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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第160回「今どこにいますか?」から始まる物語
 物語の始まりを日常でもよく聞くセリフに設定された今回。限定的なテーマながら、相手や状況、込められた感情などによって、様々なドラマが生み出されていました。現実的な居場所を尋ねたり、自分の心のありかを尋ねたり、もう届かない相手へ思いを馳せたり……書き手によって捉え方がこんなに異なるのかと唸るような作品ばかり。  特に完成度の高いヒューマンドラマや感動作が目立ちましたが、中でもテーマの一言にエモーショナルがぎゅっと凝縮され、心を揺さぶられるような作品を受賞作とさせていただきました。

大賞(賞金3万円+選評)

よそ者である旅人に厳しい目を向ける村人たち。どうやら龍が落としたという、虹色の鱗が関係しているようで……? 風景や色彩が目に浮かぶような、鮮やかな描写が印象的です。龍の孤独や寂しさがせつなく、またそれを包み込むような少女の温かさが胸を打ちます。優しくさわやかな読後感を味わえる、良質なファンタジー作品です。

準大賞(賞金2万円+選評)

匿名メッセージアプリに届いた“メッセージボトル”。何気ないメッセージから始まる、何の情報もない相手との交流に、静かなワクワク感がありました。一日に一度しかやりとりできない、という制限によるゆったりとした流れも、それを持続させてくれます。ラストの一文はこれからの彼らを想像させてくれて、ほっこりします。水や海から連想する言葉選びもおしゃれで上手でした。

入賞(賞金1万円+選評)

“看板商品の看板”を語り部として紡がれる、小さな菓子屋の生涯とも言えるような物語。テーマをお菓子の名前として使い、かつ言葉が持つイメージを味に例えるというアイデアが面白い。作中で言葉に込められた意味が物語全体の味わいにもなっています。語り部が無機物だからこそラストまで見届けることができたのだと思うと、せつなくも温かい郷愁が心に残りました。

佳作

乞食まがいの生活をしていた幼い頃、パンを分けてくれたメアリ。孤児院に入り会えなくなってからも、主人公は彼女のことを想い続けていた――。つらい日々を支えてくれていたはずの存在が、いつしか心の枷のようになってしまったのが苦しく、物悲しい。どうか彼が、すぐそこにある幸せに手を伸ばせますようにと祈りたくなりました。
友人から意味深なメールを受け取った主人公は、彼のとある挑戦をビデオ通話で見守ることになり……。会話は淡々としていながらも、ヒリつくような緊張感が伝わってきて、クライミングシーンは手に汗握りながら読み進めました。ラストの達成感と爽快感がすばらしく、二人の友情に胸が熱くなります。諦めない勇気をもらえるような物語でした。
同棲中の恋人と結婚目前、仕事も順調。でもどこか噛み合わない……。キャラクター造形がリアルで、噛み合わないことも、道から外れたくなることも、共感しながら読み進められました。後輩の憎めなさが物語にうまくゆとりを与えています。何事もきっちり決めて生きていかずとも、曖昧でもいいんだと、優しく寄り添ってくれるような作品でした。
友人宅でのお泊り会中、近くの中学校へ肝試しに行くことに。そこで見たのは、黒板に書かれた自分の名前と「今どこにいるの」というメッセージで……。テーマとなる冒頭が強い引きになっていて、一緒に肝試しをしているような臨場感を味わえました。最後まで読むと、また最初から読み返したくなります。

超短編賞

少しでもいい場所で芽吹くため、旅をする綿毛と種のお話。綿毛と種を別々に擬人化するアイデアが面白く、彼らの旅路がほっこりしながらもドラマチックです。シンプルで短いながら、最後は優しい気持ちになれました。ぜひ絵本で読んでみたいです。

続きが読みたい賞

該当なし

トンデモ賞

この問いが、これほどまでに僕を苦しめるなんて。という書き出しに引っ張られ、幸せなマイクにいったい何が!? と気になりながら読み進めたら、まさかのオチにズッコケました。語り手と共に、問いに戸惑うこと間違いなし。そうきたか、とテーマの使い方に膝を打ちました。
PCに保存された、主人公の名前と年齢だけが記載されたテキストファイル。なかなか物語を書き始めない作者に業を煮やした“彼”は――!? 発想がとにかく面白く、キャプションやあらすじ欄まで徹底されていることに感心しました。PC内を動き回る主人公がなんだか愛らしく、これもある種の冒険と言えるのでは? と声をかけてあげたくなります。

優秀作品

SF 完結
14分 (7,999文字)

恋愛 完結
10分 (5,938文字)

ピックアップルーキー

7分 (3,717文字)
スケジュール
・応募期間:2021年10月13日(水) 12:00:00 ~ 2021年11月14日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2022年1月上旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第160弾です。 今回のテーマは、「「今どこにいますか?」から始まる物語」です。 物語が「今どこにいますか?」の台詞から始まる妄想を投稿してください。 ※台詞の言い回しが多少違っていても、意味が同じであればOK!
・「今どこにいますか?」浮気相手の家だなんて言えな……「まぁ知ってますけどね」え? ・「着いたよ、今どこ?……え、青梅?」待ち合わせ場所は青海だよ!! ・「今どこにいるの?皆心配しています」行方不明者捜索チラシに書かれた一文。けどこれが嘘だと私は知っている。
スマホ一つで居場所を把握するのも容易な現代。とはいえ、時にはすれ違うこともありますよね。 そんな「今どこにいますか?」から始まるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規投稿された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他サービス等に応募中の作品はご応募いただけません。
注意事項
選評の送付や書籍化の打診は、エブリスタに登録されたメールアドレス宛にご連絡いたします。迷惑メール防止の為にドメイン指定受信の設定をされている場合、メールが正しく届かないことがございますので、「@estar.jp」を受信できるよう設定して下さい。

次回予告

次回、妄想コンテスト第161回のテーマは「変身」です。 本コンテストと平行する形で2021年10月27日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第161回の応募期間内に新規投稿してください。応募期間前に投稿した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト