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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第179回「ゆるさない」
 相手に心を寄せていればこそ、反動も大きくなる。“ゆるせない”という単語から連想される通り、怒りや恨み、またそれに端を発する復讐を描いた作品が多く寄せられました。  登場人物が感情を爆発させる場面はもちろん、ゆるせないという感情にどのような折り合いをつけるのかといった葛藤……共感とともに、自分だったらどうするだろう、と考えさせられることも。一筋縄ではいかない、感情の機微をお楽しみください。

大賞(賞金3万円+選評)

余命わずかな兄と友人の百合を引き合わせた晴海。兄の死後も百合は度々姿を現し、兄に執着する。数年後、彼女の婚約が決まり安心していたのだが……。四十九日で百合がとった行動に戦慄しました。彼女の狂気とも呼べる愛情には不気味さだけでなく崇高さが混じり合っていて、目が離せません。死でも分かてない愛情の結末に、どっしりと重たい何かが胸に残りました。

準大賞(賞金2万円+選評)

魔女の魔法で「ゆるさない」しか喋れなくなった上に、攫われ召使いにされたエラ。魔女の恐ろしい計画を知り飛び出した彼女は、底なし沼に入ろうとする青年と出会い――。短編とは思えないほど、密度にあふれた冒険譚です。魔術師と力を合わせて魔女と対決するシーンはワクワクしました。序中盤の絶望感と、後半の大逆転の対比、からの大団円のラストシーンの構成も良かったです。最高の読後感を味わえました。

入賞(賞金1万円+選評)

どんな分野でも一番だった山野は、演劇部で瀬川と出会い、初めて敗北感を覚える。しかし憎らしく思っていた彼女とW主演することになって――? 目の上のたんこぶが、いつしか大切なライバルとなり、衝突を経て友情を深めていく、王道の青春部活もの。物語の構成が素晴らしく、登場人物たちも魅力的で、最後まで食い入るように読み入ってしまいました。

佳作

父が連れてきた小学生の姪。姉の娘である少女の存在を、主人公は知らなかった。父は「自分の死後は養子にしてほしい」と頭を下げ、数ヶ月後、弁護士から父の訃報が届く。超短編ですが、物語のなかに肉親への壮絶な想いと葛藤が盛り込まれていました。過去の自分と姪を重ね、彼女を守ろうとする姿には胸が熱くなります。書き込める要素はたくさんあるので、ぜひ中~長編で読んでみたい物語でした。
母の心臓手術に臨む息子。院長でもある父が最高のスタッフを揃え、アドバイスも受けた。緊張と共にメスを入れると、その状態は検査で診たよりもずっと悪くて……。幼い頃から言い聞かせていた言葉が、ここぞという時に悪い意味で効いてくる。なんとも皮肉が効いたシュールさが印象的です。社会的な背徳感はありつつ、父親が得た仄暗い満足感も理解できてしまいました。
友人とやってきた、雨の日の海。荒れた海を眺めながら突き付けられる悲しい現実とは? 静謐な会話シーンが中心ながら、情景が思い浮かぶほどに情緒豊かです。親友同士、それぞれが後悔を抱えながら、それでも前を向くことをお互いに誓い合うラストシーンには涙がこぼれそうになりました。
背が高く目立つせいで絡まれやすい大樹。転校生に声をかけられうんざりしていたのだが、彼は大樹をバスケ部に誘ってきて――。王道の青春部活もの。試合シーンがテンポよく臨場感があって、物語に没入できました。さわやかな読後感も良かったです。
自殺したはずの少女によって作られた、SNSのグループトーク。冷徹に復讐が綴られる様を、主人公は“関わらなければ大丈夫”と、ただ傍観していた……。狂気が伝染していく様と、予想外のどんでん返しに圧倒されました。主人公の心情描写が一貫しているので説得力があり、その過去が暴かれるシーンは鳥肌ものです。

超短編賞

恋人の男友達を部屋に上げ、甘い時間を過ごす桃佳。大丈夫なのかと再三訊ねる彼に、「これくらいゆるしてくれる」と返すのだが……? 展開自体に意外性はありませんが、最後にもう一段仕掛けられたオチが味わい深く、背筋がひやりとします。最初から読み直すと、叙述も工夫されていることがわかり、膝を打ちました。

続きが読みたい賞

「禁止言葉」を口にした人間が排除されていく未来の世界。残された主人公たちは状況を打開するため、知恵を絞るのだが……。「言葉が規制される」という、いかにもありえそうな設定がおもしろいです。ディストピアの中で生きる主人公たちの、息苦しく綱渡りのような日常がひしひしと伝わってきました。物語の序章のようにも思えるので、今後の展開が気になりました。

トンデモ賞

該当なし

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2022年7月27日(水) 12:00:00 ~ 2022年8月28日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2022年10月中旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第179弾です。 今回のテーマは、「ゆるさない」です。 どこかに必ず「ゆるさない」のシチュエーションが登場する妄想を投稿してください。
・不倫の末に離婚した夫。不倫相手と幸せになるなんて絶対にゆるさない……! ・学年のアイドルに告白を決意!のはずが、「抜け駆けはゆるさない」と度々阻止されて!? ・襲ってきた男を殺してしまった。正当防衛だったが、以来「ゆるさない」と書かれた手紙が届くようになり……。
怒りをのみ込み“ゆるす”ことは、大切だけど難しい。“ゆるさない”のは簡単ですが、長く苦しむことも……。 そんな「ゆるさない」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等に応募中、または過去に受賞したことのある作品はご応募いただけません。
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応募の辞退について
応募期間中であれば、作品管理から応募の辞退が可能です。(操作手順はこちら) 締切後の応募辞退は原則として出来ませんので、ご応募の際はご注意ください。

次回予告

次回、妄想コンテスト第180回のテーマは「あの日の約束」です。 本コンテストと平行する形で2022年8月10日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第180回の応募期間内に新規投稿してください。応募期間前に投稿した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト