成瀬連は文武両道のイケメン、かつ性格もよい人気者で、2年1組をまとめるクラス委員として真っ先に推薦された。しかし、怖い先輩と言われている生徒会副会長への恐れから女子の委員が決まらず、その役割は孤立している結城馨に押し付けられる。優しいが人に気を使って押しの弱いところのある成瀬と、誰にも譲らない気の強さがある結城は、正反対であるがゆえにすれちがいながら、やがて惹かれ合うようになっていく――。ほのぼのラブコメディ。

一般的な貧血に対して使われる薬では症状が抑制できない病、“血球欠乏性貧血”。その症状に最も効果があるのは血液を飲むことであり、それゆえ罹患した者は“吸血鬼”と呼ばれ虐げられ、殺戮されてきた。その慣習は現在まで続いており、罹患が発覚した段階で研究施設の保護下に置かれ、27歳という寿命がくるのを待つことになる。大学を卒業し就活中の葉山大智は、そんな病気を発症してしまい――。現代ファンタジー。

闇カジノで莫大な借金を作ってしまった医大生の尋。返済のため指示されたのは、病院に麻酔科医として入り込み、“検体”となる人間に麻酔を投与すること。そして埠頭にある倉庫街へと運び出す手伝いをすることだった。ある晩、検体のその後が気になり、中の様子を窺った尋。そこで見たものは自分を“神”と言い、子供のように無垢な目を持つ白くズングリした男が、人を生きたまま処理する光景だった。悍ましいと思いながらも、その男に妙に惹かれた尋は、あることを考える――。残酷な人間ドラマ。

パティシエとして独立しようとしていた矢先、元彼に裏切られ、父を亡くした沙代子。傷つき逃げるようにして故郷に戻った彼女が出会ったのは、ハーブティー専門のカフェとその店主・志貴だった。その店は、古本屋を経営していた沙代子の父に頼まれ、古本も売っているという。2人はある古本に纏わる話に巻き込まれたことをきっかけに、次第に惹かれ合っていく。やがて沙代子は、忘れてしまっていた志貴との想い出を蘇らせて――。古本と紅茶のヒューマンドラマ。

伝説の門番クルセイダスが魔王の軍勢を滅ぼしてから30年。門番の存在はステータスとなり、世界中の権力者は、優秀な門番を雇うことに躍起になっていた。最強の門番となるべく10年の修行を積んだヴァーサス。しかし現在の門番には強さだけでなく、歌って踊れる華やかなカリスマ性やアイドル性など、多くのものが求められており、彼を雇う者はいなかった。そんなヴァーサスの前に、挑発的な紅い瞳の少女が現れて――。ラブコメバトルファンタジー。

魔法世界の名門バロウズ家の血筋である小学生のあずきは、誤って“ゲート”を通り、地球から魔法世界へとやってきてしまった！　女子高生魔法使いの奈々は、魔法警察からの依頼であずきを確保し、何とか彼女を無事家族のもとに送り届ける。そして夏休み、あずきは祖母から受け取った手紙にある「月の女王は紅茶がお好き」という言葉に誘われ、祖母と会うため旅に出た。それは忘れられない思い出の始まりだった――。魔法少女の冒険物語。

繊細な心を持ち、余計な音と光が苦手な優香は、自分の感受性に振り回され続けていた。ある日美容院に行くと、アクシデントによっていつもとは違う美容師・アキラが担当者として現れる。アキラと優香は好きなアーティストの話で意気投合し、一緒にライブに行くことになった。そのライブ会場でアキラから、ルイという中性的で妖艶な姿をした男性を紹介される優香。2人との出会いで、彼女は変わっていく――。大人の友情と恋の物語。

学校一のイケメン・蓮と付き合っていた梓だが、彼の浮気が原因で別れることになった。半年後、梓は数学教師の高梨と秘密の恋愛をしていたが、その関係が蓮にバレてしまう。すると彼は「そろそろ俺んとこ帰ってこい」と復縁を持ちかけてきた。梓はそれを断るが、蓮は諦めない。そんな彼の想いの強さに困らされていた梓だが、ある時蓮が見せた優しさに、その心は小さくではあるが揺れ始めて――。三角関係ラブコメディ。

桜木渓と、アパートの隣に住む宝条皐・波瑠の母娘は、渓の母が皐を担当した助産師だったことをきっかけに、家族のような関係となっていた。夫を亡くし、女手ひとつで娘を育てる皐を助けるべく、渓は家政夫的な立場で宝条家の面倒を見ているのだ。渓は超えてはならない一線を守りながらも、波瑠のことを想っていて――。美女母娘に翻弄されるアラサー男子の純愛ストーリー。

公爵家の4女・シエナは18歳の誕生日に、「素敵な恋人がほしいです」と父にお願いをした。貴族の4女といえば、姉たちに何かあったときの保険のようなものだが、3人の姉が無事に結婚をしたことで自由の身となったのだ。父は保険扱いしていた負い目もあり、シエナの望みを果たすべく恋愛相手の候補を探した。その結果、貧乏貴族で魔法オタクのエストが選ばれて――。“ごっこ”から始まる恋愛ファンタジー。

マリアントには転生前の記憶がある。前世の彼女は10歳の時に、愛犬と留守番をしていたところを強盗に殺されたのだ。そして転生して侯爵家に双子の妹として生まれたものの、忌み子として親から疎まれていた。12歳の洗礼で目覚めるスキルがよほどのもので無い限り、処分される運命にあった彼女だが、結局“もふり”という謎のスキルしか目覚めず、殺されかける。そこに黒い狼が現れて――。異種族恋愛ファンタジー。

夏の太陽の下。孝弥はプールでイルカのように泳ぐ、同じ水泳部員の美波の姿を見ていた。孝弥は美波のことが気になっているが素直になれず、スマホから何度もメッセージを送ろうとするものの、彼の親指は文章を書いて消すのを繰り返すばかりだった。「今日も、無理だ」。そう考えながらも、時に勇気を出してかき氷を食べに出かけようと誘ったりして、中学生最後の夏の日を過ごす。瑞々しい青春の物語。

野乃花は、自身の不登校と両親の離婚により、瀬戸内のど田舎にある母の故郷に引っ越した。保健室登校という形で午前中だけ中学に行き、午後は山で過ごすという日々を送っていた野乃花はある日、山で狼と、ボロボロの縞々パンツだけを身に着けた少年に出会った。言葉が通じず、なぜそうしているかもわからないが、彼女はその少年と心を通わせることができ、時間を共有するようになっていく――。ぼっち少女とオオカミ少年の青春物語。

見抜真はある日、ひょんなことから共に文化祭実行委員を務めることになったクラスメイトの姫倉さとりから「私、文化祭当日にはこの世にいないから」と告げられる。突拍子もない言葉だったが、真は自身が持つ“他人が意図的についた嘘に限りそれが嘘だと分かる力”によって、それが嘘ではないと確信した。姫倉は、自分には未来を経験する力があり、自分が誰かに殺されることを知っているという。真はそれを聞き、未来と戦うことを決め――。運命に抗う、少年と少女の物語。

タバコ屋兼悩み相談所の“幸せ本舗・ハッピーエンド”は、どんなジャンルの相談もアフターフォロー付きで、大体納得できる内容で解決してくれる。相談所にたどり着けるのは、依頼が受任される可能性のある者だけだ。少し変わったその店では、『ハッピーエンドの裏側で、都合よく使われたバッドエンドの誰かがいる』という話が好きな“ライター”と名乗る男が、依頼者が幸せになるため訪れるのを待っていた――。異能ミステリーホラー。

近頃、一部の人の間で話題になっている“願いを叶えてくれる神社”を、噂を頼りに街の外れの森で見つけた藤村姫華。しかし願い事をした後も、彼女には一向に変化が訪れない。そのことについてクラスメイトと話していると、「姫華の行った場所には神社などない」と言われてしまう。その真偽を確かめるため、再び森へと向かった先で姫華が出会ったのは――。いわくつきの神社をめぐる、願いと報いの心霊譚。

風太の大学生の弟・陽太が姿を消した。2人は一緒に住んでいるが、同窓会へ行くと言ったまま帰ってこないのだ。風太が弟の足取りを追うと、同窓会に行った者たちが集団で失踪しているという事実を知る。そして風太のスマホに非通知で電話があり、「み…つけ…て」と言って切れてしまった。風太は同窓会が行われた場所に何かがあると考え、会場だという廃校へ向かう。そこで彼を待っていたものは――。閉鎖空間で繰り広げられる恐怖譚。

自殺するため、誰もいない学校の屋上のフェンスの上によじ登った相場貴也。意を決して飛び降りようとしたその瞬間、フェンスが大きく揺れる音と「何だよ先約かよ？」という声を耳にする。その声の主である妖艶な美少年と屋上で言葉を交わしていくうちに、貴也が記憶の底に封印していたトラウマが目覚めてしまう。その上、目の前にいた美少年に違う人物の姿が重なったことで、貴也は衝動的に彼の首に手をかけてしまい――。光と影と、生と死を語るBL物語。

ある世界には男女の他にα・β・Ωという性別があり、αが最も優れているという風潮のもと、Ωは社会的地位が低く、差別される存在だった。Ωは発情期にαと性行為をすれば男でも妊娠ができる。そんなΩの悠斗は、結婚相手であるαの春樹に運命の番が現れ子供ができたといわれ、離縁することになる。バツイチとなった悠斗に、αである春樹の弟の夏樹がプロポーズしてきて――。αとΩの様々な形の愛が語られていく、オメガバースBL。

智将の辞書に敗北の二文字無し。魅了される軍官イラスト！

水中で揺らめく、赤髪少女と海の生き物たち――。夏を感じるseaイラスト！