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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第180回「あの日の約束」
 “あの日”の約束ということで、約束から物語の時間軸に至るまでに流れた時や、その間に起こった出来事が読み口を大きく変える今回のお題。  約束自体はエモくても、それを逆手にとった意外な展開もあったり、よりエモさを増幅させたり……作者の創意工夫が存分に味わえる楽しい回でした。  反面、いわゆる一発ネタは活かしづらかったかもしれません。

大賞

隣村へ望まぬ嫁入りをした安佐の唯一の楽しみは、村にある美しい森を散歩すること。ある日その森で、美しい男と出会い――。“何も持ち帰ってはいけない”というルールに対し、そういう抜け道を使うのか! と膝を打ちました。すべて偽りだったと判明した瞬間の薄気味悪さと衝撃のラストに、ぞぞっと背筋が粟立ちました。

準大賞

湧き続ける蟲を討伐し、日々死者を増やす魔女たち。ある日、後方支援のアヤに前線に出るよう指示があり――。構成が上手く、クライマックスに向けてどんどん盛り上がっていくので、目が離せません。終わらない戦いの中で、日々交わされ続ける約束は祈りにも似ており、やるせなくも尊い。彼女たちに平穏が訪れる日を願わずにはいられません。

入賞

大学のキャンパスをうろつく少年が出会った“ハカセ”は、少年を叱りもせず様々な話を聞かせる。しかしある雪の日、二人に別れが訪れ――。気怠げな大人とワケあり少年の出会いと交流、そして別れと再会がドラマチックに描かれています。約束が果たされるラストシーンの情景も美しく、胸がいっぱいになって涙がこぼれました。

佳作

婚約した女と、彼女に想いを寄せつつ祝福する男。喫茶店で交わされる、ある男女のとりとめのない会話劇です。洒脱でコミカルな会話が心地よく、隣の席でそれを聞いているような読み心地でした。欲はあっても求めない、この二人だけの関係性とテーマの結びつきが素敵で、雨上がりのようなさっぱりとした読後感も気持ちよかったです。
親の離婚で、大好きな祖母と離れることになった里帆。いつでも会いに来てと言われ安心するが、自分が母の不義の子であると知ってしまい……。里帆の葛藤への共感度が高いので、終盤の祖母の温かさが心に沁み、読後感も気持ちよかったです。ただ12年も娘として育てた里帆に対する、父の態度だけがどうしても引っ掛かり、もったいなく感じました。
幼い頃に結婚の約束をした、王子様みたいな男の子。結婚し娘もできた絵美は、彼が強盗殺人の容疑者であるというニュースを目にする。スリリングで緊迫感に満ちた展開に、どうなってしまうんだ!? とハラハラドキドキしながら一気読みしてしまいました。「色褪せた約束なんて凶器でしかない」という言葉がなんともほろ苦く、後を引きます。
未曽有の酷暑の影響で、一部の夏野菜が姿を消した世界。主人公は幼い頃の母との約束を果たすため、ピーマンを復活させようとしていて――。ドキュメンタリーのようなリアリティと登場人物の熱意にぐいっと引き込まれます。だからこそ、気付かぬうちに約束が果たされていたラストには説得力があり、温かな読後感を得られました。
共に暮らす魔女と、その幼馴染。彼は約束を守ってくれない魔女に不満を持ちつつも、共にいられる幸せを感じながら日々を過ごしていた。ちょっとずれた二人の微笑ましいラブストーリーかと思いきや、次第に明らかになる真実に胸が締め付けられます。悲劇的でありながらも、優しく温かな雰囲気に癒され、この二人をもっと見ていたくなりました。

超短編賞

事故もないのに橋の欄干に括られた花束。都市伝説のように噂されるそれが、今まさに括りつけられる瞬間を目にした主人公は、その人物に声をかけるのだが――。女性の明るいノリと、その後のシーンの落差がショッキングでインパクトがあります。連鎖するようなラストの薄気味悪さも印象的で、町中で手向けられた花を目にするたび、脳裏をよぎりそうな超短編です。

続きが読みたい賞

枯井戸に住む駄菓子屋のグルテ。彼女は“風船ガム”を作るため、人知れず井戸の奥で研究に没頭していた。冗談で交わされた約束を叶えるため、一途に努力するグルテが魅力的な主人公です。終盤はコミカルでファンタジックな絵面も相まって、わくわくしました。二人のこれからを想像させ、余韻が残るラストも一文も素敵でした。

トンデモ賞

宿主が最も恐れる方法で自殺させる、恐るべき寄生虫が流行。妻に感染の徴候があることに気付いた夫は――? 恐怖を煽る設定と、それを活かした演出が巧みです。最後まで夫を信じ、愛していたからこそ辿り着いた結末は、後味の悪さとスカッと感が共存しており、なんとも味わい深かったです。

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2022年8月10日(水) 12:00:00 ~ 2022年9月11日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2022年11月上旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第180弾です。 今回のテーマは、「あの日の約束」です。 どこかに必ず「あの日の約束」のシチュエーションが登場する妄想を投稿してください。
・転校生に「久しぶり。あの約束覚えてる?」と声をかけられたが、その顔自体に覚えがなくて……? ・生涯愛し合うと誓ったあの日から二十年。同じ日に、私たちは離婚届を提出しようとしていた。 ・化け物に襲われた女は、胎の子が大きくなったら差し出す約束をして逃げた。時は流れ、約束の日が迫り――。
人生の中で、幾度となく交わされる約束。しかし言われた方は、案外覚えていなかったりするもの。 そんな「あの日の約束」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等に応募中、または過去に受賞したことのある作品はご応募いただけません。
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応募の辞退について
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次回予告

次回、妄想コンテスト第181回のテーマは「○○が落ちてきた」です。 本コンテストと平行する形で2022年8月24日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第181回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト