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三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第190回「静けさの中で」
 静と動という対比的な状態は、一方を印象的に描くことでもう一方を反比例させることができる。“静けさ”を強調することで物語にコントラストが生まれ、その後の見せ場を際立たせるような、構成力が光る力作が多かったように思います。  作者がどの場面をより読者に印象付けたいのかがわかりやすく、メリハリの効いた作品が目立つ回となりました。

大賞

終わりのない冷たくて無慈悲な宇宙、そこを漂う宇宙船というロケーションが今回のテーマとうまくマッチしていました。少しずつ明かされていく謎が物語にもスリルをもたらしています。SF的なモチーフとその描写にどんどん引き込まれていきました。エンディング後のことを考えるとゾッとする読後感もよかったです。

準大賞

一読したあとに知らずと微笑んでしまっている、ものすごくいい意味で「しょうもな~!」と笑ってしまえる魅力的な作品でした。メインキャラクター二人の関係性とセリフもコミカルでかわいらしさがあり、男女のある種の駆け引きのようなドタバタとしたやりとりも非常に楽しめました。お題の組み込み方も巧みでした。

入賞

とある男女の数年ぶりの再会、お互いに対する優しい気配りや想いがわかるあたたかい前半パートから、後半パートにかけての切なくもの悲しい展開に心が揺さぶられました。いい意味で終わりが読めず、楽しく読み進めることができました。無常さを感じる終わり方もテーマと非常に合っていました。まさに大人の短編小説でした。

佳作

借金をしてまで“自分の未来”が見れる有料チャンネルに登録した主人公。そこに映った未来で、自分の成功を確信するのだが……。展開やオチは序盤で予想がついてしまうものの、緩急のつけ方やシナリオ運びが巧みなので楽しく読むことができました。終わり方がテーマと強くシンクロしていたのも印象的でした。
現実味のある皮肉が効いたブラックな作品でした。生々しいほどのリアルな育児の辛さや夫婦の考え方の違いなどが強烈に印象に残りました。状況説明や世間で起きていることが主人公たちにどう関係してくるのかをうまく演出して描いており、先が気になってどんどんページが進みました。ダークなオチも秀逸です。
メッセージのやりとりだけで進んでいくというシンプルさ、行間の開き具合もラストに向かってどんどん加速していくようでした。シンプルさが非常にうまく作用しているので、読み手にいい意味で想像させる余地が多くあり、それが不気味さをいっそう引き立てています。スリリングな展開が魅力的な超短編でした。
高校で友達が出来ず、トイレでお弁当を食べる冬子。ドアに描いた落書きに反応してくれた“誰か”との交流が始まるのだが――。主人公の心細さと居場所のなさが丁寧に描写されているので、トイレの落書きでの交流で得る喜び、そして実際に友達ができてトイレでの出来事を忘れてしまう心情がよく理解できます。そんなほっこりした空気から、前半で漂う不穏さが回収される展開の落差にインパクトがありました。
引っ越してきた住人の騒音というありがちな隣人トラブルから、物語が進んでいくにつれ息を飲むような怒涛の展開になっていき、引き込まれました。徐々に明かされていく情報によって、最後までハラハラドキドキしながら読み進めることができます。隣人に、そして主人公に聞こえていた声とはなんだったのか――気付くと背筋がヒヤリとする短編でした。

超短編賞

船旅を愛する主人公の、船員や乗客との交流や、静かな夜の海を楽しむ穏やかな描写から一転。思いもよらない方向に舵を切る展開に驚かされ、なんといってもクライマックスが印象的でした。終始、詩的で軽快なテンポで描かれていてやわらかな雰囲気があり、魅せ方が非常に巧みな短編作品だと感じました。

続きが読みたい賞

じっくりと創り上げられた、波乱万丈のドラマが魅力的です。メインとなるキャラクターの心情描写が巧みで、物語に引き込まれるのでどんどんページをめくってしまいました。物語の展開とキャラクターの感情の変化や思いがわかるシナリオの緩急もよかったです。隙のないクオリティの高さがあり、二人の続きも読んでみたくなりました。

トンデモ賞

該当なし

優秀作品

スケジュール
・応募期間:2023年1月11日(水) 12:00:00 ~ 2023年2月12日(日) 27: 59: 59 ・最終結果発表:2023年4月上旬頃予定
賞
大賞(賞金3万円+選評)1作品 準大賞(賞金2万円+選評)1作品 入賞(賞金1万円+選評)1作品 佳作(選評)数作品   超短編賞(選評)  続きが読みたい賞(選評)  トンデモ賞(選評) ※大賞、準大賞、入賞または佳作(以下、「受賞」という。)の作品はエブリスタの短編小説シリーズ「5分シリーズ」に収録される可能性があります。(収録を依頼する場合には、受賞者に別途、ご連絡させていただきます。) 短編小説シリーズ「5分シリーズ」 ※受賞作品はエブリスタ公式SNS等で配信・紹介等される可能性があります。  優秀作品(結果発表ページでご紹介)  ピックアップルーキー(結果発表ページでご紹介) ※大賞・準大賞・入賞作品を除く上位30作品を優秀作品として、結果発表ページでご紹介します。 ※上位30作品まであと一歩だった作品の中で応募期間終了日より3ヶ月以内に会員登録された新規作家の作品を、ピックアップルーキーとして数点、結果発表ページでご紹介させていただきます。
募集概要
新作限定!初心者大歓迎! たった100文字の妄想でも気軽に参加できちゃう短編コンテスト、第190弾です。 今回のテーマは、「静けさの中で」です。 どこかに必ず「静けさの中で」のシチュエーションが登場する妄想を投稿してください。
・初めての恋人、初めて入る部屋。お互い緊張のあまり、何も話せなくて――。 ・いつも笑いに満ちる人気お笑いコンビのライブはその日、しんと静まり返っていて……? ・図書館で友達と勉強会……のはずが、あいつはなんで変顔で笑わせようとしてくるんだ! ・初めての宇宙遊泳。無音の世界で感動する男に、背後から近づく存在が――⁉
静かな場所は落ち着きますが、静かすぎると逆に緊張してしまうもの。完全な無音状態だと、人はすぐに発狂してしまうのだとか――。 そんな「静けさの中で」にまつわるあなたの妄想をお待ちしています! 過去の妄想コンテストはこちら
応募要項
・本コンテストの応募期間内に新規公開された作品。 ・文字数は100文字(三行程度)~8000文字 ※制限文字数未満又は制限文字数を超えた作品は選考対象外となります。 ※非公開設定している作品は、選考対象外となります。 ※連載中の作品の場合、応募期間終了時点での作品の完成度も含めて選考いたします。 ※エブリスタ内の公式コンテストや他社サービス等に応募中、または過去に受賞したことのある作品はご応募いただけません。
メールアドレスの受信設定について
選評の送付や書籍化の打診は、エブリスタに登録されたメールアドレス宛にご連絡いたします。迷惑メール防止の為にドメイン指定受信の設定をされている場合、メールが正しく届かないことがございますので、「@estar.jp」を受信できるよう設定して下さい。
応募の辞退について
応募期間中であれば、作品管理から応募の辞退が可能です。(操作手順はこちら) 締切後の応募辞退は原則として出来ませんので、ご応募の際はご注意ください。

次回予告

次回、妄想コンテスト第191回のテーマは「告白」です。 本コンテストと平行する形で2023年1月25日(水)より開催予定です。 ※作品は次回の妄想コンテスト第191回の応募期間内に新規公開してください。応募期間前に公開した作品はご応募いただけませんので、ご注意ください。

コンテストの注意事項(必読)

超・妄想コンテスト