてネタばらしとばかりに表情を緩ませた旭に、草介は「じゃあ、付き合おっか。」と口付けで答える。翌日から、ちょっと距離を縮めただけで過剰な反応を示す旭に、草介は嬉しさを感じる。少しでも長くこの夢のような幸せな時間が続けばいいと思っていたが――。嘘から始まる幼なじみBL。